2020年の商用サービス開始を目指して実証実験をしている、NTTドコモの次世代通信規格5G。今までより大幅な高速・大容量・低遅延の通信を可能にする技術だが、その可能性の一端を体験できるイベントが8月4日〜6日に東京のお台場・青海地区で開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」会場で行われた。

■アイドルと自分のアバターがステージで共演「JidorAR」

体験できたのは進化型自撮りアプリとも言える「JidorAR(ジドラー)」。AR技術を用い、事前に3Dスキャンした自分のアバターで、本来自分がいない場所での自撮りを可能にするアプリだ。今回は「NTTドコモ×フジテレビ 5Gステージ」と題して、オフィシャルサイトで募集した各回100名の体験者が、フェスの3日間に出演するアイドルのステージで、アイドルと自分のアバターがステージ上に並んで共演できるというもの。

初日のステージを務めたのは、日本ツインテール協会から誕生したアイドル「まねきケチャ」のみなさん。ちなみに2日目は万葉シャオニャンを前身とする「大阪☆春夏秋冬(しゅかしゅん)」、3日目はふらっぺidolぷろじぇくとから誕生したアイドル「sora tobu sakana(オサカナ)」がそれぞれパフォーマンスを披露した。

ステージに登場したまねきケチャの皆さん。体験者は彼女たちのファンでもあるので、たちまち会場の熱気は急上昇。



ここにJidorARアプリを起動したスマホをかざすと……アバターがステージに現れ、ステージのまねきケチャのみなさんと一緒に踊る姿が。何故かオタ芸のムーブまで実装されているのが面白い。

振付のデータが入っている楽曲では、アバターが見事にシンクロして踊り、まさに「アイドルとステージで共演」している感覚に。



アバターの衣装はいくつか用意されており、怪獣の着ぐるみなども。また、画面右下のアメラアイコンをタップすると、アバターと合成された写真を撮影することができ、共演する姿を残すこともできる。

■「JidorAR」を支える5Gの実力

このような大人数が集まるライブで、3Dのアバターをリアルタイムで動かすというのは、非常に通信回線に負担がかかるもの。今回は参加者のスマホをそのまま使う設定だったので、会場までは5G回線、会場内はWi-Fiで参加者のスマホと接続、という形に。

会場に設置された5G基地局
会場に設置された5G基地局


5Gのアンテナユニット
5Gのアンテナユニット

それでも通常Wi-Fiの場合、利用する端末が増えると、接続される回線の容量がボトルネックになって、どうしても通信速度が低下してしまうもの。しかしステージの間中、全くストレスを感じることもなく、アバターもスムーズに動き続けた。会場には、5G回線の実測値をリアルタイムで表示していたが、終始3.9〜4.4Gbpsを維持していた。現在一般家庭に導入されている光ファイバー回線の倍以上の速度が出ていることになる。しかも、あちらは理論値であり、こちらは実測値。実測値で較べれば、かなりの速度差があることが判る。5Gは想像以上に速い。

会場での回線速度実測値
会場での回線速度実測値

現在、2020年の商用サービス開始を目指して様々な実証実験をが進められている5G。これからどんどんやり取りされるデータ量は増え、不足しがちになる回線容量の問題を解決する有効な通信手段であることが実感できた。これからも別の機会で実証実験は繰り返されるとのことなので、機会があれば是非体験してほしい。

(咲村珠樹 / 画像・編集部撮影)