お酒関連の業界用語として良く使われている「RTD」という言葉をご存知だろうか?

RTD市場は2020年まで13年連続で伸長しており、最新調査である2021年でも引き続き拡大する見込みだ。特にその商品の性質上、これから訪れる暑い夏に売れ行きが爆発的に伸びる傾向にある。

お酒が好きな方は言葉自体は聞いたことがあるかもしれないが、詳細までは知らないという方が多いだろう。本記事では、急成長が続くRTDの基本概要や市場規模が拡大している理由、おすすめのRTD商品などを紹介していく。

RTDとRTSの意味

まずは、RTDの意味と類義語として頻繁に使われるRTSの意味を説明していこう。

RTDとは

RTDとは「Ready to drink」の略称で、直訳すると「すぐに飲めるもの」という意味だ。つまり、RTDとはパッケージ内ですでに完成していて栓を開けてすぐに飲める商品を指す。

狭義では購入してからそのまま飲めるビール、ワイン、蒸留酒などの低アルコール飲料を指すが、最近ではRTDの人気も相まってアルコール度数が高い商品も多く発売されている。

RTDに該当する主な商品は、以下の通りだ。

  • 缶チューハイ
  • 缶カクテル
  • 缶ビール
  • 缶ハイボール
  • ワイン
  • 蒸留酒

定義としては栓を開けてから何の手も加えずに美味しく飲めるものがRTDなので、氷や炭酸で割るなどの手を加えるものはRTDには該当しない。

特に最近、コンビニやスーパーなどですぐに飲める缶チューハイや缶カクテルを多く見かけるだろう。それらはすべて、RTDに該当するお酒ということになる。

RTSとは

RTSは「Ready to serve」の略称で、直訳すると「注いで飲むもの」という意味になる。ようするにRTSは、炭酸水や水、氷などで割って飲むお酒を指す言葉だ。

RTDはそのまま飲むお酒なのでアルコール度数は10度以下と低いが、RTSは割って飲むことを前提に作られているため、アルコール度数は10〜20度のものが主流になっている。

RTSに該当する主な商品は、以下の通りだ。

  • レモンサワーの素
  • カクテルのリキュール

レモンサワーの素のように割ることを前提に発売されている商品が多く、それらはRTSに分類される。

ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒はそのまま飲めるためRTDであるが、氷や炭酸水などで割ってから飲むケースも多いのでRTSに分類される場合もある。

水で割ることで美味しく飲める鏡月などの焼酎は、RTSとして発売されている。

RTDの市場規模が伸び続けている理由

20年前に比べて20〜30代の飲酒習慣率は半分になっているなど、若者のアルコール離れが進む一方で、冒頭でも説明した通りRTDの市場規模は13年連続で伸長しており、2021年も引き続き好調を維持している。

ここからは、RTDの市場規模が今なお伸び続けている理由を以下の項目で詳しく説明していこう。

レモンRTDの流行

RTDに関する消費者飲用実態調査を行った「サントリーRTDレポート2021」によると、2020年のRTD市場は3年連続2桁成長となる2億5,659万ケース(対前年112%)で過去最大の市場規模だが、2021年は2億8,708万ケース(対前年112%)とさらなる拡大が見込まれている。

その中でも特に顕著な伸びを見せているのが、レモンサワーを始めとするレモンRTDで、2020年に1億906万ケース(対前年133%)、2021年には1億4,178万ケースと、2年連続で対前年比130%を超える急成長を遂げている

レモンサワーとは焼酎やウォッカにレモン果汁をブレンドしてソーダで割ったものだが、ドリンクのレシピは飲食店や各種メーカーでさまざまな工夫が凝らしてある。お店で提供されるレモンサワーはレモンスライスを重ねるなどの見栄えが良いデコルテも人気を博し、ブームに火を付けた。

このような現状を踏まえると、RTDの市場規模拡大はレモンフレーバーが中心になっていると言っても過言ではない。

レモンRTDがここまで大きな市場規模になった要因は、前述した飲食店の工夫と見栄えの良さ以外に、以下の点が挙げられる。

  • 飲み飽きない味
  • 初心者でも飲みやすい
  • 味わいがスッキリしている
  • 食事に合わせやすい
  • 味が甘すぎないから

RTDだけではなく、レモンサワーの素といったRTSに注力するメーカーも多く参入しているので、レモンサワーを自宅で飲めるレモンRTDの市場規模は今後も衰えることなく拡大していくことが予想されている。

