おうち時間が増え、家で料理を作るようになった人も多いのではないだろうか。そんな時に役立つのが、意外なことにグルメ漫画なのだ。今流行りのグルメ漫画はジャンルが多岐にわたっており、料理作りの参考ともなる。

グルメ漫画を選ぶポイントつきで、名作から最新の話題作まで詳しく紹介しているので、食べるのが好きな人も作るのが好きな人も、ぜひ役立ててほしい。男の食べることへの欲求、好奇心、創作意欲を刺激してくれるグルメ漫画を存分にお楽しみあれ。

グルメ漫画の人気の理由とは

「食べること」は「生きること」でもあり、食は日々の生活に欠かせない。だからこそ、食を扱うグルメ漫画も昔から不動の人気を誇っているのだろう。

それだけではない。グルメ漫画を読んでいて、空腹感を覚えた経験のある人も少なくないのではないか。グルメ漫画は食欲をそそり、食べ物への具体的なイメージを喚起する。また、載っているレシピは実際に作れるものであることも多い。それを基に主人公が食べた料理の味わいを読者が追体験できる点も、グルメ漫画が人気である理由の一つと言えよう。

グルメ漫画はどんなポイントで選ぶべきか

巷に出版されているグルメ漫画はとにかく数が多い。グルメ漫画を読みたいが、どれを読めばよいのかわからないという人も多いだろう。そんな方々のため、ここではグルメ漫画を選ぶためのポイントについて解説する。

「料理を作る」を楽しむ

普段料理をする方は、「料理を作る」ことを楽しめる作品を選ぶとよいだろう。読んで楽しめ、作って楽しめる、これぞ一石二鳥だ。初心者向けのレシピが載っているものからプロレベルのレシピが載っているものまで様々な作品がある。自分の料理レベルに合わせて作品を探してみよう。

また、すぐに作れるズボラ飯を紹介している作品もあるので、普段料理をしない人も、これを機に挑戦してみてはいかがだろうか。改めて「作る」楽しみに気づけること請け合いだ。

「料理を食べる」を楽しむ

「とにかく食べるのが好き」という人は「料理を食べる」ことを楽しめる漫画を選ぶのがよい。今はなかなか旅行しづらいが、ご当地グルメや郷土料理が掲載されている漫画なら旅行に行かずとも食べている気分を味わえるはずだ。

また、第三者の食欲を刺激して悩ませる「飯テロ」ではないが、料理が美味しそうに表現されていたり、登場人物がすごく気持ちのよい食べ方をしていたりする漫画を読めば、料理の美味しさを追体験できるだろう。ただし、夜中に読み出すのは食欲が刺激されて危険だ。そこだけ注意してほしい。

料理のジャンルで選ぶ

「イタリアンが好き」「中華が好き」「スイーツが好き」など食にこだわりのある人は、料理のジャンルでグルメ漫画を選ぶのがよいだろう。自分好みのジャンルを読むことで、漫画を読みながらコアな知識までもゲットできる。また、季節や時期によって具材が変わるのも食の醍醐味。ジャンルごとのグルメ漫画を読みながら四季も感じよう。

レシピ数の多さで選ぶ

「料理が好き」「料理のバリエーションを増やしたい」という人は美味しいレシピがたくさん載っているグルメ漫画を選ぶとよいだろう。その際、わかりやすく表記されているものを選べば、料理も続けやすい。

好きな漫画のレシピを全部作れるようになったらうれしいし、話題にもできるはずだ。作品によっては漫画本編とは独立してレシピのコーナーが設けられているものもある。毎日の献立作りにも役立つので、ぜひ参考にしてみよう。

実際の店舗があるなど、リアリティを楽しむ

リアリティを楽しみたい人は、実際の店舗が掲載されている漫画を選ぶとよいだろう。

それが離れた地方であれば、旅行へ赴く際の楽しみにつながる。地元であれば行ったことのある店が紹介されていても面白いし、近くで知らない店が載っていると気軽に行ってみることもできるだろう。また料理だけでなく、そのお店や店長の雰囲気などが描かれている漫画もあるので、店選びの参考にもなりそうだ。グルメ漫画を飲食店のガイドブック代わりにしてみてはいかがだろうか。

