「生活必需品のティッシュペーパーが品薄になっている」とネット上で話題になっています。ドラッグストアやスーパーで一部商品の欠品が相次ぎ、SNS上では「店頭にない」「あるうちに買っておこう」「オイルショックを思い出した」「品薄を解消して」などの声が上がっています。なぜ、品薄になっているのでしょうか。メーカーなどに聞きました。

外資系メーカーが値上げ

「エリエール ティシュー」などを製造する大王製紙(東京都千代田区)の担当者に聞きました。

Q.なぜ、ティッシュペーパーが品薄になっているのでしょうか。

担当者「低価格のティッシュペーパーを製造する外資系メーカーが卸値を上げたことで安い商品が手に入りにくくなり、当社を含む国内メーカーに多くの注文が寄せられるようになったためではないでしょうか。国内の生産体制ですべての需要を満たすことは難しく、結果的に品薄につながったのではないかと思います」

Q.品薄を解消するための対策は。

担当者「工場では現在、商品をフル生産しており、安定供給に努めています」

Q.品薄が解消されるのは、いつごろでしょうか。

担当者「予測できません。当社だけでなく、業界全体での取り組みが必要だと思います」

Q.今後、値上げの予定は。

担当者「ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオルなどの家庭紙商品を対象に、6月1日出荷分から現行価格の10%以上、値上げします。原燃料価格や、運送費など物流経費の高騰が続いており、自助努力だけでは増加したコストを吸収しきれないためです」

 他社の状況はどうでしょうか。王子ネピア(東京都中央区)の担当者は「多数のお問い合わせを頂いており、回答が難しい状況です」と話しています。同社は、4月に王子製紙春日井工場で火災が発生した影響で、一部製品の生産を1カ月近く停止していました。

「クリネックス ティシュー」「スコッティ ティシュー」などを製造する日本製紙クレシア(東京都千代田区)の担当者は「報道によりティッシュの買い占めが発生し、市場を混乱させる恐れがあるため、回答は控えさせていただきます」と話しています。

 品薄の背景について、ティッシュペーパーなどを製造するメーカーでつくる「日本家庭紙工業会」の担当者は「(1)低価格ティッシュを製造する外資系メーカーが値上げを行い、取り扱いをやめた店舗が出たこと(2)王子製紙春日井工場の火災による製品の一時供給停止(3)運送業界の人手不足を考慮し、10連休前に販売店などが通常より多めに在庫を確保したこと、の3点が要因」と話しています。

 担当者は「『品薄』の情報がメディアで流れたことで、不安に思った人もおられたと思いますが、ティッシュペーパーを買いだめする行為も品薄に拍車をかけます。家族構成や使い方にもよりますが、5箱あれば1カ月ほど持つと思います。国内メーカーは常にフル生産していますし、店舗が再び外資系メーカーの商品を取り扱う動きも見られますので、品薄は自然に解消していきます」と呼びかけています。