コロナ禍のアメリカで多くの人の心に希望の光を灯し、可愛らしい映像と音楽で気分をカラフルにした大ヒット映画『トロールズ ミュージック★パワー』が遂に日本上陸。世代を超えたヒット曲のメドレーあり、ポップからテクノ、クラシック、カントリー、ファンク、ロックなど6つの音楽のジャンルがトロールというキャラクターとなってそれぞれの魅力を観客に届けながら愛と平和を紡いでいきます。3Dアニメーションミュージカルの吹き替えを務めるのは、日本でも実力を兼ね備えた上白石萌音さん、ウエンツ瑛士さん、仲里依紗さん、ミキ(昴生さん・亜生さん)他、演技力、歌唱力を持つボイスキャストが集結。主演を務める上白石萌音さんは、難易度の高い名曲を歌うポップ村のポピー女王にどう挑んだのか?更に映画の魅力や音楽の力について語って頂きました。

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――アナ・ケンドリックさんがお好きだとお聞きしました。彼女が声を担当しているポップ・トロール、ポピー役の吹替版を担当すると聞いた時はどんな気持ちだったのですか?

とんでもないなと思いましたね、きちゃったな〜、まさかまさかって(笑)『ピッチ・パーフェクト』(日本公開:2015年)や『イントゥ・ザ・ウッズ』(日本公開:2015年)が大好きで、向こうで歌う女優さんと言ったら3本の指に入るくらいの方じゃないですか。しかも今回、アナさんが歌われているそのままの曲もあったりするので、なるべく声が離れすぎないようにというオーダーもあったりしたんです。素の声が全然違うので…アナさんの声は滅茶苦茶強いじゃないですか、私もそこに持って行かなきゃなって思って聞き込みました。

――シンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun」の歌詞を変えた「Trolls Wanna Have Good Times」を冒頭で歌いますが、音階が広くないですか?

メッチャ広いです。シンディ・ローパーさんは本当に凄いなって改めて思いました(笑)

――アナ・ケンドリックさんの声も色々な色合いを持っていましたね、歌の場面でなくても凄く感情が出ていました。

台詞で遊んでいて、色々な楽しい言い方をしていました。それを日本語にした時にちょっとでもその要素を入れられたらいいなって思っていました。凄く早口なんですよ、それがポピーの可愛いところなんですけど、この魅力をちょっとでも出せないかなって思って、台詞部分を繰り返し聞いていました。

――一番思い出が残っているアフレコでのシーンはどこですか?

どこだろう・・・ネタバレかもしれないですが、大団円のシーンですかね。あそこの台詞と音楽、全部ひっくるめて凄く好きです。

――先程のお話にも出ましたが、冒頭にシンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun」とシックの「Good times」のミックス曲を歌いますが、どうやって練習をしたのですか?

アナさんが歌っている音源を流して一緒に歌っていました。まず英語で歌って、ちょっとでも似せられたらなって。それから日本語にして、でも音楽では英語版のアナさんの曲を流しながら一緒に歌って。そういうことをやっていました。デュエットなど上手い方とご一緒すると“頑張らないと”って思うし、相手に引っ張られて上手になるという経験があったので、それなら“アナさんと一緒に歌おう”と思いました。

――英語バージョンも日本語バージョンも歌えるということですね。

歌えます(笑)今回の映画で、(シンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun」)英語バージョンでの「ガールズ」の歌詞を「トロールズ」に変更したのは天才だと思いました。本当に何て可愛らしい、茶目っ気のあるダジャレなんだろうって。 

――あの歌は難しいと思いました。ちょっと字余りじゃないですか?

そうですね。でも歌っていてとても楽しかったです。

――楽しさが伝わってくる映画でした。この映画はポップ、テクノ、クラシック、カントリー、ファンク、ロックという6つの音楽種族のトロールが登場します。上白石さん自身はどの種族に当てはまると思いますか?

カントリーです。あの哀愁、一番落ち着きます。私はそんなに“ハッピー!”って人間ではないので・・・皆でしんみりと暮らしているのが合うかなと(笑)

――そうなんですね!カントリーは聞きますか?

カントリー、好きですね。それこそ初期のテイラー・スウィフトさんとか大好きで、中高生の時とかよく聞いていました。映画で言うなら、テイラーはカントリーからポップに引っ越していますね(笑)

――気分が上がる時に聞く曲はありますか?

