6月12日夜、大型お笑いネタ特番「キングオブコントの会」(TBS系)が放送されます。

 同特番はダウンタウン・松本人志さんと、さまぁ〜ず、バナナマンのベテラン勢に加え、「キングオブコント」の歴代王者である東京03、ロバート、バイきんぐ、シソンヌ、ライス、ハナコ、さらにファイナリストのチョコレートプラネット、ジャングルポケット、ロッチ、さらば青春の光が一堂に会し、3時間にわたってコントを放送するというもの。

 中でも、松本人志さんが2001年の「ダウンタウンのものごっつええ感じスペシャル」(フジテレビ系)以来、民放では20年ぶりに新作コントを披露することが話題を集めています。

 気になるのは「日本一豪華なコント番組」というキャッチコピー。「日本一豪華」と言い切ったところに、毎年、「キングオブコント」を放送してきたTBSの自負と、昨夏から、コント番組を量産しているフジテレビとの一騎打ちムードを感じてしまうのです。

放送数はフジ、特番のスケールはTBS

 昨夏、特番「ただ今、コント中。」(フジテレビ系)が放送された際は「コント復権!」というフレーズが話題になっていました。フジテレビにとって、コント番組は「オレたちひょうきん族」「夢で逢えたら」「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬シリーズ」などを生み出した得意ジャンル。しかし、近年は世帯視聴率が取りづらいことなどの理由から制作されていませんでした。

 フジテレビは昨夏に特番「ただ今、コント中。」「千鳥のクセがスゴいネタGP」を放送し、秋には「千鳥のクセがスゴいネタGP」のレギュラー放送をスタート。年末には「ただ今、コント中。」の第2弾が放送されました。さらに、極めつきは今年1月に放送された新たなコント特番「新しいカギ」を今春に早くもレギュラー化したこと。放送時間帯に「金曜午後8時台」という、人々の休日が始まるゴールデンタイムを選んだことが期待の大きさを物語っています。

 ちなみに、それぞれ中心となる芸人は「ただ今、コント中。」がサンドウィッチマン、バイきんぐ、かまいたちで、「新しいカギ」はチョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコ。一方、TBSの「キングオブコントの会」は松本人志さん、さまぁ〜ず、バナナマンを前面に押し出す形で差別化が図られています。

 現在の状況は「コント番組の放送回数ではフジテレビが圧倒している」が「特番としてのスケール感はTBSが上回っている」という構図。ただ、TBSは「キングオブコント2021」の放送もすでに発表していますし、業界内には「今回の特番を契機に、ますます、コントへ注力していくのではないか」という声もあり、フジテレビとのバトルが盛り上がりそうなムードが漂い始めています。

小学生がマネする名物キャラの誕生へ

 TBSとフジテレビがこれほどコントに注力するきっかけとなったのは、昨春の視聴率調査リニューアル。世帯視聴率より個人視聴率を重視する戦略に変わり、中でもスポンサー受けのいい13〜49歳を重点ターゲットにしたことがコント番組の制作につながっているのです。

 つまり、「これまで世帯視聴率が取りづらいことから、企画が採用されなかったコント番組にトライできる環境が整った」ということ。もともと、TBSやフジテレビにはコント番組のような王道のお笑いバラエティーをやりたくて入社した人も多いだけに、局内には熱のこもった企画書が飛び交っているそうです。

 かつて、コント番組と言えば、小学生を中心に学生たちが翌日の教室でこぞってマネをするのが定番であり、数多くの人気キャラクターが誕生してきました。現在もツイッターのトレンドランキング入りを果たすなど、やはり反響が大きいだけに、一時的なブームで終わることはないでしょう。

 他局に目を向けてみると、テレビ朝日系列は「M−1グランプリ」(朝日放送)から漫才のイメージが強いところがあり、日本テレビはコントや漫才というより、広い意味でのエンターテインメントという観点のバラエティーが目立ちます。その意味でも、やはり、コントは「TBSvsフジテレビ」の一騎打ちになりそうであり、回を追うごとにハイレベルなコントを見せてくれるのではないでしょうか。