太りたくないとき、痩せたいときは、「間食をしてはいけない」と考えがちです。しかし、実は、間食を全くしない生活よりも、適度に間食する方が太りにくい、との説もあるようです。実際のところを、管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

1日200キロカロリー程度に

Q.適度に間食をする方が太りにくい、というのは本当ですか。

岸さん「『上手に間食を取ることができれば』ということを前提にすると、本当です。食事は一度に多くの量を取るより、適度に分けて取る方が太りにくいからです。

太るかどうかは、血糖値の上昇が関係しています。空腹で血糖値が下がっている状態から一気に食事を取ると、血糖値が急激に上昇します。その結果、インスリンの働きで血糖値を調整しようと、余分な糖を脂肪に変えて蓄積してしまうのです。

つまり、同じカロリー量を取るのであれば、分けて取った方が蓄積しにくいということです」

Q.日本では、1日3回の食事が一般的ですが、4回以上の食事をする国・地域もあるのでしょうか。

岸さん「例えば、香港やイスラム圏、インドの一部で1日4〜5回食事をする習慣があるようです。しかし、一度に食べる量が少ないため太りにくいのです。

間食は小腹が減ったとき、血糖値を適度に保つことができ、次の食事での『ドカ食い』を防ぐ効果があります。ただし、間食をすることで、1日の摂取カロリーが消費分をオーバーしないことが前提です。

間食は、子どものおやつと同様に考えるのが理想です。食事で補いきれない栄養を取ることを目的にすべきです」

Q.1回の間食で、どれくらいのカロリーに抑えればよいのでしょうか。

岸さん「間食のカロリーは、1日で200キロカロリーほどに抑えれば、太る心配はありません。2度の間食をするのなら、1回100キロカロリーほどと考えればよいでしょう。また、目安として脂質は10グラム以下にとどめておきましょう」

Q.間食をするのに、良い時間帯や悪い時間帯はあるのですか。

岸さん「体内時計の観点では、正午〜午後8時は胃腸が活発に働く時間と言われており、その時間帯の間食がタイミングとしては好ましいです。それ以降は、脂肪の蓄積を促すBMAL1(ビーマルワン)というタンパク質の関係でどんどん太りやすくなります。

夕食のドカ食いが一番太りやすいことを考えると、夕食の2時間くらい前までに取るか、深夜まで仕事がある場合などは、寝る3時間ほど前までに済ませるのがよいでしょう。

夜中に空腹で落ち着かない場合には、温かい飲み物やスープなど約70キロカロリーまでの消化の良いものを取り、おなかを落ち着かせるとよいでしょう。カルシウムを含んだ飲み物は心を落ち着かせるので、寝る前には特にお勧めです」

Q.間食をするときは、朝・昼・夕の食事で取るカロリー総量を減らすことも必要ですか。

岸さん「ライフスタイルに合わせて全体の配分を調整するとよいでしょう。日常生活の活動量が少ない人は、朝食は軽めに済ませ、昼食をメインにしてください。そして、間食をする分、夕食をカロリー控えめにして調整してください。

活動量が多い人は、朝食と昼食は同じ程度にし、間食の分を夕食で調整してください。基本的に、夕食でカロリー総量の帳尻を合わせるようにすると体にも負担がかかりにくいです。

また、カロリーだけにとらわれず、栄養素のバランスにも注意してくださいね。『今日は油ものが多かったから夕食は和食にしよう』『野菜を食べていないから、サラダやおひたしをプラスしよう』など、食事のバランス感覚を身に付けることで、間食も上手に取れるようになっていきます」

Q.ポテトチップスなどのスナック菓子や、油で揚げたドーナツなどを間食に食べるのはよくないのでしょうか。適度な間食に向いている食べ物とはどのようなものですか。

岸さん「間食は『栄養を補うもの』と考えるのが理想で、微量栄養素が多く、アミノ酸や食物繊維が含まれる食品がお勧めです。ナッツ類、小魚スナック、ドライフルーツ、ヨーグルト、ビターチョコ、チーズ、果物、豆菓子などが挙げられます。

ポテトチップスなどのスナック菓子、ドーナツなどの高脂肪・高カロリーな食べ物も、たまには食べたいですよね。間食には気分転換やストレス発散の効果もあるので、全てを禁止するのではなく、食べる頻度や量を調整しながら、心も満たされる食べ方をするのがお勧めです」