昔も今も、在宅率の高い日曜夜はテレビ番組の花形。ゴールデンタイムには各局が力を入れた番組が放送され、視聴者にとっては「どれを見ようかな」と選べる時間帯となっています。

 近年では日本テレビの「世界の果てまでイッテQ!」、朝日放送(テレビ朝日系)の「ポツンと一軒家」、NHKの「大河ドラマ」が“3強”として人気を集めてきました。一方、TBS、テレビ東京、フジテレビはこの3強に対抗しようとさまざまな番組を手がけてきたものの、「太刀打ちできずに打ち切り」というケースが続いていたのです。

 しかし、このところ、そんな図式に変化が見え始めています。まずはここ1カ月あまり、日曜午後8時台に放送された番組の視聴率を比較してみましょう。

“3強”に迫り始めたTBSの2番組

【10月18日】
日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」個人10.9%・世帯15.0%
テレビ朝日「ポツンと一軒家」個人8.1%・世帯14.4%
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人6.9%・世帯12.5%
TBS「坂上&指原のつぶれない店SP」個人6.1%・世帯10.4%(※午後7時〜8時54分)
テレビ東京「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」個人3.1%・世帯5.4%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「逮捕の瞬間!警察24時事件発生!コロナ禍で闘う警察官SP」個人4.6%・世帯7.8%(※午後8時〜9時54分)

【10月25日】
日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」個人9.9%・世帯13.9%
テレビ朝日「ポツンと一軒家」個人8.6%・世帯15.5%
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人7.6%・世帯13.2%
TBS「バナナマンのせっかくグルメ」個人6.6%・世帯11.2%(※午後7時〜8時54分)
テレビ東京「THEカラオケ・バトル」個人2.7%・世帯4.9%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「ワールドポリスカム2」個人3.2%・世帯5.9%(※午後8時〜9時54分)

【11月1日】
日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」個人9.0%・世帯12.8%
テレビ朝日「ポツンと一軒家」個人8.4%・世帯15.3%
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人7.0%・世帯11.9%
TBS「世界のド肝を抜いた!衝撃神映像2020」個人4.2%・世帯7.5%(※午後7時〜8時54分
テレビ東京「THEカラオケ・バトル」個人3.3%・世帯5.4%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「プロボクシング・井上尚弥ラスベガス防衛戦」個人6.3%・世帯10.6%

【11月8日】
日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」個人9.9%・世帯13.6%
テレビ朝日「ポツンと一軒家」個人9.4%・世帯16.5%
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人8.0%・世帯13.8%
TBS「坂上&指原のつぶれない店SP」個人5.8%・世帯9.5%(※午後7時〜8時54分)
テレビ東京「爆笑問題・太田光vs世界の詐欺師 世界はこうしてダマされた」個人1.8%・世帯3.4%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「鬼旨ラーメンGP秋」個人3.6%・世帯5.9%(※午後8時〜9時54分)

【11月15日】
日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」個人8.8%・世帯12.2%
テレビ朝日「大改造!!劇的ビフォーアフターSP」個人7.2%・世帯12.6%(※午後7時〜8時56分)
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人7.8%・世帯13.3%
TBS「バナナマンのせっかくグルメ」個人6.4%・世帯10.0%(※午後7時〜8時54分)
テレビ東京「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」個人3.3%・世帯5.9%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「アンタッチャブルのおバカワいい映像バトル」個人3.8%・世帯6.3%(※午後8時〜9時54分)

【11月22日】
日本テレビ「2020プロ野球日本シリーズ」個人4.9%・世帯8.6%(※午後6時〜9時59分)
テレビ朝日「ポツンと一軒家」個人8.9%・世帯16.1%
NHK「大河ドラマ 麒麟がくる」個人7.6%・世帯13.1%
TBS「バナナマンのせっかくグルメ」個人6.2%・世帯10.4%
テレビ東京「THEカラオケ・バトル」個人4.0%・世帯6.5%(※午後7時〜9時)
フジテレビ「超水上サバイバル オチルナ!」個人5.0%・世帯7.2%(※午後8時〜9時54分)

「イッテQ」「ポツン」「大河」の3強はかつてより数字を落としつつあるものの、それでも3強の構図を保っています。しかし、TBSの「バナナマンのせっかくグルメ」「坂上&指原のつぶれない店」が急激に追い上げて、3強に迫っているのです。

特番形式は強者に対する弱者の戦略

 その裏付けと言えるのが両番組の放送時間。これまで、両番組は「午後6時30分〜8時54分までの2時間半SPを隔週で交互に放送する」という戦略を採ってきました。基本的に現在のテレビ番組は1時間枠で放送できるものが一番強いコンテンツと言われ、実際に「イッテQ」「ポツン」「大河」の3強は常にこの形で放送され続けています。

 一方、それ以外のTBS、テレビ東京、フジテレビは2時間以上の特番形式で特別感を出すことで3強に対抗しようとしてきました。いわば、放送時間を長くすることは強い番組に対する、弱い番組ならではの常とう手段なのです。

 ただ、それでも、3強の座はなかなか揺るがなかったのですがここに来て、上記にあげたようにTBSの両番組が力をつけてきました。だからこそ、TBSは11月22日、29日ともに、2時間半の特番形式ではなく、午後7時台は「坂上&指原のつぶれない店」、8時台は「バナナマンのせっかくグルメ」という3強と同じ形での勝負を挑んでいるのです。

 TBSの両番組は「坂上&指原のつぶれない店」は主に大型チェーン店、「バナナマンのせっかくグルメ」は全国各地の名物料理がメインの大衆的な情報バラエティー。コロナ禍の厳しい状況が続く中、他の番組よりも身近で気軽に見られるムードが奏功しているのでしょう。

 その差はわずかにまで近づいているだけに、3強に「バナナマンのせっかくグルメ」が加わった4強になる可能性は十分あるでしょう。そのためには「2時間半の特番形式ではなく1時間枠で粘り強く放送できるか」が鍵を握っているのです。