
■お餅の保存法
保存は、冷凍が基本だという。
「市販の個包装のお餅は、賞味期限が長いため冷凍保存不要です。賞味期限内に食べ切れない、個包装されていない、手作りなどのお餅は、一切れずつラップに包みフリーザーバッグに入れて冷凍すると、さらに一カ月ほど保存できます。つきたての場合は、粗熱を取り食べやすい大きさに切ってから冷凍すると、一カ月ほど保存可能です」(スガさん)
おいしく解凍する方法も教えてもらった。
「電子レンジでは、水にくぐらせてからオーブンシートを敷いた耐熱皿の上に乗せ、一切れあたり600Wで30〜40秒ほど様子をみながら加熱します。オーブントースターでは、くっつかないアルミホイル上に乗せ10分ほど加熱します。ガスコンロでは、水から10分程度煮るとよいですよ」(スガさん)
適切に保存、解凍すれば、賞味期限を過ぎてもおいしさを維持できそうだ。
■お餅は体によいの?
お餅はカロリーが高く、太りやすそうなイメージがあるが……栄養について聞いてみた。
「ご飯一膳(約150g)のカロリーは約250kcalであり、同等カロリーの切り餅の量は2と1/5個です。つまり、ご飯一膳と切り餅2個強のカロリーがほぼ同じです。食べ過ぎなければ太る心配はないでしょう」(スガさん)
エネルギー源である炭水化物の含有量がご飯より多いそう。
「100gあたりの炭水化物では、ご飯が37.1gなのに対し、お餅は50.3gです。炭水化物は体を温める作用がありますので、運動する方や受験生などにおすすめです」(スガさん)
「原料であるもち米には、体を温め代謝を促す作用のある『アミロペクチン』というでんぷんが多く含まれています」とスガさんは続けた。
「アミロペクチンは、水と一緒に加熱すると粘り気が増し消化スピードが遅くなるため、長時間満腹感が得られます」(スガさん)
特に持久力を要するスポーツをするには、ご飯よりオススメなのだ。
■余ったお餅をおいしく食べ切る方法
余ったら、「軽食やおやつにアレンジするのがおすすめ」とスガさん。『餅ベーコンチーズ』の作り方から聞いた。
「一口大に切ったお餅にスライスチーズ、ベーコンを順に巻きます。サラダ油を薄く塗ったフライパンで、巻き終わりを下にし、蓋をして弱めの中火で焼きます」(スガさん)
面倒なら、サラダ油を塗った耐熱容器に具材を入れ、オーブントースターで8〜10分ほど焼いて「餅ベーコンチーズグラタン」にするのもよいという。マヨネーズを加えると、コクが出てビールやワインのおつまみにも最適とのこと。
「切り餅を半分にスライスし、ピザソースにお好みの具材、チーズを乗せて焼けば『餅ピザ』になります。ホットプレートで焼くと、家族で楽しめますね」(スガさん)
ピザ同様、おやつにしても子どもに好評だろう。
「フライパンにバターを熱し、切り餅を両面がきつね色になるまで焼きます。はちみつかメープルシロップをたっぷりとかける『バター餅』は、優しい甘さが後をひきます」(スガさん)
次の「餅チョコ」は、新食感のデザートとのこと。
「切り餅3個を2〜3cm角に切り、牛乳大さじ4と共に耐熱容器に入れ、ラップをかけて600wの電子レンジで2分加熱します。板チョコ2枚(120g)を加えて、溶けるまでよく混ぜ合わせます。次に、ラップにココアパウダー5g程度をふりかけ、その上に餅を長方形になるように置き、上にココアパウダー5gをふりかけて、ラップでくるみながら細長く成形します。冷蔵庫で30分以上冷やし、一口大に切ります」(スガさん)
他にも、好みの味付けをした納豆をかけて「納豆餅」にすると、餅に納豆の粘り気が加わり納豆ご飯とは違うおいしさになると教えてくれた。もし手元にお餅があるならば、適切に保存しながらアレンジレシピにチャレンジしてみるのもよいだろう。
●専門家プロフィール:スガ
会社員兼料理家。育児と仕事でハードな日々を乗り越えるべく始めた作り置き生活をきっかけに、レシピサイト「週末の作り置きレシピ」の運営を開始。手軽で美味しく健康的な作り置きおかずに定評がある。「一生役立つ スガ家のおせちとハレの日の作りおき」(エムディエヌコーポレーション)など著書多数。
画像提供:ピクスタ
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)