実写化された作品を楽しむ

とにかく面白いグルメ漫画を読みたい人は、実写化された作品を楽しむのも手だ。

実写化されるのは人気のある漫画なので、一定の面白さが期待できる。漫画を読んでから実写化された作品を見たら2倍楽しめるし、漫画の中の料理が実際に作られるところを見られるのもうれしい。また、実写化された作品を見て面白かったら漫画に手を伸ばすのもいいだろう。まずは、実写化された作品にどんなものがあるのかチェックするところから始めよう。

孤独時間を楽しめるひとり飯系グルメ漫画4選

誰にも邪魔されない自分だけの時間を楽しめるひとり飯。孤独から来る「ボッチ飯」という言葉もあるが、それとは違って「ひとり飯」はポジティブに孤独を捉えている。ひとりで食べることによって食に集中し、存分に味わうことができる。この至高の時間が描かれている点が、ひとり飯系グルメ漫画の魅力といってもよいだろう。

孤独のグルメ

孤独のグルメ 1巻 (扶桑社文庫)

ひとり飯といえば、まずはこの「孤独のグルメ」が挙げられる。個人で輸入雑貨販売を営んでいる井之頭五郎(いのがしらごろう)が出先でお店を探し、ひたすら一人でお店の料理を食べるといったシンプルな構成ながら、読む人の心を掴んで離さない。

原作の久住昌之先生が現地取材をした2、300枚の写真を作画の谷口ジロー先生に渡していたというだけあって、町並みや店にリアリティがあるのも魅力の一つだろう。

この「孤独のグルメ」、2012年1月からテレビドラマシリーズ化され、2021年9月現在でも放送が続いている。本作は不動の人気を誇るグルメ漫画だが、漫画とドラマではイメージがかなり異なるため、両方を見比べて違いを楽しむのもよいだろう。全2巻で1話ずつ読み切りなので、さらっと読める。

忘却のサチコ

忘却のサチコ 1巻

主人公の佐々木幸子(ささきさちこ)は文芸誌編集者をしており、29歳。仕事は順調で、結婚も決まっていたのだが……。「忘却のサチコ」は、女性が主人公の絶品グルメコメディーだ。

ある出来事を忘れるためだけに、幸子が美食を求め、食べて食べて食べまくる! 食べることで元気になった経験はきっと誰しもがあるだろう。食事は元気の源。そんなことを思い出させてくれる作品だ。

日本各地の名所や観光地が出てくるのも見所の一つ。幸子が美味しそうに食べる様子が印象的で、読んでいると腹が空いてくる。この漫画を読んで、幸子に恋する男性もいるとかいないとか……。何か落ち込むようなことがあった時、この漫画を読めばきっと元気になれるはずだ。

ワカコ酒

ワカコ酒 1巻

主人公は、お酒と食べることが大好きな村崎ワカコ26歳。気ままに立ち寄った居酒屋で、周りの会話などを小耳に挟みながら、ひとり酒を楽しむ。こちらも女性が主人公だが、お酒とつまみの紹介が中心なので、のんべえの人におすすめだ

また、お酒が苦手であまり飲めない人も、読んでいるだけでほろ酔い気分になってくること間違いなし! おしながきとして、タイトルが全てお酒のつまみになっているところがポイント。そのどれもが馴染みのある居酒屋メニューなので、味のイメージも湧きやすい。

1話完結なので、自分の好きだったり興味があったりするつまみ部分から読んでも楽しい。仲間とワイワイ飲むお酒も楽しいものだが、ひとり酒もいいなあと思わせてくれる作品だ。

日日(にちにち)べんとう

日日べんとう 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

主人公は、谷黄理子32歳。毎朝の日課は、20年使用している「わっぱ」にお弁当を詰めて、職場のデザイン事務所に持っていくことだ。中でも欠かせないのが雑穀米と漬物。一見、お弁当メインのストーリーと思えるが、恋愛や仕事関連の話なども絡んでくるので、グルメだけでは物足りない人にもおすすめだ。

主人公を含め、登場人物が個性的、かつ魅力的なので、読み進めていくうちにどんどん作品の魅力に引き込まれていく。日々、時間に追われている我々だが、この作品の中では時間がゆっくり流れている。1日1日を大切に生きていこうと思わせられる作品だ。全13巻で完結しているので、一気読みできるのもうれしい。

