夏はもちろんのこと、1年を通して人気のアイスクリームやシャーベット。「冷たくて甘い」という共通点のある両者ですが、ダイエットを意識している人にとっては、摂取カロリーが気になるものです。

「アイスクリームの方が太りやすそう」「シャーベットは低カロリーなイメージ」といった声もあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

カロリーと脂質が高いのは「アイスクリーム」だが…

Q.まず、アイスクリームの基本的な原材料や、カロリーについて教えてください。

岸さん「アイスクリーム類の定義は、『乳および乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)』において、“乳またはこれらを原料として製造した食品を加工し、または主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く)をいう”とされています。

アイスクリーム類は、含まれる乳成分の量によって『アイスクリーム』『アイスミルク』『ラクトアイス』の3つに分けられており、このうち『アイスクリーム』については、乳固形分15%以上、うち乳脂肪分8%以上とされています。アイスクリーム類の中では乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれ、ミルクの風味が強く感じられます。牛乳を主原料としたシンプルなものなら、カップ1個分(175グラム)あたり、およそ300キロカロリー程度、糖質は40グラム程度含まれます」

Q.シャーベットについてはどうでしょうか。

岸さん「シャーベットの主原料は果汁です。ここに砂糖や牛乳、卵白などを混ぜ合わせて凍らせたものをいいます。アイスクリームとは主原料が大きく異なり、乳固形分3%未満のものは『氷菓』に分類されます。中には乳成分が入っている種類もありますが、含有量が少ないため、アイスクリームとは扱われません。カップ1個分(175グラム)あたりで200キロカロリー程度、糖質は50グラム程度含まれます」

Q.つまり、アイスクリームとシャーベットでは、どちらが「太りやすい」といえるのでしょうか。

岸さん「一般的には、乳成分が多く含まれ、カロリーとともに脂質が高いアイスクリームの方が『太りやすい』といえるでしょう。シャーベットは乳成分を含まない分、低カロリー・低脂質となるため、ダイエット中にはお勧めできます。

ただし、一概に『シャーベットだからよい』と考えられない場合もあります。確かに、単発で同じ量を食べる際には、カロリーの高いアイスクリームの方が太りやすいですが、習慣的に食べている場合や、1度に食べる量によっては、シャーベットも注意が必要だからです。

アイスクリームの乳脂肪やタンパク質には、血糖値の上昇を緩やかにする効果の他、満足感を得られやすい面もあります。さらに、商品によっては添加物が非常に少なく、健康上よいと考えられるものもあるでしょう。一方、シャーベット類は糖質量の多い種類のものは高血糖になりやすく、糖質が控えられていてもメーカーによっては人工甘味料などの添加物が多く含まれるものもあります。風味や口当たりがさっぱりしていることから、『気付けば食べ過ぎてしまった…』といったことにもつながりやすいです。食品表示を見て、目的に応じて選ぶようにしましょう。

ちなみに、ラクトアイスは乳脂肪分が少ない分、濃厚さを増すために添加物として植物性油脂が多く使われていることがあり、カロリーや脂質がアイスクリームより高くなっている場合があるので、注意が必要です」

Q.ダイエット中にアイスクリームやシャーベットを食べたくなったとき、意識するとよいことや、お勧めの食べ方はありますか。

岸さん「アイスクリームの場合、カロリーの取り過ぎを防ぎたいときは、もなかタイプやコーンに乗ったものではなく、カップタイプや棒タイプを選ぶとよいでしょう。コーンは一般的なものでも50キロカロリーほど、甘みのあるワッフルコーンであれば 100キロカロリーほどです。これらを選んでしまうと、アイスのカロリーに加え、上乗せしたカロリーも取ってしまうので、なるべく控えた方がよいでしょう。

また、『アイスを食べるのは夜』という人が多いかもしれませんが、食べるなら昼間の時間帯がお勧めです。特に午後3時前後は1日の中でも体温が高くなり、エネルギーも活発に消費するため、体温の低下や脂肪の蓄積を抑えやすくなります。一方、活動量の少ない夕食後や、寝る前に食べることはよくありません。

また、市販のアイスはどうしてもカロリーや添加物が多くなってしまいがちなので、果物を冷凍し、アイスの代わりとして食べるのもよいでしょう。味が濃く、食物繊維の多いパイナップルやバナナ、イチゴなどのベリー系がお勧めです。ヨーグルトをかけるとよりおいしく、満足感も得られやすくなります。

とはいえ、結局は消費カロリー以上に食べてしまえば太りやすくなってしまいます。普段から食べ過ぎず、適量に収まるように気を付けつつ、たまには好きな種類のアイスを思い切り楽しむなど、上手に選択してみてください」