映画「ある家族」で主演を務める俳優の川崎麻世(「崎」は「たつさき」が正式表記)さん。同作は、一ノ瀬泰(川崎さん)と陽子(野村真美さん)夫妻はファミリーホームを経営しています。育児放棄、いじめ、虐待…さまざまな問題を抱える子どもたちを迎え入れ、家族として共に日々を送っていますが、ある思いがけない事情により、一ノ瀬ホームの解散が決まる…同名朗読劇の映画化です。

 オトナンサー編集部では、川崎さんに単独インタビューを実施。役との共通点や子役たちとの共演の感想などを聞きました。

ファミリーホームを伝えたいという思い

Q.朗読劇から関わられているのでしょうか。

川崎さん(以下敬称略)「朗読劇は僕が演出、作詞作曲、プロデュース、主演をしていました。映画化の前にプロデューサーとお会いして、映画に興味あるか聞かれ、どういう作品を作っていきたいか話し合いました。意見が合ったので、映画化を前提に朗読劇を作りました」

Q.朗読劇から変わったところはありますか。

川崎「軸になるストーリーは変わっていませんが、設定が少し変わっています。舞台版は血のつながった家族ですが、映画はファミリーホームで、身寄りのない子どもを受け入れる家族にしました」

Q.家族の設定を変えた理由を教えてください。

川崎「プロデューサーの、ファミリーホームという施設を世に伝えたいという思いが強く、変化しました。僕の実家も祖父母がこういう形を取っていて、親がいない子どもたちを引き取って、仕事を与えていました。だから、とても理解しやすかったです」

Q.ファミリーホームは身近な存在だったのですね。

川崎「祖父が経営していたのが喫茶店と遊園地の一部のアトラクションと美容院で、人手がいるので家に住まわせて、家族のようになっていました」

Q.演じられた役と似ているところや共感できるところはありましたか。

川崎「大人の身勝手さで、子どもの一生が決まってしまうこともあると思います。壁にぶつかったとき、どう生きていくかが大事だと思います。映画に出てくる子どもたちもいろいろな思いを抱えながら、一ノ瀬ホームに集まります。こんな子どもたちがいっぱいいることを知ってもらいたい、というメッセージ性に共感しました」

Q.子役たちとの共演はいかがでしたか。

川崎「楽しかったです。コロナ禍での撮影だったので、大人たちはソーシャルディスタンスに気を付けて、しゃべらないようにしていましたが、子どもたちは集まって、ゲームをしていました。大人たちは注意しましたが、子どもたちが遊ぶのは本来の姿で、話しちゃいけない、遊んではいけないというのは残酷だなと思いました。毎日一緒にいると、家族みたいな雰囲気になるので、撮影ってすごいなと思いました」

Q.演じる際に意識していることはありますか。

川崎「僕は舞台が多いですが、舞台と映画では声の出し方も違います。当たり前ですが、舞台のようにオーバーにしなくても、カメラが捉えてくれていることを意識しています。ドラマでオーバーな演技をすることもありますが、この作品に求められているのはそうではないと意識しました」

Q.川崎さんにとって、家族とはどんな存在ですか。

川崎「一番大切な存在です。親の教育で人間性がつくられていきます。居心地のいい場所が家族だと思います。落ち着ける場所じゃないですかね」

 映画「ある家族」は7月30日から、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開。