すぐに試して楽しめるレシピ満載グルメ漫画4選

グルメ漫画に登場する美味しそうな料理の数々。ここでは、そんな料理をすぐに試せるレシピ掲載のグルメ漫画を紹介する。「読んでおいしい」「作っておいしい」「食べておいしい」と三拍子そろった作品たちだ。

ひよっこ料理人

ひよっこ料理人 1巻

たくさんの子どもたちに料理をする楽しみを伝えたいと理由で、主人公の今田妃代子は、「子ども料理教室」を開く。

作中では子ども相手にもわかるよう、お米の計り方や炊き方から説明してくれている。最初に掲載してある料理は「おにぎり」なので、料理はサッパリという方でも、これを参考にして料理を始めてみてはいかがだろうか。

何より、この作品を読んでいると料理をしたくなってくるだろう。漫画を読み進め、実践していくことで、いつの間にか料理がうまくなっている……などということもあるかもしれない。また、料理だけではなく人間ドラマも描かれているので、読んで心が温まる作品だ。

クッキングパパ

クッキングパパ 1巻

1985年に連載が開始され、30年以上長期連載された王道のグルメ漫画が「クッキングパパ」だ。絵は見たことはあるが読んだことはない、という方も多いのではないだろうか。

ごく一般的なサラリーマンである荒岩一味(あらいわかずみ)が、家族のために料理を作る。その料理はどれも美味しそうで温かみが感じられる。グルメ漫画としてはもちろんだが、人間ドラマも満載で魅力的だ。何より悪人が出てこないので、心穏やかに読み進められる点がよい。クッキングパパの愛情が作品の至るところにあふれている。

また、初心者でもチャレンジしやすい簡単レシピが豊富に掲載されており、料理をしたことのない独身者にも「イクメン」を目指す既婚者にも手に取ってもらいたい一作だ。

真夜中ごはん

真夜中ごはん

食べることが大好きなアラサー女子の主人公が、お家でゆっくり夜食を楽しむストーリー。ほのぼのしつつも懐かしい気持ちに浸りたい人におすすめだ。

太るのが気になりながらも夜中にがっつり食べたくなるその気持ちは、読んでいて思わず「わかる」と頷きたくなるはず。もちろん低カロリーのレシピもたくさん掲載されているので、がっつりはちょっと……という方でも安心だ。夜食ではなく、普段の食事として取り入れるのもアリだろう。

また、カラーページが多く色遣いが綺麗なのもポイント。主人公だけでなく、作者も食べることが好きなのだろうということが伝わってくるコミックエッセイだ。第4回料理レシピ本大賞コミック賞受賞作品でもある。

にがくてあまい

にがくてあまい 1巻

仕事に打ち込む主人公、江田マキは独身の28歳だ。才色兼備でキャリアウーマンのマキは、ある日、男色家の美術教師である渚と出会い、一緒に暮らすことになるが……。

「にがくてあまい」は、男女の奇想天外な同居生活を描いたグルメラブコメディーだ。料理と恋愛の絶妙なバランスでストーリーが進んでいく。このような2人もいいなと思わせられるような、優しい人間関係が作品にあふれている。各話のタイトルとなっているのは渚の作る料理。渚の料理と出会い、乱れた食生活を送っていたマキの肌がどんどん綺麗になっていく描写はリアリティがある。

体と環境に優しいビーガンレシピが数多く紹介されているので、野菜不足を実感している人にもおすすめの作品だ。

幸せを追体験できる食レポ系グルメ漫画4選

漫画だけでなくテレビでも同じだが、巧みな食レポを聞いていると、その料理が本当に美味しそうに思えてくるから不思議だ。ここでは、そんな幸せを追体験できる食レポ系グルメ漫画を紹介しよう。

いつかティファニーで朝食を

いつかティファニーで朝食を 1巻

主人公の佐藤麻里子は、東京で暮らす28歳。彼氏とは7年にわたって同棲していたが、だらしのない生活に嫌気がさして別れを決意し、新しい生活のスタートを切るのだった。

この漫画の面白いところは「朝食」、それも外食に焦点をあてているところである。ついついおざなりにしてしまいがちな朝食だが、その朝食こそゆったり味わうことも時には大切なのかもしれない、と思わせてくれる作品だ。

