スターバックス コーヒー ジャパン(東京都品川区)は11月22日、テークアウト用の飲料を購入した客に、ふた付きのステンレス製カップを貸し出す実証実験を東京・丸の内エリアの9店で始めました(現在は10店)。同社によると、カップの返却期限はレンタル日から3日以内で、店舗に返却されたカップは専門業者が洗浄後、再利用します。東京都心のオフィス街での実施ということもあり、すでにこのサービスを利用した人もいるのではないでしょうか。

 ところで、この実証実験で気になるのが、客が期限を過ぎてもカップを返却しなかったときの対応やカップの衛生管理です。貸し出したカップが返却されなかった場合、どのように対処するのでしょうか。また、客がカップの汚れを放置したまま返却するケースも考えられますが、衛生面で問題はないのでしょうか。同社の広報担当者に聞きました。

2030年までに廃棄物半減目標

Q.今回の実証実験を実施した狙いについて、教えてください。

担当者「スターバックスは国内外で、環境に配慮した取り組みを行っており、グループ全体で、2030年までに廃棄物を50%削減する目標を掲げています。今回の実証実験は廃棄物を減らす取り組みの一環として始めました。使い捨てカップの場合、飲み終わった後に廃棄されるため、一定量のごみが発生します。

そこで、使い捨てカップの代わりに再利用可能なカップを提供することで、ごみの量を減らすとともに、ごみの廃棄時に発生する二酸化炭素の排出量も減らしたいと考えました」

Q.環境問題への対応ということであれば、使い捨てカップやプラスチック製のふたのリサイクルに取り組むことは考えなかったのでしょうか。

担当者「使い捨てカップやプラスチックのふたのリサイクルは洗浄や輸送の手間から、ハードルが高いのが実情です。そのため、スターバックスは今回の実証実験も含め、これまでに店内飲食のお客さま向けにマグカップで飲み物を提供したり、タンブラーを持参した人に割引サービスを適用したりするなど、さまざまなリユースの施策を推し進めてきました」

Q.期限を過ぎても客がカップを返却しなかった場合、どのように対処するのでしょうか。また、カップをなくした場合や破損した場合の対応は。

担当者「今回の実証実験は、NISSHA(京都市中京区)とNECソリューションイノベータ(東京都江東区)が提供する容器のリユースサービス『Re&Go(リーアンドゴー)』を活用して実施しています。期限までに返却していただけない場合、Re&GoサービスのLINEアカウントを通し、利用客に対して、数回、返却のリマインドを行います。

それでも返却していただけない場合、運営会社から利用客に容器代を請求する予定です。容器代の請求は2022年1月ごろから実施する方針です。カップを紛失した場合や破損した場合も同様に代金を請求する予定にしています」

Q.返却されたカップは洗浄後、再利用するとのことですが、飲み物の汚れが付着したまま返却する人もいると思います。カップの中の汚れをしっかり落とすことは可能なのでしょうか。また。返却前にカップを軽く水洗いする必要はあるのでしょうか。

担当者「カップのリユースに関する実証実験を実施するにあたり、衛生面の担保は当社が最も重視したポイントです。高い衛生レベルを維持するため、店内で洗うのではなく、専門技術を持つパートナー企業に洗浄を委託しています。微生物検査などを行った上で、一般的な飲食店で使用される容器よりもさらに衛生的に使用できるよう、高度な基準でしっかり洗います。

その過程で汚れをしっかり落とすことが可能なので、お客さまが返却前にカップを洗う必要はありません。洗わずにそのまま返却してください。なお、ご利用いただいたお客さまに対しては、実証実験に協力していただいたお礼として、会計時に21円(持ち帰り時)割引いたします」

 カップをレンタルする際はRe&GoのLINEアカウントを「友だち登録」するなど、事前手続きが必要です。実証実験は2022年5月31日まで実施予定で、カップのレンタル料は現在無料ですが、将来的には有料化する可能性もあるとのことです。