現在、双子を育てる女性が幼い日のエピソードを描いた漫画がSNS上で話題となっています。小学4年生くらいの頃のある日、母親と買い物に出掛けた女性。ふと、「最近、お母さんと手をつないでいない」と気付き、「もう一生、手をつながないのかな」と不安に駆られて…という内容で「すてきな思い出ですね」「もう泣きそう…」「私も明日、母と手をつなぎます」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

過ぎてしまった母との思い出を…

 この漫画を描いたのは、クリエーターのさゆり(ペンネーム)さん(30)です。インスタグラムやツイッターで育児漫画などを発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

さゆりさん「小学校低学年の頃に『王家の紋章』という漫画を読んで衝撃を受け、自分でも描いてみたいと思って始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

さゆりさん「ずっと描きたいと思っていたエピソードで、過ぎてしまった母との思い出を残したいという気持ちからです」

Q.お母さまと手をつながなくなったのはなぜですか。

さゆりさん「母が手をつなごうとしたとき、私が照れくさくて嫌がった気がします(笑)母はスキンシップが少ない人だったので、私が成長して、駐車場やスーパーで走らなくなってからは自然とつながなくなったのかもしれません」

Q.手を握り返してくれたお母さまの顔を見たときのお気持ちは。

さゆりさん「初めて見る表情だったので『泣いてる? 嫌だった!?』と心配しました」

Q.ご自身が母親になり、あのときのお母さまの心情を理解できるようになりましたか。

さゆりさん「すごくうれしかったんだろうなと今なら思います」

Q.お子さんと手をつながなくなる日を想像すると、どんなお気持ちでしょうか。

さゆりさん「息子たちはまだ3歳ですが、いつか、手をつながなくても大丈夫な日が来るんだろうな…と少し寂しく、想像すると涙が出そうになります。でも、うれしい気持ちの方が大きいかもしれません。息子たちの手のひらを初めて見たのは妊娠19週のときで、手術室のモニターからでした。あの日から、子どもたちの成長を想像できるのはとても幸せなことなんだと、今でも忘れずに思っています」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

さゆりさん「『育児が大変で忘れがちだけど、子どもともっと手をつなごうと思った』『私の母は高齢ですが、今度会ったら手をつなぎたいと思った』などいろいろな思いが込められたコメントをたくさん頂いて、とてもうれしかったです。描いてよかったなあと思いました。

以前の私は『母が亡くなる』ことを想像もしていませんでした。でも、私が19歳のある日、2人でキッチンに立っていたときに、母が少し笑ったような表情でこっちを見たので、『何?』と聞くと、そのまま倒れて亡くなりました。毎日顔を見ていたのに、もう会えないし、母の手料理も食べられないし、手をつなぐこともできない。そんな後悔が今も私の中にあります。

今日会える人に明日も会えるかどうか分かりません。だから、皆さんも恥ずかしがらずに言いたいことを言い、してあげたいことをたくさんしてほしいなと思いました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

さゆりさん「とにかく、たくさん描きたいです。似顔絵を描くことも大好きなので挑戦したいし、大好きなコミックエッセーも描きたいです!」