「相手が結婚相手にふさわしいかどうか、どこを見て判断したらいいですか?」と聞かれることがあります。私はそんなとき、「ドライブデートをして車の運転を観察すると、その人の“人となり”が分かりますよ」と答えています。車の運転をしているときというのは、素が出やすいのです。

 今回は、車の運転をしているときに見えてくる人柄について、一緒に考えてみましょう。

ドライブデートで車のナビにイライラし、暴言

 藤田さえさん(33歳、仮名)は、太田ふみやさん(39歳、同)とのお見合い後に、こんな連絡を入れてきました。

「見た目もすてき。仕事も上場企業勤務で、年収もしっかりある。お話もすごく楽しかったです。ぜひ交際希望でお願いします」

 ふみやさんからも交際希望が来て、2人は「仮交際」に入りました。そして、初めてのデートはウイークデーの会社終わりに、お食事に行ったようです。

「楽しくお話しできました。ただ、一つ気になったことがあったんです。今の相談所に入って、もう3年たつんですって。あんなにすてきな人が、何でそんなに婚活に苦戦しているのかなって。あの見た目と条件なら、お見合いは組めると思うんですね。何か苦戦する理由があるのでしょうか?」

 苦戦している理由は、3回目のデートで分かりました。

 その日の朝は、さえさんから、明るいLINEが入ってきました。

「今日は、ふみやさんとドライブデートに出かけます。郊外のアミューズメントパークに行くんです。朝、6時起きしてお弁当も作りました。1日一緒に過ごすので、2人の距離が一気に縮まるといいなと思っています」

 今日のデートを終えたら、真剣交際に進めるかもしれない――。そんな淡い期待もあったようです。ところが、10時くらいにこんなLINEが来ました。

「今、車の中ですが、目的地にたどり着けずに道に迷っています。同じ道をグルグルと何度も通っているんです。車内が険悪ムードです」

 さらに、30分後にはこんなLINEが。

「もう帰りたいです」

 その30分後には、「『車酔いしたみたいで、体調が優れないので、今日はここで帰らせてください』と言って、今、車を降りて解散しました」

 その後、心配になったので、私はさえさんに電話を入れました。すると、車内で起こったことをため息交じりに伝えてきました。

「ナビが『100メートル先を右です』と言ったのに、左に曲がってしまったことが事の始まりでした。元の道に戻ろうとしたのですが、なかなかUターンできる場所がなくて」

 そこから、彼のイライラが始まったようです。

「『このナビ、信用できないな』と言い出して、私が自分のスマホでナビをすることになったんです。でも、車のナビを切っていなかったから、私が言うことと車のナビがゴチャゴチャになってしまって。そうしたら、彼がイライラし出して、『使えねーナビだな』って。それは車のナビに言った言葉なのかもしれないけど、私もナビしていたので、ドキッとしちゃいました」

 そこから空気が一気に悪くなり、このままデートを続けていても、今日は楽しく過ごせないだろうと、デートの中断を申し出たというのです。

 見た目もすてき、経歴もいい。それで3年活動しても、なぜ結婚が決まらなかったのか。その理由が、車内の彼の態度で分かったようです。とても短気で、怒りっぽい性格だったのです。

 このドライブの翌日、さえさんはふみやさんに「交際終了」を出しました。

「運転上手」と自負する彼の荒々しい運転に閉口

 小田こうじさん(39歳、仮名)は、冨田かよこさん(35歳、同)とお見合い後、交際に入りました。そして、2度目のデートを終えて、こんな連絡を入れてきました。

「今までお会いした女性の中で、一番フィーリングが合う気がしたし、お話をしていて楽しい。このままうまくいくように頑張ります」

 そして、週末のデートは車で遠出して、森林公園に行くことにしたのです。車内でいろいろな話もできるし、お互いのことを知るには最適だと思っていました。

 ところが、ドライブデートを終えた翌日に、かよこさんの相談室から「交際終了」の連絡が来ました。終了理由は、こうでした。

「車を運転しながら、いかに自分の運転がうまいかという話をされたようです。運転に自信があるからか、細い道でもスピードを出されていて、小道から自転車が飛び出してきたときには、危うくぶつかりそうになったとか。そうしたら、荒々しくクラクションを鳴らしたようで、そんな様子に気持ちが引いてしまったというんですね」

