出産後、母親から言われた印象的な言葉を描いた漫画がSNS上で話題となっています。5年前、息子を出産した女性に母親が「自分にも旦那にも子どもにも期待しない方が楽」とアドバイス。期待されていなかったのかと落ち込んだ女性ですが現在では…という内容で「すてきなお母さまですね」「しみて、涙が出ました」「この漫画に出会えてよかった」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

子どもに期待する場面が増えても…

 この漫画を描いたのは、やえ(ペンネーム)さん(30)です。普段は6歳の息子と4歳の娘を育てる専業主婦として、子育てをしながらインスタグラムで漫画を描いています。

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

やえさん「親友に赤ちゃんが生まれ、おむつ替えの頻度や授乳の時間などをとても気にしている姿を見て、自分が第1子を産んだときのことを思い出しました。あのときは何もかも心配で子育てを楽しむ余裕もなかったのですが、母からの『期待をしない方がいい』というアドバイスで肩の力が抜けて、うまくできない自分や夫へのイライラも減った気がします。

これから子育てが始まる友人や漫画を読んでくださっているお母さんに、自分やパートナーへの期待で苦しまないでほしいなと思い、漫画にしてみました」

Q.お母さまに言われるまで、「期待」していた部分はあったのでしょうか。

やえさん「ありました! 息子は小さく生まれたので、ミルク・母乳を与える量や体重の増え方をこれだけ気にして考えてやってるのだから、結果が出るはずだと期待しては、思い通りに増えない息子の体重に落ち込んだり…。

夜泣きもつらくて、横で眠る夫に代わってほしいと思いつつ言えず、夜泣きに気付いてくれないかなと期待しても結局、夫は起きなくてイライラしたり…。今なら言えるのですが、あの頃は『自分が頑張らなくちゃ』と思い込んで無理をしていました」

Q.「自分も期待されていなかった」と知ったときのお気持ちは。

やえさん「最初はショックでした(笑)今思えばあのとき、母に言われるまで“応援”と“期待”の違いがまだ分かっていなかったのかもしれないです。当時は母から、『夢を叶えるために頑張れ』と言われていると思っていましたが、『やりたいことなら思いっきり頑張れ』と言ってくれていたのだと今は分かります」

Q.振り返って、お母さまからはどのような応援をしてもらっていましたか。

やえさん「まず、高校卒業後の進路で『進学も就職もしない』と言った私に反対する言葉は一言もなく、『お母さんは漫画のことは分からないから、やえのしたいようにしなさい』と言ってくれました。あのときの私にとって、一番うれしい応援の言葉でした。今は基本的に子育ての相談だったり、夫婦仲について応援してもらっています。夫婦げんかについては『けんかをするからには負けるな』と応援されました(笑)」

Q.お母さまからの言葉はその後、育児の支えになっているのでしょうか。

やえさん「今でも、すごく支えになっています。できることが増えてきた子どもたちに、気付かないうちに期待してしまう場面が増えていて、気を付けないと『なんでできないの!』と言ってしまいそうになります。子どもたちに『これぐらいできるはず』と期待するとできなかったときにイライラしてしまうので、今は特に母のアドバイスを守って、子どもに期待しないように気を付けています。

親になって、子に期待しない難しさを知りました。『勉強しなさい、お手伝いしなさい、進学しなさい、就職しなさい』なんてことは親から一言も言われず、気楽に自分の人生を歩めたのは母の“期待しない努力”のおかげだと知りました」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

やえさん「共感の声や『自分は親に期待されてつらかった』という体験談なども頂いて、改めて母の偉大さを感じました」