日本の労働環境はいま、どういった状態に陥っているのだろうか? 実は世界的に見ると、日本の労働環境は良好ではなく、むしろさまざまな問題を抱えていると言える。

また、労働時間や労働生産性の観点から見ても、思っていたよりも深刻であることが分かるだろう。

そこで今回は、日本の労働環境を「労働時間」「女性社員の管理職の割合」「労働生産性」の3つに分けて解説する。日本の動労環境のイメージが明確になるはずだ。

■日本の労働環境:労働時間

日本人は労働時間が長いことで有名だ。「長時間労働や残業が当たり前」というイメージがありがちだが、実は日本の労働時間はOECDによる統計データによると、世界でも22位なのだ。

世界各国の平均年間労働時間を調べた結果、日本の労働時間は全体で22位の1,713時間だった。世界1位はメキシコで、年間2,255時間もの長時間労働である。

このように、意外にも日本の労働時間は長くないことが分かる。しかし、実際にはパートやアルバイトなど、短時間就業者の割合が2倍近くにまで増加したという調査もあるため、実際の数値とズレが生じている可能性がある。

なお、男性単体の労働時間はなんと世界1位である。このことからも、日本人の労働時間は少ないとは言えず、世界的に見ても長いことが分かるだろう。

■日本の労働環境:女性社員の管理職の割合

日本企業の課題として、女性社員の管理職が少ないと話題になった。国際労働機関(ILO)によると、世界の女性管理職の割合は27%で、それに対して日本は12%とG7で最下位という結果が出た。

最近は、日本の女性管理職の割合が増加傾向にあるのだが、それでも世界基準には届いておらず、世界的に見てかなり低い方だとされる。

また、2019年の国民生活基礎調査によると、男性の正規雇用率が78.8%なのに対し、女性は44.7%である。つまり、非正規雇用の割合よりも下回っているのだ。

このように、日本の女性社員は管理職の割合もそうだが、正規雇用の割合も現在では低い傾向にある。

■日本の労働環境:労働生産性

日本の労働生産性は世界に比べて低い傾向にある。公益財団法人日本生産性本部が2019年に発表した調査では、日本の時間あたりの労働生産性は46.8ドルであり、OECD加盟国36カ国中21位という結果が出た。

また、日本の1人あたりの労働生産性も低く、OECD加盟国36カ国中21位という同じ結果が出ている。

一方、2021年の日本の国内生産性(GDP)は、アメリカ、中国に次いで3位という輝かしい結果を残している。生産性全体で見れば、低いどころかむしろ上から数えた方が早い、という結果を出した。

「労働生産性は低いけどGDPは高い」これを言い換えると、労働者1人あたりの労働時間が極めて長いが、仕事の効率がすさまじく悪いということを意味する。

これはあまり褒められたことではないため、一刻も早く改善しなければならない問題だ。根本から解決するためには、海外の考え方や行動を取り入れ、日本企業全体で少しずつ改善を図る必要があるだろう。

■まとめ

本記事では、日本の労働環境を「労働時間」「女性社員の管理職の割合」「労働生産性」の3つに分けて解説した。

日本人は労働時間が長いことで有名だが、実は世界的に見るとあまり長くはない。しかし、これはパートやアルバイトの短時間就業者が増えているのが理由であるため、実際の数値と異なる可能性が高い。

また、女性社員の管理職の割合や労働生産性は海外と比べると、かなり深刻な状況なのが分かるだろう。この状況を解消するためには、海外の考え方や行動を意識し、根本から改善を促していくことが大切だ。