 それから、かよこさんは車に乗っている時間がとても長く感じたそうです。沈黙も気まずく、そうかといって話題も見つからず、一刻も早くデートを切り上げて帰りたいと思ったというのです。

 運転がうまいことを自慢する男性は、意外と多いですね。本人には悪気はないのでしょうが、そんな男性に限って、運転が荒々しいもの。黄色信号に無理やり突っ込んで通過してしまったり、失礼な割り込みや不意の飛び出しに、クラクションを鳴らしたりします。助手席に座っているときに、突然クラクションを鳴らされると、ドキッとしますよね。

 また、自慢話というのは、している本人は得意げですが、聞かされている方は「よく言うよなぁ」と鼻白んでいることが多いのです。

 運転が上手と思っていても、それを自慢げに話すのはご法度。男性の皆さん、気を付けてくださいね。

何よりも車が「宝物」…そこに設けられた細かなルール

 滝本さとこさん(34歳、仮名)は、山本よしかずさん(34歳、同)と交際に入って2カ月が過ぎました。同い年で、クラシック音楽が好きという趣味も合い、とても楽しいお付き合いを続けていました。

 何度か食事デートを重ねているうちに、よしかずさんが“スイーツ男子”であることも分かりました。

 そこで、郊外のデートに行くことになった前の晩、さとこさんは、おやつに食べられるようにと、クッキーを手作りしたのです。ドライブ当日は早起きして、お昼に食べるお弁当も手作りしました。

 また、車内でつまめるように、朝食用のサンドイッチも作りました。

 待ち合わせに指定された場所で待っていると、スポーツカータイプの車を運転するよしかずさんが、さっそうとやってきました。

「待った?」

「さっき来たところ」

 ここまではよかったのですが、車に乗り込もうとするさとこさんに、よしかずさんは言いました。

「靴に泥はついていない? 払ってから乗ってね」

 アスファルトを歩いてきたので、靴に泥がついているはずもありません。形だけ靴をトントンとして助手席に乗り込み、シートベルトをしました。そして、車が走り出してから、さとこさんは言いました。

「私、朝ご飯を食べてこなかったの。サンドイッチを作ってきたんだけど、食べてもいいかしら」

 すると、よしかずさんが言いました。

「僕は、車の中では物を食べないようにしているんだ。においがこもるし、食べカスが落ちると車内が汚れるから。高速に乗ったら最初のサービスエリアに入るから、そこで一緒に食べようよ」

 そう言われて、さとこさんは一気に食欲がなくなってしまいました。また、ウキウキしていたテンションも下がり、これから始まるデートがつまらないものに感じるようになりました。

 高速道路のサービスエリアに入ったものの、サンドイッチを1つつまんだら、さとこさんはもうおなかいっぱい。そこから目的地の自然公園に行ったのですが、早くデートを切り上げて帰りたいとずっと思っていました。

 お昼になると、作ってきたお弁当をよしかずさんはおいしそうに食べていましたが、さとこさんは全く食欲が湧きません。結局クッキーは出さずじまいで、持ち帰ってきました。

 そして、私にこんな連絡を入れてきたのです。

「よしかずさんとは、交際終了でお願いします。車を大事にされているのでしょうが、その執着ぶりに私はついていけませんでした。

車内は禁食。目的地に着いて、車を駐車場に止めるときも、駐車スペースを探すのにすごく時間をかけて、グルグルと止める場所を探していました。『角に止めたい』って言って。両サイドを車に挟まれて駐車するのは嫌なんだそうです。途中、小雨がぱらついたら、『車が汚れるな』って舌打ちしたんですよ。ドライブデートが全く楽しめませんでした」

 車の扱い方や運転の仕方を見ていると、その男性の人となりも見えてきますよね。

 車内は2人だけの空間です。遠出するドライブデートをした後に、「交際終了」になるカップルは意外と多いのです。どんな相手かを判断するには、ドライブデートをしてみるといいですね。