洗濯物や布団を干したり、プランターを使って家庭菜園をしたりと、住人によってさまざまな使い方がある「ベランダ」や「バルコニー」。しかし、この両者について「どう違うの?」「テラスとは違う?」「ルーフバルコニーはまた別?」など、違いについて疑問を持つ人は少なくないようです。

「ベランダ」と「バルコニー」の違いはどこにあるのでしょうか。不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の竹内英二さんに聞きました。

定義上の違いは「屋根があるか、ないか」

Q.まず、「ベランダ」とは何かについて教えてください。

竹内さん「ベランダとは、住戸から張り出した『屋根あり』の空間のことです。面積や大きさ、階層には特に決まりはありませんが、階層に関しては、主に2階以上に存在することが一般的となっています」

Q.一方、「バルコニー」とは何でしょうか。

竹内さん「バルコニーは、住戸から張り出した『屋根なし』の空間のことです。ベランダと同様に、こちらも面積や大きさ、階層には特に決まりはなく、主に2階以上に存在するのが一般的です」

Q.つまり、「ベランダ」と「バルコニー」の違いとは。

竹内さん「定義上の違いは、『屋根があるか、ないか』です。バルコニーとうたっているものには、張り出した空間が広めの物件が多い傾向にあります。ただし、見分ける方法は屋根の有無なので、空間が狭くても、屋根がなければバルコニーということです。

内覧をする際は、日当たりがよいか▽洗濯物を干せるスペースが十分にあるか▽できれば、スロップシンク(流し)があるか―などがチェックポイントとなります。スロップシンクはスニーカーや上履きなどを洗えるため、あると便利ですが、実際はない物件も多いです」

Q.ちなみに、ベランダやバルコニーと、「テラス」「ルーフバルコニー」「縁側」は何がどう違うのでしょうか。

竹内さん「テラスとは、家屋から突き出た台のような部分です。主に1階に作られることが多いですが、テラスハウスのように、2階部分が1階よりも引っ込んだ形で建てられている場合には、下階の屋上部分をテラスと呼ぶこともあります。屋根の有無に関しては特に決まりはなく、バルコニーとほとんど違いはありません。下階の屋上部分を専用的に使うことができる空間は『ルーフバルコニー』、または『ルーフテラス』とも呼ばれます。

一方、縁側とは、和風建築物において、座敷の外側に張り出した板敷きの通路のことです。ベランダやバルコニーは、主に洋風建築物で使われる用語ですが、縁側は和風建築物で用いられるという点が違いになります」

Q.賃貸物件において、「ベランダやバルコニーは専有面積(部屋の面積)に含まれない」といわれているようですが、これは事実でしょうか。

竹内さん「事実です。ベランダやバルコニーは共用部に該当します。理由としては、専有部は部屋の内側のことを指し、その他の外部は共用部という区分けになっているからです。ただし、ベランダやバルコニーには『専用使用権』と呼ばれる権利が設定されており、専有部の使用者が独占的に利用できる権利を有しています。そのため、専有面積に含まれていなくても、あたかも専有部分のように利用することが可能なのです」

Q.その他、ベランダやバルコニーの利用について注意しておくべきこととは。

竹内さん「ベランダやバルコニーは避難経路となっているため、一番の注意点は『避難経路を確保しておくこと』です。隣戸との間にある仕切り板は、蹴破ることができるようになっています。非常時に隣戸の住人が蹴破れるように、仕切り板の周辺には物を置かないようにする必要があります。

また、賃貸物件の使用細則には、『ベランダでのバーベキューや喫煙などを行ってはならない』といった禁止事項が記載されています。禁止事項に書かれている行為を確認し、行わないように注意することもポイントです」