実際にある店が掲載されているのもポイント。なかなか行きづらい時世ではあるが、いつか行ってみようと思いを膨らませるのも楽しいものだろう。アラサー女子ならではの葛藤や生きづらさも描かれており、そんな女子の生活を垣間見ることもできる。

イケメン共よ メシを喰え

イケメン共よ メシを喰え

主人公の池田好美は、イケメン好きの28歳。文芸誌の編集者だったが、ある日グルメ雑誌の編集部に配属される。小食で食べることが苦手なのにもかかわらず、だ。そんな好美の前にイケメン新入社員、細見が現れる。細身の食べる姿に性欲、そして自身の食欲を刺激された好美は小食を改善するため「イケメンごはん」を追求していく。

グルメ漫画というと、大体が食べることが好きだったり、料理が好きだったりする主人公が多い。だがこの主人公は小食で食べることが苦手というところが斬新で、興味を惹かれる作品だ。妄想女子の生態にびっくりさせられる人も多いだろう。コメディー感覚で気楽に楽しめる。また、1巻完結なので、さらっと読めるところもポイントだ。

山と食欲と私

山と食欲と私 1巻

会社員の日々野鮎美は27歳。登山が大好きだが、「山ガール」と呼ばれるのは大嫌い。美味しい食材をリュックに詰めて、今日も単独登山を楽しむ。グルメ、料理、アウトドアが好きな人におすすめの作品だ。

若い女の子の単独登山と聞けば少し不安にもなるが、鮎美の登山する様子を見ていると、山登りの経験がない人でも「登ってみたい」と思わずにはいられない。登山した上での食事は格別なのだろうと、想像をかきたてられる作品だ。

登場する料理は、山だけでなく家で作ってもよさそうなものばかり。それ以外にも、登山情報や町歩きする時のコツといったエピソードがたくさん出てくるので、山を登る人でも登らない人でも楽しめるだろう。また、単行本として公式のレシピブックも出ているので、作中料理に興味が湧けばそちらを手に取ってみるといい。

創太郎の出張ぼっちめし

創太郎の出張ぼっちめし 1巻

「創太郎の出張ぼっちめし」は、先ほど紹介した「いつかティファニーで朝食を」のスピンオフ作品だ。こちらは「いつかティファニーで朝食を」で、麻里子に早々と振られた吉田創太郎が主人公。

ここでも後輩に怒られる創太郎が不憫だが、出張で全国を巡っている間に出会う地方グルメの数々に目を奪われる。それと同時に、食を通して少しずつ変わっていく創太郎が新しい出会いを見つけられるかも気になってしまう作品だ。

また、地方グルメだけでなく観光地の話も出てくるので、読めば旅行気分に浸れること間違いなし。この漫画単体でも充分楽しめるが、「いつかティファニーで朝食を」に目を通してから読むと楽しみが倍増するだろう。

ニッチな料理から王道まで専門ジャンルグルメ漫画4選

「グルメ」と一口に言っても、好きな料理は人それぞれだろう。ここでは、そんな食にこだわりを持った方におすすめの、専門ジャンルを扱った漫画を紹介する。

どんぶり委員長

どんぶり委員長 1巻

「どんぶり委員長」の主人公は学生で、真面目で高飛車な委員長。こんな委員長タイプの女子も、学生時代には実際にいたかもしれない。

この委員長、調理実習で同級生の男子である吉田が作った親子丼を見て、衝撃を受ける。どんぶりは男くさくて下品なもの、とそれまで敬遠していた委員長が、吉田の親子丼をきっかけに頭の中がどんぶりでいっぱいになってしまう、というところからストーリーは始まる。

定番のメニューから「これも丼にするのか!?」と驚くようなキワモノまでが紹介されるが、そのどれもが美味しそうで、よだれが出そうになる。丼ものが好きという方は、本作を参考に家で作ってみてはいかがだろうか。新しい食体験に出会えるかもしれない。

