NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」が10月29日に最終回を迎えました。ヒロインは、宮城県気仙沼市の島で生まれ育った永浦百音(清原果耶さん)。19歳から24歳まで、登米、東京、気仙沼と舞台を変え、さまざまな人に出会い、成長を遂げていく百音の姿を描いた同作ですが、彼女の人生のキーパーソンとなったのは間違いなく、気象予報士の朝岡でしょう。

 生まれ育った島を出て、登米の森林組合で働いていた百音は観光中の朝岡に出会ったことで天気予報の可能性と魅力を知り、気象予報士を目指すことに。朝岡を演じたのは、10月10日から放送がスタートしたドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)で主演を務める西島秀俊さん。厳しくも温かいまなざしで百音を見守る姿は視聴者から、「理想の上司」と称賛されていましたが、片やSNS上で“ある説”が浮上していました。

浮上した“潜入捜査官説”

 それは西島さん演じる朝岡が気象予報士ではなく、「実は潜入捜査官なんじゃないか?」というもの。5月18日に放送された朝の情報番組「あさイチ」(NHK総合)のオープニング、通称“朝ドラ受け”でMCの博多大吉さんが「西島さんがまだ気象予報士っていうのをちょっと受け止められてない。潜入捜査中かしら?って」とコメントしたことがきっかけで「潜入捜査官」というワードがツイッターでトレンド入りしたのです。

 というのも、西島さんは一見シュッとしているにもかかわらず、実は鍛え上げられた筋肉を持つ“細マッチョ”。その屈強な肉体を武器に、主演を務めた「MOZU」シリーズ(TBS系)や「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(関西テレビ・フジテレビ系)、「奥様は、取扱い注意」(日本テレビ系)、「ストロベリーナイト」シリーズ(フジテレビ系)などで、事件の真相に迫っていく警察官や公安の人間を演じてきました。

 大人の色気があふれ、どことなく影のある西島さんだからこそ、視聴者も何か裏があるのではないかと疑ってしまったのでしょう。翌日放送された「あさイチ」では、華丸さんが西島さん本人から、「僕は潜入捜査官じゃないよ」と連絡が入ったことを明かしていましたが「ますます怪しい」と逆に疑われてしまう事態に。

 もちろん、そんな裏の顔が飛び出すことはなく、朝岡は最後まで上司として、気象予報士が直面する現実を突きつけながらも、視聴者もハッとさせられる金言で大きな影響を与える、百音にとっての“メンター的存在”を担いました。

 同時に、彼もまた、石音町という町で起きた豪雨災害がトラウマとなっており、内野聖陽さん演じる百音の父・耕治に心情を吐露し、涙を流す場面も。頼りがいのある上司だけれど、心に傷を抱えながら、気象予報士の仕事に向き合う朝岡の姿は百音だけではなく、視聴者の目にも“かっこいい大人”として映ったに違いありません。西島さんの優しい笑顔や、淡々としていながら、一つ一つの言葉を相手に伝える演技はとても安心感がありました。

凌介が怪しいという声も

 そんな西島さんですが、「真犯人フラグ」では朝岡とは異なり、少し頼りない大人を演じています。同作は、妻と子どもたちが突如失踪し、殺人犯の疑いをかけられた、西島さん演じる主人公・相良凌介が追い詰められていく姿を描いたミステリー。凌介は真面目でおっとりとした性格の、ごく普通なサラリーマンです。

 周りからの人望も厚く、芳根京子さん演じる部下・二宮瑞穂や友人たちも家族捜しに協力してくれますが、次第に不可解な事件に巻き込まれていきます。2019年に大ヒットした「あなたの番です」(日本テレビ系)で企画・原案を担当した秋元康さんが今作も制作に関わり、個性豊かなキャラクターが登場。

 瑞穂や家族でさえも疑わしく見えてくるような描かれ方ですが、一部では「主人公の凌介が怪しい」という声も。公式ホームページの視聴者投票による「#みんなの真犯人フラグ」でも凌介は11位となっており、作中と同じく疑いは拭い切れていません。

 これもまた、西島さんが漂わせるミステリアスな一面が一つの原因なのでしょう。西島さんはすさまじいオーラを消し、普通の人に成り切ることができる一方で、ただ者じゃない雰囲気を出せる唯一無二の魅力を持っています。今年50歳を迎えた西島さんですが、年を追うごとにその存在感は増し、どんな作品、役柄でも視聴者の視線を引きつけてやみません。

「真犯人フラグ」は2クール連続での放送が決定しており、真犯人が分からないまま、モヤモヤした状態で2022年を迎えることとなります。果たして、凌介は事件に巻き込まれた“被害者”なのか、それとも被害者を装った“真犯人”なのか、西島さんが見せる言動や表情の隅々まで注目してみてください。