濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』で主演を務めた大美賀均の監督作、映画『義父養父』の予告映像が公開された。

第80回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した、濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』の主演に抜擢され、世界の映画祭で鮮烈な印象を与え続けている大美賀均。

元々は、制作部や演出部などスタッフとして映画に関わっていた大美賀が、監督としてメガホンを取った本作は、大美賀の知人の実際にあった話をモチーフに、独特の世界観と、澁谷麻美、松田弘子、有薗芳記、菅原大吉、黒沢あすか、カトウシンスケ、川添野愛ら存在感ある俳優陣とで作り上げた。

【コメント】

▼大美賀均
初めまして。映画『義父養父』監督の大美賀均です。私は普段、映画の制作部や演出部として活動しておりますが、この度監督としては初上映となる映画が完成しました。

この映画は私の知人(リカ)の実体験が元になっています。彼女の母は 5人目の夫(ミノル)と再婚をし、彼女自身もミノルの兄(ユタカ)のもとへ養子にいく決断をしました。彼女が初めて、ユタカの家へ訪れたとき、ユタカの妻(フミコ)と出会います。

一度聞いただけでは覚えられないような、その複雑な関係性を話してくれる彼女は、更新されていく自身の戸籍に戸惑い、また面白がっているようにも見えました。実際その場では、私はその相関図を曖昧にしか理解できずにいたのですが、それでも話の中の出来事やディティールに、想像力を刺激され、妄想が膨らんでいきました。単純に「映画だったら観たい」と思いながら聞いていました。

その後数週間、具体的なキャストやスタッフを逡巡していた結果、幸運にも撮影できる環境が整い、『義父養父』が完成しました。

▼濱口竜介
⼤美賀さんには、スタッフとして拙作を⼿伝ってもらう機会が多くあった。彼の監督作として『義⽗養⽗』を⾒せてもらって、抑制の効いた語りのなかで、各ショットを滋味深く機能させてゆく⼿並みは、実のところ普段の彼から想像できず、⼤いに驚かされた。

果たしてラストに⾄るまでショットたちが有効に機能し得たか、という評価は観客に委ねたいけれど、私が⼀作通じて最も撃たれたのは、映画全体から漂う、⽈く⾔い難い「気⾼さ」だった。それを感じて、それまでとは違う形で⼤美賀さんと仕事をしてみたいと思った。

新作『悪は存在しない』の主演を無理を承知でオファーしたところ、彼は引き受けてくれた。結果は、素晴らしいものだったと思う。『義⽗養⽗』には、⾒た者に闇雲な期待を抱かせる〈何か〉が写っている。それを写し取る⼈は決して多くない。いつか、⼼からよいと感じる映画を撮る⼈はこういう⼈なのではないか、と私は思っている。

映画『義父養父』は、2023年12月15日(金)より全国順次公開。

作品情報 映画『義父養父』

服飾デザイナー・リカの母は少し前、5度目の再婚をした。「男に経済力は求めていない」が母の口癖だった。ある日、リカは母の再婚相手の双子の兄・豊を紹介される。精神疾患のある妻を持ち、自身も末期癌の豊はリカに養子に来てほしいと言う。養子として一緒に過ごすうちにリカは2人に家族としての感情を抱き始めるがその矢先、豊が逝く。

監督:大美賀均

出演:澁谷麻美、松田弘子、有薗芳記、菅原大吉、黒沢あすか、カトウシンスケ、川添野愛、マリークレア、フランク景虎、久藤今日子、吉成リカ、藤原孝次、尾原怜奈、尾原佳歩、有馬夏実、三井千晶、永井健太、中村幸子

配給協力:高田聡、杉原永純

© 2023 gram

2023年12月15日(金) シモキタ – エキマエ – シネマK2ほか全国順次公開