ラーメン大好き小泉さん

ラーメン大好き小泉さん 1巻

ラーメンが嫌いな人はあまりいないのではないだろうか。そんな広く人気を誇るであろうラーメンを扱ったのが、この「ラーメン大好き小泉さん」だ。

こちらの主人公も学生。普段クールで無口な女の子がまさかあんなことを!? と言うと期待してしまう方もいるかもしれないが、この作品ではその女の子が放課後にラーメンを食らいつくすのである。美少女とラーメン、その意外な組み合わせがこの作品では妙にマッチしているから驚きだ。

実際の店が紹介されているので、行ったことのある店が登場すると思わずテンションが上がってしまうだろう。1巻にはインスタントラーメンのアレンジレシピが載っているのもうれしい。主人公はいくら食べても太らないが、ラーメンの食べ過ぎにはご注意を。

う 1巻

一瞬見落としてしまいそうな一文字だけのタイトル「う」は、うなぎを扱ったグルメ漫画だ。ページを開くと、まずは「空腹時には覚悟してお読みください」との注意書きが!

呉服屋の若旦那である藤岡椒太郎(ふじおかしょうたろう)がうなぎを楽しみ、食べ続ける。それだけのストーリーなのに、どうしてこんなに惹きつけられるのだろう。4巻完結で、見事に話題はうなぎだけ。それなのに全く飽きないのは、作者の読ませる力があるからだろう。作者のうなぎ愛、そしてこだわりが存分に味わえる作品だ。

美味しく仕上がる調理法も満載なので、料亭で食べるうなぎはハードルが高いと思っている方も、たまにはスーパーなどで買ってきてみてはどうだろうか。

肉極道

肉極道 1巻

祖父が経営していた肉料理の専門食堂を引き継ぐことになった、孫娘の浅倉まなびが主人公。やる気は人一倍あるのに料理の腕はイマイチで、空回りしてばかりの彼女。そんな時、お店に招かれざる客がやってくる。ヤクザ風で強面の男、その男こそが肉極道だった! まなびが肉極道から肉のスパルタ教育を受けながら、食堂の切り盛りを目指すというストーリー。

この漫画を読むと、肉の焼き方一つでこうも味が変わるのかと新しい発見が生まれる。舞台は食堂ではあるが、プロでなくても再現できる料理の裏技やコツが多く掲載されているのもミソ。レシピも詳しく書いてあるので「肉を食べたい」気分になった時にはぜひ、読んで作ってみてほしい。

実写化されたグルメ漫画4選

ここでは、実写化された人気のグルメ漫画を紹介する。漫画を読んでから、実写化された作品を楽しむのもよし、実写化された作品を観てから漫画を読み込むのもよし。きっと楽しみも倍増することだろう。

きのう何食べた?

きのう何食べた? 1巻

アラフォーの筧史朗(シロさん)は弁護士で、恋人の矢吹賢二(ケンジ)と同棲している。この男性カップルと周囲にいる人々の日常を描いたのが「きのう何食べた?」だ。西島秀俊と内野聖陽がドラマで主役を演じ話題となったので、知っている人も多いのではないだろうか。

なんといっても見所は、シロさんの手料理だ。彼は倹約家で、主婦に近い感覚を持っているので、読んでいる側も思わず共感してしまう。ごく普通にスーパーで売っている食材を使って料理が作られる。レシピが詳しく紹介されているので、そのまま作れるのもよい。2人が繰り広げる悩みやちょっとした騒動にもリアリティがあり、こちらも共感できるはずだ。

甘々と稲妻

甘々と稲妻 1巻

妻が亡くなってしまい、一人で日々娘の子育てに追われている数学教師の犬塚公平が主人公。犬塚は料理が下手で、味音痴、そして小食という致命的な欠陥を持っているが、ある日、教え子である飯田小鳥とごはんを作って食卓を囲むことになる……といったストーリー。

「教師と生徒」という関係性ではあるが、ほんわかしたストーリーで時々うるっとくる場面もある。もちろんそれだけでなく、誰にでも挑戦できるレシピが満載なのもうれしい。何より、父親の愛情深さを感じる作品である。娘のつむぎもかわいくてよい子。家族の優しさや温かみを感じたい人におすすめの作品だ。一人暮らしの方は、思わず実家に帰りたくなるかもしれない。