スピッツさんです!スピッツの好きな曲だけを詰め込んでいる自家製プレイリストがあって、それを無限ループで聞いています。それを聞いていると気分が上がります。特に夏はスピッツさん(笑)、そしてaikoさん。ちょっと切ない、憂いのある感じが好きです。

――映画を最初に観た時、凄くハッピーで可愛いなって思いながら、実は領土の占領など、様々なメッセージが潜んでいると思いました。上白石さんがこの映画から受け取ったメッセージを教えて下さい。

最初に観たのが英語バージョンだったんです。私は最後に歌われる「Just Sing」の歌詞が凄く好きで、“全部忘れて歌いなよ”って歌詞を自粛期間中に聞いて“はぁ〜”ってなって“そうだそうだ、今観られて良かった”って思ったんです。全米で映画公開を予定していた時期もコロナが流行したタイミングだったので、一部劇場とVOD配信されたんです。どれだけこの歌詞に救われただろうって思って“今、私たちに足りていないものは歌、歌うことだよ”っていうその曲が凄く響いて、シンプルだけどそこに音楽の持つ力、まさにミュージックパワーがあるんだなって感じました。音楽プロデューサーの総括役も務めたジャスティン・ティンバーレイクさんが言いたかったことが全部、最後の曲に詰まっていると思います。 

――配信でありながら全米で大ヒットを記録した本作を観た時、大ヒットの理由を理解しました。上白石さんが思う“エンターテイメントの力”とはどんなものですか?

力があるエンタメって巻き込んじゃいますよね。広範囲に広がるのが必ずしも良いことだという訳ではありませんが、やっぱりその範囲が広かれ狭かれ台風みたいに皆を連れて行っちゃう、そして引き寄せちゃう無条件な力があるのかなって、そういった作品はずっと残る作品だと思っています。不要不急といって、舞台が無くなったり、映画館もCLOSEされたりするけど…不急かもしれないけど不要ではないのかなって、やっぱり必要だよねって思います。

――上白石さんは、女優、歌手、声優と様々な顔を持っていますが、今後、どんなエンターテイナーになっていきたいと考えていますか?

その辺に居そうな人であり続けたいと思っています。やっぱり作品ってフィクションな訳で“いやいや、そんなことは起きないだろう”ってことが起こってしまうのがエンタメだと思うんですけど、演じている人がその辺に居そうな人だったら“あるかもしれない”って思ってギュって距離が縮まったりするじゃないですか。そういうことが出来る人になりたいなって(笑)あとはお客さんより、誰よりもその作品を愛して楽しんで演じようという気持ちではいます。

――最後に、この作品を好きな理由を教えて下さい。

映画を観終わった時に心の色彩が凄くハッキリする感覚があって、ハッピーになっただけじゃなく、悲しいな、切ないなって感情もくっきりと色を持ったような感じがして…映画自体がとてもカラフルなのでそれに影響されたのかもしれません(笑)楽しいことは楽しい、悲しいことは悲しいってちゃんと言えるトロールたちの話なので、トロールたちのピュアさ、素直さはやっぱりいいなって思いました。そこが好きなところです。

主演デビュー作『舞妓はレディ』で、見事な歌声と踊りを披露し、アカデミー賞新人俳優賞を受賞した上白石萌音さん。演技はもちろん、その声を見事に活かし、声優、歌手としても活躍する彼女にとって才能を存分に披露する事になった『トロールズ ミュージック★パワー』。英語と日本語で歌詞の持つ意味やメロディの流れを感じながら自分の歌にしていく独自のトレーニング法が実らせた「Trolls Wanna Have Good Times」のパフォーマンスは圧巻ですよ。

文 / 写真・伊藤さとり

作品情報 『トロールズ ミュージック★パワー』

ドリームワークス・アニメーションが「ボス・ベイビー」に続く大人気キャラクターとして世に送り出した「トロールズ」。海外ではテレビシリーズや劇場版で全米を始め世界的に大ヒットし、全世界の女子たちから大人気のキャラクターです。その魅力は、フェルト生地のような質感とふわふわヘアーが特徴のカラフルすぎる超・個性派なキャラ達とその世界観。主人公のピンクヘアーのポピーは元気いっぱいなポップ族のクィーン。歌って、踊って、ハグ大好き!ポピーと仲間達のハッピーな毎日がノリノリの音楽と一緒にスクリーンいっぱいに広がります! 
監督:ウォルト・ドーン  
エグゼクティブ・ミュージック・プロデューサー:ジャスティン・ティンバーレイク
声の出演:アナ・ケンドリック、ジャスティン・ティンバーレイク
吹き替えキャスト:上白石萌音、ウエンツ瑛士、仲里依紗、宮野真守 ほか
配給:東宝東和、ギャガ 
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公式サイト:https://gaga.ne.jp/trolls/