10月から酒税が改正され、新ジャンル(第3のビール)の350ミリリットル当たりの税額は、約10円上がりました。そのため、9月に消費者が新ジャンルの商品を買いだめする動きがあったようです。一方、ビールの350ミリリットル当たりの税額は約7円下がり、今後、ビールの売り上げが伸びる可能性があると示唆されています。

 ところで、新ジャンルは、ビールとは何が違うのでしょうか。酒税改正が新ジャンルの販売にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。新ジャンル「金麦」を販売する、サントリー(東京都港区)の担当者に聞きました。

「麦芽の重量比率が50%以上」はビール

Q.ビールと新ジャンルの違いについて、教えてください。

担当者「ビールとは、麦芽、ホップ、水を主原料として発酵させた醸造酒です。また、主原料の他に、米やトウモロコシ、でんぷん、糖類など、政令で定められている物品を副原料として発酵させたものを指します。

ただし、副原料の重量の合計が、麦芽の重量の50%を超えないものに限ります。つまり、麦芽の重量比率が50%以上の酒はビールです。当社の商品の場合、『ザ・プレミアム・モルツ』(以下、プレモル)ブランドのほか、『サントリー生ビール』『パーフェクトサントリービール』がビールに該当します。

一方、原料の麦芽の重量比率が50%未満の酒は『発泡酒』、麦や麦芽以外の穀物を原料に使用した酒や、発泡酒に法令で定められたスピリッツなどのアルコール飲料を加えた酒は『その他の発泡性酒類』(新ジャンル)とそれぞれ分類されていましたが、10月の酒税改正により、その他の発泡性酒類は発泡酒に統合されました。

2023年10月以降の新商品については、新たな表示で発売します。すでに販売中の商品については、商品リニューアルなどのタイミングで表示を順次切り替えます」

Q.酒税改正により、ビールや新ジャンルの売り上げにどのような影響が出る可能性があると考えられますか。今後、どのような戦略で取り組んでいくのでしょうか。

担当者「ビールは減税により、お客さまに手に取っていただける機会が増えると考えています。当社は2月に『プレモル』ブランドをリニューアルしたほか、4月には『サントリー生ビール』を発売しました。また、10月3日には『パーフェクトサントリービール<黒>』を数量限定発売するなど、ビールの売り上げは好調に推移しております。

一方、新ジャンルについては、増税前の9月の駆け込み需要による反動を年内に受けると見ていますが、現時点ではおかげさまで前年とほぼ変わらない販売数量で推移しております。

税率が異なることから、ビールと新ジャンルとでは価格が異なります。将来的には、新ジャンルのようなエコノミーと呼ばれる価格帯の商品は残るものの、上位ブランドの商品に集中する動きが加速すると見ています。

当社としては、販売が好調な『金麦』については、日常の食卓で旬の食材と一緒においしく召し上がっていただきたいという思いから、引き続き、季節によって味をととのえる『四季の金麦』の展開のほか、プロモーションの実施などに力を入れていきます。

ビールと新ジャンル、それぞれ定められた枠内で、『いかに、おいしいものをご提供していくか』について、引き続き取り組んでいきます」

 今後、ビール会社がどのように商品を売り出していくのか、注目が集まりそうです。