深夜食堂

深夜食堂 1巻

歓楽街の端にある小さな店。営業時間は夜の12時から朝の7時。そのため、皆からは「深夜食堂」と呼ばれている。深夜食堂にあるメニューは少なく、あるのは豚汁定食、ビール、酒、焼酎のみ。だが、食べたいものを注文すれば可能な限り応えてくれる。この「深夜食堂」を舞台に、お客さんとマスターが人間ドラマを繰り広げる作品だ。

一品の料理とそれにまつわるストーリー。淡々としているが温かいマスターとお客さんとのやりとりに、自然と涙が出てくる。1話完結なので、気の赴くままに好きなところから読めるのがポイント。いろいろな人の人生を垣間見ることができるのも、この作品の醍醐味だ。実際にあったらぜひ足を運びたいと思わずにはいられない「深夜食堂」。作品の中で、通ってみてはいかがだろうか。

ホクサイと飯さえあれば

ホクサイと飯さえあれば 1巻

かつて掲載誌の休刊に伴って、惜しまれつつ連載終了した「ホクサイと飯」をご存じだろうか。本作「ホクサイと飯さえあれば」は、「ホクサイと飯」の8年前の話である。

大学進学のために、上京した女子大生の山田ブンが主人公。「ホクサイ」は、ぬいぐるみだが、言葉を話せる。他にも幽霊が登場するなど不思議な世界観でありつつ、どこか懐かしい雰囲気を漂わせる作品だ。

ブンが日々いろいろな経験をしながら、料理を作るストーリーで、舞台は東京、北千住。主人公が美味しそうにご飯を食べている姿には、元気をもらえるだろう。何より主人公が等身大なので、共感できるのがポイント。レシピと写真も掲載されているので、実際に料理を作るのも楽しい。

キャラやストーリーが魅力的なグルメ漫画4選

「料理だけじゃ、何だか物足りない」そんな人のために、ここでは料理だけでなく、登場するキャラクターやストーリーが魅力的なグルメ漫画を紹介する。

新米姉妹のふたりごはん

新米姉妹のふたりごはん 1 巻

両親の再婚によって、姉妹になったサチとあやり。そんな2人の元に、海外出張中の父が送ってきたのは、なんと生ハムの原木だった! 性格も見た目も違う新米姉妹が織りなすストーリー。

目次に、2人が食べたごはんが美味しそうな絵と共に掲載されていて、それだけで食欲をそそる。とにかく2人の姉妹のかわいらしさがポイント。はじめはぎこちない2人が、だんだんと打ち解けていく様子は、見ていて微笑ましい。

漫画を読んでいるとついつい一緒に住んでいるような気分になってくる。それ以外の登場人物も皆、善人なので、心を荒立てることなく没頭できるだろう。かわいい女の子と料理、そしてほのぼのした世界観が好きな人はハマるグルメ漫画だ。

美味しんぼ

美味しんぼ 1巻

「美味しんぼ」は言わずと知れた名作グルメ漫画だ。漫画をあまり読まない人でも、「美味しんぼ」のマンガを集めているという話は珍しくない。

憧れの東西新聞社に入社した、新入社員の栗田ゆう子は文化部に配属となる。しかし、そこで出会った無神経なぐうたら先輩社員、山岡士郎の存在に驚く。ある日、文化部全員で「味覚テスト」を受けるが、それに合格したのはゆう子と士郎のみだった。そこで2人は大原社主が立てた企画である「究極のメニュー」の担当者となる。

と、始まりから引き込まれるストーリー展開に加え、美味しそうな料理の数々、人間模様と、とにかく長期連載されているのが頷ける作品だ。グルメ漫画の火付け役ともなった「美味しんぼ」。まずは1冊だけでも、手に取ってみてほしい。

食戟のソーマ

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

主人公の中学生、幸平創真(ゆきひらそうま)の実家は下町の定食屋。幼い頃から見てきた料理人の父を越えるために、創真は日々修業をしている。そんなある日、創真は父から料理学校への編入話を持ちかけられる。

学園グルメ漫画が読みたくて、白熱したバトルが好きな人におすすめの作品だ。主人公はもちろん、魅力的で個性的な人物がたくさん登場するので、誰でも必ず一人は「推し」が見つかるだろう。

食材や、その調理方法、食感、味、香りなどの描写が丁寧で、また料理も独創的なのがポイント。綺麗な迫力のある絵柄で、少年漫画ならではの女の子のサービスショットもある。学生時代の青春にも浸れる、一気読み必至の作品だ。

