犬たちを幸せにしたい!命を救いたい!そんな思いで集まった仲間たちの無謀なまでの行動力と大きな愛の物語『犬部!』。北里大学獣医学部に実在したサークル「犬部」の活動に迫るノンフィクションを原案とし、『月とキャベツ』『はつ恋』の篠原哲雄監督が映画化。動物保護活動をテーマとした命の物語には、犬や猫が多数登場。犬や猫を愛する若き獣医大生には林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大と主役級の俳優が勢揃い。犬への想いはもちろん、命と向き合うことの大変さや友情も描かれた人生の指針がきっと見つかる映画が7月22日に公開。 今回は、熱血獣医を演じた主演の林遣都さんに役作りはもちろん、俳優生活15年を迎えたお気持ちを伺います。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと



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―― まずは脚本を読まれて、どう思われましたか。

実在した「犬部」サークルの人たちが駆け抜けた、獣医師を志した物語に凄く心を打たれました。若者が自分たちの時間やお金など色々なものを犠牲にして「動物を救いたい」という確固たる思いで突き進んでいく姿に爽快感を覚えました。動物愛護の話を通して間違いなく色々な人の力になる作品だと感じました。

―― 林遣都さん演じる花井颯太には太田快作さんというモデルの方がいらっしゃいますが、実際にお会いになりましたか。

お会いさせて頂きました。太田快作先生は花井颯太のモデルになった先生です。映画でも描かれていますが、他の方たちも動物への想いは強いですが、それ以上に動物に対する想いや動物保護に対する考えがとても熱い先生です。その考え方には賛否あるのですが、誰にも出来ないことを間違いなくやられています。実際にお会いした時、ただならぬオーラを感じました(笑)

色々な番組に出演されていて資料映像も見させて頂いたのですが、動物に対する想いが強すぎて時々少し怖い一面もあったりしたんです。なので緊張して会いに行ったのですが、命をずっと救い続けて来られた人には、その人にしかない内面から滲み出るものがあり、根底にある心の優しさを間近でヒシヒシと感じました。この役を演じていく上でのテーマは“そこかな”と思いました。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと

―― これまで林さんが演じてこられた役と今回の役は熱量というか、声のトーンも違うように感じていました。

本当ですか。役作りは?と言われたら、先生の生き様やその想いを背負って演じていくだけです。 

―― エネルギー全開で演じられたのですね。

はい。演じている時も感じていましたが、それ以上に出来上がった映画を観終わった時に“映画を通して素晴らしい人たちの人生を演じさせて頂いていたんだ”と強く感じました。“こんなにカッコいい人間を演じることも、なかなか出来ないな”と思いました。本当にありがたい経験でした。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと

―― 太田先生にお会いしたからこそ、その方の思いを背負って演じられていたのですね。

撮影当初は自分のことで精一杯だったんですけれど、やっていくうちに色々な獣医師の方とも出会え、お話をさせて頂いたんです。撮影を終え、最後に協力して下さった獣医師の方からその後、手紙が届いたんです。

手紙には「今回は本当に感謝をしています。動物を愛しているという気持ちと一匹でも多くの動物を救いたいという想いで、ただ一心でやっていることですが、なかなか横の繫がりが狭い世界なので活動で我々の想いを広めることは難しいことです。今回、我々のことを映画として取り上げ、広めて頂けるということはとにかく嬉しいことです。」という想いが書かれていました。僕はその手紙に凄く救われました。この映画を通して、自分の俳優という仕事で誇れる部分を感じることが出来ました。俳優という仕事を通して、言葉や想いを伝えること、それが自分のひとつの役目でもあると改めて思いました。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと

―― 俳優は人の人生を体現する、それは責任も背負っているということですよね。

そうですね。どの役においても最低限、その道の方にガッカリさせるようなことは出来ないです。

―― デビューから15年、役者として過ごされていますが、俳優として考え方が変わった瞬間や出会いはありますか。

日々あります、日々影響を受けています。今自分の中でひとつの答えとして“これを大事にしていかないといけない”と思っているのは、先日とある番組で自分のことを応援して下さっている方を取り上げた番組があったんです。そこで『おっさんずラブ』を見続けて下さっている方が「当時、色々と苦しいことがあって『おっさんずラブ』で自分は命を救われた」と仰って下さったんです。

その時に、より自分が突き進んでいかなければいけない、突き進んでいきたいと思える道が広がったといいますか、明確になったんです。人が喜ぶ、人に元気を与えるシンプルな作品に出演したい、そういう作品に参加したいという想いに駆られました。ずっと色々なことを考えながら、このお仕事を続けていく中で、どうしても“自分はこうなっていきたい。この役に挑戦する自分を見てもらいたい”という野心的なものが常にある中で役者をやっていたんです。

でも、そういうことよりも今回の『犬部!』もそうですが、人の人生だったり、生活に影響を与えられるようなお仕事をさせて頂いているので、より人に元気を与えられる作品に参加していくことに重きをおいてもいいのかなと考えたりしています。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと

―― 今回の現場は、中川大志さんをはじめちょっと下の年齢の後輩にあたる俳優たちとの共演でした。林さんは30歳になり、役者としても中堅に差し掛かってきたと思います。だからこそ自分の立ち位置を考えたりしますか。

(中川)大志は年齢はけっこう下なのですが、僕が大志と同じ年齢の時には“こんなにも自分の役や作品に対してブレない気持ちでやっていたのか”と問われると“そうは思えない”と思うほどの存在です。皆さん凄く誠実に役と向き合っていて、そこから得るものもありました。 自分が20代前半の時は、それこそ野心むき出しというか、そういうタイプだったんです。でも今はできる限り共演者やスタッフの方たちとの壁を取っ払って、交流を持つように、色々な意見を交わせるようにしようと(笑)年々、そういう風に少し意識しながらやっています。

林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと

2007年公開の『バッテリー』で主演として俳優デビューを飾った林遣都さん。デビュー当時から常にセンターに立ち、シリアスからコメディまで演じ分け、年齢を重ね、更にキャラクターに深みを与える役者へと進化し続けております。気付けば出会ってから15年。どんな時も丁寧に真っ直ぐな瞳でインタビューに答えてくれる林遣都さんは、今回のインタビューでは映画で共演した犬の花子役の「ちえ」と再会。「賢い名犬」と言っていた通り、抜群のコンビネーションであっという間に撮影を終え、場を和ませておりました!

文 / 伊藤さとり
写真 / 奥野和彦


作品情報 林遣都が語る、俳優生活15年を迎えた今の想いと熱血医師を演じた主演映画『犬部!』のこと 映画『犬部!』

ずっと心に「犬部」を抱いて。16年にわたる人と動物の心を描いた感動ドラマ。
青森県十和田市に、一人の変わり者がいた。花井颯太(林遣都)22歳、獣医学部の大学生。子どもの頃から大の犬好きで、一人暮らしのアパートには保護動物がぎっしり。周りからは変人扱いされても、目の前の命を救いたいという一途な想いで保護活動を続けていた。ある日颯太は、心を閉ざした一匹の実験犬を救ったことから、ひとつでも多くの命を救うため、動物保護活動をサークルにすることを思いつき「犬部」を設立。颯太と同じく犬好きの同級生・柴崎涼介(中川大志)らが仲間となり動物まみれの青春を駆け抜け、それぞれの夢に向かって羽ばたいていった。颯太はひとつでも多くの命を救うため動物病院へ、そして柴崎は動物の不幸な処分を減らすため動物愛護センターへ。

監督:篠原哲雄

原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)

出演:林 遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大 ほか

配給:KADOKAWA

©2021『犬部!』製作委員会

7月22日(木) 全国公開

公式サイト:inubu-movie.jp