加工食品などの外箱やパッケージには、必ず「賞味期限」(消費期限の場合も)が記載されています。不思議なのは、賞味期限として「〇〇に記載」と、別の場所に記載されていることを伝えるケースがあることです。賞味期限を書くスペースがあるのに、なぜわざわざ別の場所に記載するのでしょうか。消費生活アドバイザーの池見浩さんに聞きました。

一括表示の印刷と別工程のため

Q.加工食品などの外箱やパッケージには、必ず「賞味期限」(消費期限の場合も)が記載されていますが、「〇〇に記載」と別の場所に記載されていることを伝えるケースがあります。なぜでしょうか。

池見さん「賞味期限や消費期限の『期限表示』は、2015年4月に施行された食品表示法で、原則として商品ラベル内に『賞味期限〇年〇月〇日』『消費期限〇年〇月〇日』のように、賞味期限・消費期限と年月日を並列で表示するルールになっています。

しかし、中には、製造工程やパッケージの大きさなどの事情で、食品を袋詰めするよりも先にパッケージ(外装袋など)だけを別に準備しておく場合があります。この場合、一括表示部分には『賞味期限 この面の〇〇に記載』とだけ印刷しておき、いざ食品工場で中身を入れて出荷する時に、その時点での賞味期限を、パッケージの中で印字しやすく見やすい別の場所へ印刷する事例があります」

Q.「〇〇に記載」とある場合、主にどこに記載されていることが多いのでしょうか。

池見さん「食品表示法の『消費者が正しく選択できるようにする』目的から、基本的には“消費者が探さないで確認できる場所”に記載され、例えば、商品ラベルが記載された外箱やパッケージの同じ面の上か下が多いと思います」

Q.小分けした個別包装をまとめた加工食品包装の場合に、外箱にも個別包装にも期限表示が載っている場合があります。期限表示が外箱やパッケージではなく、別の場所、例えば個別包装部分に記載されているのであれば、外箱やパッケージから期限表示を省いてもよいのではと思うのですが、それはできないのでしょうか。

池見さん「それはできません。2つの点で、外箱やパッケージにも期限表示が必要です。1つ目は、小分けした個別包装をまとめた加工食品包装の場合、まとめる包装を通して個別包装の食品表示が見えない場合、まとめる包装にも食品表示基準が適用されるからです。

2つ目は、その食品が『消費期限』と『賞味期限』、どちらの性質のものか情報提供されないと、消費者が購入選択する際に、『いつまでに使えばよいか』『早く腐敗・劣化するものかどうか』が分からないからです。この点については、食品表示基準の記載において、『賞味期限が異なる2つ以上の食品を詰め合わせた商品を販売する場合、外装の賞味期限の表示はどのように行えばよいでしょうか』に対する、『消費者が外包装から適切に判断することができるようにするため、全ての食品のうち最も短い賞味期限または全ての食品の賞味期限を外装に表示する必要があります』との考え方からも明らかです。

消費者には、『安全が確保される権利』『自分の意思で自由に選択する権利』『商品を選ぶ際に、正しい情報を知る権利』があり、事業者にはこの権利を守る責務があります。

一方で、私たち消費者にも、『自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、および必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう』努める義務(消費者基本法より抜粋)があります。表示をよく確認して、期限内に食べきれる量だけ買い、食品ロスを出さない努力が必要です。

さらに、消費者が、分かりやすい表示を行っている商品・メーカーを積極的に選んで応援し、そうではないものは買わないようにすることも大切です。消費者に選ばれない企業はいずれ淘汰(とうた)され、その結果、消費者に優しい社会をつくることができる。そうした私たち一人一人の考え方、行動が今、求められています」