家飲み人口の増加

特にここ最近、外ではなく自宅でお酒を飲む家飲み人口が増加している。その理由は、新型コロナウイルス感染拡大が大きく影響している。

コロナ禍の影響もありオンライン飲み会なる言葉も誕生し、人と人との距離が密になる飲食店でお酒を飲む機会が減少した。緊急事態宣言中は夜中にお酒を飲めるお店も空いていないので、必然的にお酒を飲みたい人は自宅で飲むしか方法がないのだ。

自宅でお酒を飲む人にとって、RTDの存在は欠かせない。特に2020年から市場規模が大きく拡大している要因のひとつに、コロナの影響により外でお酒を飲めなくなったから自宅で飲むようになったというのは外せないだろう。

他にも家飲みの魅力として、以下の点を挙げる人は非常に多い。

  • リラックスした状態でお酒を楽しめる
  • 帰りのことを考えずにダラダラ飲める
  • 飲み代を気にすることなく飲める
  • さまざまな味のお酒を楽しむことができる

RTDによる家飲みが増えた背景には、さまざまなメーカーから多種多様な味のRTD商品が発売されるようになったという点も見過ごせない。

コンビニやスーパーで気軽に購入することができ、飲食店に匹敵するほどの美味しい味になっているので、わざわざお店で飲む必要がないと考える人が増えたのだ。

ノンアルコールRTDの流行

緊急事態宣言前に比べて、ほぼすべての世帯でノンアルコールを始めとする低アルコール度数の市場規模が伸長している。その理由は、消費者がお酒を選ぶ価値観が多様化しているからだ。

特に女性を中心に高い人気を誇っているRTDの「ほろよい」は、アルコール度数が3%。ノンアルコールビール、ノンアルコールカクテルなど、アルコールが1%も入っていないにも関わらず、お酒を飲んでいる気分にさせてくれるRTD商品がコンビニやスーパーで多く発売されている

10年前に比べると4倍以上に伸びているノンアルコールRTDの魅力は、健康に良いという点だ。お酒は好きだけど健康に気を使っているという人が好むことで知られていて、緊急事態宣言が出て家から出る機会が減った消費者の多くが、健康志向によりノンアルコール商品を購入する機会が増えたのだ。

さらに味の種類も豊富であり、お酒を飲んでいる気分を味わえるにも関わらずカロリーや糖質が低いものが多いので、お酒が好きな人も購入する一大市場として、RTD市場の拡大に大きく貢献している。

おすすめのレモンRTD商品を紹介

ここからは、RTD市場の中で最も注目されているレモンRTDのおすすめ商品を紹介していく。レモンサワーが好きな方は、特に必見だ。

濃いめのレモンサワー

濃いめのレモンサワー

始めに紹介したいのが、RTD史上最速で2,000万本を突破したサッポロの『濃いめのレモンサワー』だ。レモンサワー市場はレッドオーシャンとなっているが、その中でも2021年3月2日に発売されてから現在に至るまで、非常に多くの方から高い支持を集めている。

特徴は、しっかりとした酸っぱい味わい。レモンの香り、風味、酸味、厚みを十分に感じることができるので、コンビニで発売されているレモンサワーでは物足りなさを感じるという方にうってつけの商品だ。

商品名にもなっている通り、カジュアルに濃いというのがこの商品の一番の価値だ。同じサッポロから発売されている「レモン・ザ・リッチ」では上質感を訴求しているため、濃いめのレモンサワーとは味わいがまったく異なっている。

濃いめのレモンサワーはRTD商品だけではなく、「濃いめのレモンサワーの素」というRTS商品も発売されている。こちらの商品は、より気軽に居酒屋で飲めるレモンサワーを再現するというコンセプトになっているので、双方で味の違いを楽しんでいただきたい。

-196℃ストロングゼロ(ダブルレモン)

-196℃ストロングゼロ(ダブルレモン)

果実を丸ごと使用する-196℃製法により実現した果汁感と、アルコール度数9%の飲みごたえが特徴の-196℃ストロングゼロ(ダブルレモン)は、高アルコール度数とレモンの果実感が絶妙にマッチした甘味と酸味が癖になってしまう逸品だ。

