住宅を購入する際に一戸建てにするか、マンションにするかで迷う人は多いのではないでしょうか。一戸建てとマンションは、それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。購入時はどのようなことに注意すべきなのでしょうか。不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の竹内英二さんに聞きました。

「維持コスト」「管理の手間」に違い

Q.一戸建てとマンションのメリット、デメリットについて、それぞれ教えてください。

竹内さん「一戸建てのメリットは、『維持コストを抑えやすい』『庭を持てる場合がある』『将来建て替えられる』といった点が挙げられます。一戸建てには、マンションにある管理費や修繕積立金、駐車場代がないため、維持コストを抑えることができるほか、古くなったら建て替えることができます。郊外であれば、庭を持って趣味を楽しむこともできます。

一方、デメリットは、『物件が郊外になりやすい』『木造の場合、比較的劣化が早い』『自分で計画的に修繕する必要がある』といった点が挙げられます。一戸建ては、同じ地域のマンションと比較すると価格が高い傾向にあるため、予算の関係で郊外の物件を選択せざるを得ないケースが多いです。

また、木造の一戸建ての場合、鉄筋コンクリート造りのマンションと比べると劣化が早くなります。マンションのように計画的に修繕が行われるわけではないため、自分で計画的に修繕していく必要があります。

マンションのメリットは、『立地の良い物件を購入しやすい』『管理や修繕は管理組合が行ってくれる』といった点が挙げられます。一方、『維持コストが高い』『将来の建て替えが難しい』といったデメリットが挙げられます」

Q.マンションよりも一戸建ての方が、資産価値が下がりやすいといわれていますが、事実でしょうか。

竹内さん「ある程度は、事実です。一戸建ては、立地条件がマンションよりも劣るケースが多いため、購入需要や賃貸需要が弱くなりがちです。マンションと比べると駅に近い物件が少ないことから、売却しにくく、資産価値が下がりやすい傾向にあります。

また、一戸建ては木造、マンションは鉄筋コンクリート造りが多いです。マンションの方が堅固な建物となっている点も、資産価値が下がりにくい要因となります」

Q.現在、一戸建てとマンションとでは、どちらの方が人気があるのでしょうか。近年の傾向も含めて、教えてください。

竹内さん「近年の大きな流れとしては、総じてマンションの方が人気です。最近は、中心市街地のオフィスビルや商業施設が撤退した跡地にマンションが建つケースが増えています。このように、以前よりも利便性の高い物件が増えていることから、全国的にマンションの人気が高まっています。

ただし、コロナ禍でリモートワークが普及したことから、部屋数を確保しやすい郊外の一戸建ての需要が高まった時期もありました。今後、社会情勢が変化すれば、一戸建ての需要が再び高まる可能性はあります」

Q.住宅を購入する際の注意点について、教えてください。

竹内さん「実は、住む前に重視するポイントと住んだ後に満足するポイントは、異なることがよくあります。住む前は、駅からの近さや都心へのアクセスの良さを重視する人が多いです。一方、住んだ後は、子どもを遊ばすことができる公園や食材の買い物ができる店が自宅周辺にあることを満足のポイントに挙げる人が多くいます。

そのため、住宅を購入する際の注意点としては、『周辺に子どもを遊ばせることができる公園がある』『周辺に食材の買い物ができる店がある』などを確認するとよいでしょう。

もちろん、駅からの近さや都心へのアクセスは重要なポイントです。ただし、周辺環境の良しあしは、住んだ後の満足度を左右するポイントであるため、住宅は周辺環境を十分に確認した上で購入することが望ましいと言えます」