高杉さん家のおべんとう

高杉さん家のおべんとう 1巻

主人公の温巳(はるみ)は31歳。ある日、従妹で12歳の美人中学生、久留里(くるり)を引き取ることになる。久留里は遠慮がちで、なかなか心を開かない。温巳も温巳で、要領が悪い。そんな2人が「おべんとう」を通じて、徐々に心を通わせていくというストーリー。

読んでいてほのぼのとし、心も温まる、癒やしの漫画だ。また、読んでいくと日常の何気ない幸せも感じられる。作ってもらうのはもちろん、誰かのために作るお弁当もよいものだと思わせられる作品だ。

久留里の料理が年相応なのもリアリティがあり、かわいらしい。料理というよりもホームドラマ色が強いので、がっつり料理!というよりも人間ドラマも見たい人におすすめ。2人の成長をぜひ見守ってほしい。

少し変わったグルメ漫画3選

「普通のグルメ漫画には飽きてしまった」というグルメ漫画上級者のために、ここでは少し変わったグルメ漫画を紹介する。

最後のレストラン

最後のレストラン 1巻

普通のレストラン「ヘブンズドア」に、時空を超えて偉人達がやってくるという奇抜なストーリー設定のグルメ漫画。

1巻に登場する偉人は、織田信長、マリー·アントワネット、ガイウス·ユリウス·カエサル、坂本龍馬、ジャンヌ·ダルクと幅広い。偉人達がお店にやってくるのが、皆、死の直前というのも面白いところだ。皆が死の直前に食べたかった食べ物とは一体何だったのか、つい気になってページをめくってしまう。

随所に出てくるパロディや風刺も見所。また、歴史的なトリビアもたくさん掲載されているので、歴史好きな人にもおすすめの作品だ。読みながら、自分だったら最後の晩餐に何を食べようとつい考えてしまう、そんな感慨深さがある。

おとりよせ王子 飯田好実

おとりよせ王子 飯田好実 1巻

平凡なシステムエンジニアの飯田好実が主人公。毎日残業続きの飯田くんの密かな楽しみは、全国から美味しい食べ物をお取り寄せすることだった! お取り寄せに特化した漫画が、この「おとりよせ王子飯田好実」だ。

仕事から帰ってきた時のお楽しみは誰しもがきっと持っているはずだ。例えば、それはテレビを見ることだったり、お酒を飲むことだったり、本を読むことだったり。人それぞれだろうが、飯田くんのお楽しみは、食べ物のお取り寄せなのである。なかなか外食や旅行がしづらい今、お取り寄せもいいかも、と思わせてくれる作品だ。

実在しているお取り寄せグルメが多数掲載されているので、実際に欲しいと思ったものを取り寄せられるのもうれしい。

ダンジョン飯

ダンジョン飯 1巻

冒険者であるライオスとその仲間は、ダンジョンでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまう。再びダンジョンに行ったら、途中で飢え死にしてしまうかもしれないと不安に思ったライオスは、ある決意をする。それは襲ってくるモンスターを食べることだった。

食べ物がモンスターというのが、今までにない設定で面白い。また、モンスターの調理方法がリアルなのもポイントだ。読み進めていくうちに登場人物やダンジョンの秘密も少しずつ明らかになっていくので、ストーリーもバッチリ楽しめる。シリアスな中にコメディー要素も含まれており、そのバランスがまた絶妙だ。ロールプレイングゲームやファンタジー、異世界物が好きな人におすすめのグルメ冒険漫画だ。

まとめ

数多くのグルメ漫画が発売されているが、その内容は様々なので、ぜひ今回のコラムを参考に、自分の好みに合ったグルメ漫画を探してみてほしい。まずは面白いグルメ漫画を読みたいという方は、名作と呼ばれるものや、アニメ化、実写化されているものを選ぶとよいだろう。

下記に違うジャンルのおすすめ漫画を紹介しているので、興味のある人はこちらもあわせて読んでもらいたい。

・野球漫画のおすすめ人気30選 名作から最新までジャンル別に紹介

・サッカー漫画が面白い!  プロ選手もハマった話題作など 見逃せないおすすめ作品27選