安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに注目が集まっている「宗教トラブル」。新興宗教の熱心な信者である親のもとで育ち、幼少期から親が信仰する宗教の影響を受けてきた「宗教2世」の実態がクローズアップされるなど、その関心の高まりとともに、トラブルの経験者からも声が上がり始めています。そんな「宗教トラブル」に関する調査結果が、弁護士ドットコム(東京都港区)から発表されました。

全体の2割が「宗教トラブルの経験あり」

 調査は2022年7月から8月にかけ、同社の一般会員を対象に実施。1108人から有効回答を得たものです。

 まず、「自身もしくは家族・親族が新興宗教に入会している(していた)ことで、トラブルに遭ったことがあるか」について聞いたところ、21.2%が「ある」と回答。全体の2割に、何らかのトラブル経験があることが分かります。

「トラブルが始まったのはいつ頃か」については、「2000年代」が23.8%と最も多い結果に。以下、「1990年代」(23.4%)、「1980年代」(18.7%)と続いています。新興宗教を巡るトラブルは1990年代に大きく注目されましたが、2000年以降も引き続きトラブルが起きていることがうかがえます。

「トラブルの内容」について聞いたところ(複数回答可)、最多となったのは「入会・脱会に関するトラブル」でした。では、具体的にどんなトラブルが起こっているのでしょうか。

「トラブルに遭ったことがある」と答えた人を対象に、トラブルの内容を聞いてみると、「(子どもの頃に)インフルエンザにかかってしんどかったとき、両親が礼拝や奉仕を優先し、私は家に置き去りにされてつらかった。高校卒業後に一人暮らしを始めてから今まで、両親とは絶縁状態(40代女性、1980年代からトラブル)」、「自分のテストの点がよかったり表彰されたり、受験に合格したりすると『信仰心が強かったからだね』と言われた。神様の力もあったかもしれないが、自分もかなりの努力をしたことを全否定されたように感じた(40代女性、1990年代からトラブル)」といった経験談が集まり、親が信仰する宗教の影響を受けて育った「宗教2世」の苦悩が浮き彫りとなりました。

 中には、「元夫が宗教信者。事故やケガをした私に『入信しないからだ』としつこく勧誘したり、選挙の時期になると強引に投票所へ連れていかれ、『この人の名前を書け』としつこく言われた。生活の一部に宗教があり、子どもまで入信させようとしていたこと、人生の方向性が違うことなどから、嫌悪感を抱いてしまい離婚に至った(40代女性、2010年代からトラブル)」と、パートナーから信仰を強要された人も。

 また、2010年代からトラブルに遭っているという10代男性からは、「度重なるお布施の要求によって、わが家も破産した。しかし、信者であった母はそれでも信じることをやめずに信じ続け、最終的に父は自殺している」「こういったことがないよう、今後、宗教2世は成人するまで宗教に入会してはいけないなどの法整備を進める必要がある」と、法律や規制を求める声も上がっています。