アルコール度数は高いものの嫌なお酒臭さはないので、アルコールにそこまで強くない方でも安心して楽しめる。レモン感がしっかりあって飲みやすいため、特に揚げ物を食べる時に人気のRTDだ。

アルコールの強いパンチとレモンの風味を味わいたい方には特におすすめだ。

檸檬堂 定番レモン

檸檬堂 定番レモン

日本コカコーラが初めて出すお酒として発売前から高い注目を集めていた檸檬堂の定番レモンは、果実感を前面に出したお酒が苦手な人でも飲みやすいレモンRTDだ。

2018年5月に九州限定で発売されたが、想像以上の人気を獲得したので2019年10月に全国で発売開始。以降も生産が追い付かず、出荷が休止になるほど高い人気を獲得している。

檸檬堂からは定番レモンの他に、3種類のレモンRTDが発売されている。

  • はちみつレモン(3%)
  • 定番レモン(4%)
  • 塩レモン(7%)
  • 鬼レモン(9%)

檸檬堂から発売されているレモンRTDの特徴は、どれもがアルコール臭さを感じないという点だ。最も度数が高い鬼レモンであっても、アルコール度数をあまり気にすることなく楽しめるだろう。

おすすめの低アルコールとノンアルコールRTD商品を紹介

続いては、おすすめの低アルコールとノンアルコールRTD商品を紹介していこう。

ほろよい 白いサワー

ほろよい

サントリースピリッツから発売されている「ほよろい」は、20〜30代の男女に高い人気を誇るお酒だ。お酒があまり強くない若者需要をうまく取り込むことで人気を博し、現在は全部で15種類から好みの味を選ぶことができる。

ほろよいの度数はほとんどが3%なので、アルコールに弱い方でも気軽に楽しむことができる。フレーバーの香りを存分に満喫できるので、食後の晩酌や、食事中でも料理の味を邪魔することなく飲めるので最適だ。

ほろよいの中でも特におすすめなのが、すっきりとした口当たりと乳性飲料の味わいが特徴の白いサワーで、そのまま飲むだけではなく最近ではアイスを乗せるなどのアレンジでも多くの方を楽しませている。

白いサワーはその優しい甘さで食後酒としても高い注目を集めているお酒なので、自宅に常設しているという方も多くいる注目のRTD商品だ。

スタイルバランス 香り華やぐハイボールテイスト

スタイルバランス 香り華やぐハイボールテイスト

アサヒから発売されている「スタイルバランス香り華やぐハイボールテイスト」は、食事の脂肪や糖分の吸収を抑えてくれるノンアルコールRTDだ。

カロリー0、糖質0、アルコール0でありながら、ノンアルコールとは思えない香り高いハイボールの味わいを体感できる。ハイボール好きな方はもちろんだが、運動不足による中性脂肪が気になる方にもおすすめだ。

ダイエット中、または休肝日におすすめの逸品で、ウイスキーデビューをする前の初心者の方の練習用にも良いだろう。

味付けもさまざまで、ハイボールテイスト以外にも以下の商品が発売されている。

  • 完熟りんごスパークリング
  • ゆずサワーテイスト
  • レモンサワーテイスト
  • グレープフルーツサワーテイスト
  • 梅サワーテイスト
  • 香り華やぐハイボールテイスト

ノンアルコールでハイボールの味わいを楽しみたい方はハイボールテイストがおすすめだが、ノンアルコールカクテルで果実の風味を味わいたい方は、ゆずや完熟りんごなどがおすすめだ。

まとめ

RTDの基本概要、RTSとの違い、市場規模が拡大している理由やおすすめのRTD商品をまとめて紹介してきたが、参考になっただろうか?

缶チューハイや缶カクテルなど、栓を開けてそのまま飲むことができる飲料水がRTDで、水や氷、炭酸水などの一手間を加える必要があるのがRTSと分類されている。コロナ禍の影響もあり、外ではなく家で飲む人が増えてきたことでRTD市場は大きく伸び続けている。

レモンRTDなどの定番以外にも、最近はコンビニやスーパーなどで数多くのRTD商品を見つけることができるが、お店で飲んでいるのと変わらない味わいを楽しむことができるRTD商品は、外出自粛により外でお酒が飲めない現代社会においては、欠かせない強い味方だ。

自分好みのRTD商品を見つけて、新時代を作り続けている新しいお酒の味わいをぜひ皆さんも楽しんでいただきたい。

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