8月は親子でレジャー施設や商業施設に出かける機会が多いと思いますが、気になるのが天気です。降水確率が高かったり、猛暑日の予想だったりすると、出かけるのをためらう人も多いと思います。そんな中、千葉県の牧場では、降水確率が高くなるほど入場料金を割り引くサービスを実施。百貨店の中にも、真夏日や猛暑日を対象にした割引サービスを実施するところがあります。それぞれの狙いを聞きました。

「雨の日割引」「汗の日割引」「氷点下割引」

 千葉県成田市の「成田ゆめ牧場」は、大人(中学生以上)1400円、子ども(3歳以上)700円の入場料金を、午前8時時点の降水確率分割り引く「雨の日割引」を実施しています。雨の確率が高いほど、お得に入場できる仕組みです。

 ほかに、予想最高気温が33度以上の場合は「汗の日割引」を実施。気温分をパーセンテージで割り引くので、例えば35度の予想なら35%割引となります。冬場は「氷点下割引」もあります。いずれも天気情報サイト「weathernews(ウエザーニュース)」の発表で決まります。

 同牧場で広報を担当している落合沙也佳さんに聞きました。

Q.なぜ「雨の日割引」「汗の日割引」「氷点下割引」を始めたのでしょうか。

落合さん「雨の日や暑い日、寒い日は、当社のような屋外観光施設には、あまりお客さまがお見えになりません。そこで『雨の日割引』などを通じて、お客さまにお得に入場していただき、少しでも楽しんでいただこうという思いで始めました。『雨の日割引』は2000年11月、『汗の日割引』は2006年8月、『氷点下割引』は2011年1月にそれぞれ開始しました」

Q.降水確率が10%以上であれば、晴れたとしても割引になるのでしょうか。また、降水確率が100%の場合、入場料が無料になるのですか。

落合さん「たとえ晴れていても、降水確率通りに適用します。また、午前8時時点の降水確率が100%であれば、終日無料で入場可能です。例えば、台風が上陸しそうな日の午前8時時点の降水確率が100%であれば、その後、台風一過で晴れた時間に入場する場合も無料です」

Q.それぞれの割引は、条件を満たせば季節を問わず適用されるのでしょうか。

落合さん「適用します。なお『雨の日割引』とその他の割引の条件を同時に満たす場合、割引率が高い方を適用します」

Q.採算は取れるのでしょうか。

落合さん「このサービスは、お客さまに少しでも楽しんでもらいたいという思いで行っています。赤字は覚悟しています」

Q.雨の日に来場した人は、牧場内のどの場所で過ごすのでしょうか。

落合さん「バターやジャム作りなどの体験イベントに参加したり、牛舎での牛との触れ合いを楽しまれるお客さまが多いです」

Q.「雨の日割引」について、来場客からはどのような意見が上がっていますか。

落合さん「『雨が降っていなくても降水確率が出ていれば利用できるので、お得に入れてうれしい』といった内容の声を多く頂きます」

Q.「汗の日割引」の昨年の利用状況、来場客の反応は。

落合さん「2018年7、8月に関しては、合計で約600件の利用がありました。『雨の日割引』と同様、『お得に入れてうれしい』といった意見を多く頂きます」

「日本一暑い街」の百貨店では…

「日本一暑い街」として有名な埼玉県熊谷市にある「八木橋百貨店」では、「猛暑日サービス」を5月14日から実施しています。熊谷地方気象台が午後5時に発表する翌日の予想最高気温が35度以上だった場合、翌日に対象店舗でセールや商品のプレゼントを行います。このサービスは10月9日まで続けます。

 運営会社「八木橋」執行役員販売促進部長の宮地豊さんに聞きました。

Q.「猛暑日サービス」は何年から始めたのですか。狙いは。

宮地さん「2018年から始めました。猛暑日に、わざわざお越しいただくお客さまへの感謝の気持ちで始めた取り組みです。なお、2018年7月23日、熊谷市は国内最高気温となる41.1度を記録しました」

Q.今年は長雨、低温が続いています。猛暑時と比べ、集客に影響は出ているのでしょうか。

宮地さん「昨年は6月中に梅雨明けし、連日猛暑日だったため、夏のバーゲンよりも先に猛暑日サービスが始まりました。その結果、盛夏物である日傘、帽子などの売れ行きが好調でした。今年は当初、こうした盛夏物の売り上げは伸び悩んでいましたが、梅雨明けとともに売り上げを伸ばしています。特に今年は、埼玉県が日傘男子を推奨している関係で、男物の日傘が好調です」

Q.今後、「猛暑日サービス」の内容を変更する予定はありますか。

宮地さん「梅雨明け後はバーゲンを行っているため、特に変更の予定はありません。なお、『猛暑日サービス』はバーゲンセールと同時並行で行っています」

 東武百貨店池袋本店(東京都豊島区)でも、「真夏日サービス」と「猛暑日サービス」を7月18日から8月20日まで実施しています。気象庁が発表する東京地方の最高気温(午前8時時点)が30〜34度の場合は「真夏日サービス」、35度以上の場合は「猛暑日サービス」を行い、対象の売り場で商品を値引きしたり、一定金額以上の買い物をした顧客に対し、数量限定で物品の進呈などを行っています。

 同店の販売推進部販売促進企画課、宮地健太郎さんに聞きました。

Q. 池袋本店における「真夏日サービス」「猛暑日サービス」の対象売り場数は。

宮地さん「全館55の売り場で実施中です。昨年に比べ、6売り場増えました。商品の割引サービスや増量サービスのほか、サンプルプレゼントなどを行っています」

Q.両サービスを始めたのは、いつごろでしょうか。

宮地さん「全館で行うようになったのは2016年からで、今年で4年目です。2015年以前にも実施していた売り場はありましたが、限定的でした。

このサービスは『暑い日ほどお得な東武百貨店』と題し、暑い中ご来店して買い物してくださるお客さまに感謝の気持ちを伝え、東武で楽しいお買い物の時間を過ごしていただくことを目的としています。真夏の暑い時期は店への足が遠のく傾向にあり、全館的に売り上げが厳しくなります。暑い中ご来店いただき、お買い物をしていただいたお客さまに、お得感を感じていただき、笑顔になっていただきたいと取り組んでいます」

Q.7月は雨の日や涼しい日が多かったですが、サービスへの影響は。

宮地さん「7月18日の開始当日は気温が上がらず、サービスの対象日となりませんでした。スタートの盛り上がりに欠けた部分はありましたが、サービス実施のスケジュールなどに大きな影響はありません」

Q.「真夏日サービス」「猛暑日サービス」の利用状況は。

宮地さん「今年は8月7日現在、両サービス合わせて13日実施しております(『真夏日サービス』7回、『猛暑日サービス』6回)。特別、大きなサービスを実施しているわけではないため、目立った反応があるわけではありませんが、サービス内容に関して、お客さまにはおおむね好意的に受け入れられているようです。売り場のサービス以外では、サービス実施日の開店前に一部のお客さま用入口の前で配布している『うちわ』が好評で、1日に100本近くをお配りした日もありました」

Q.池袋本店以外で「真夏日サービス」「猛暑日サービス」を実施している店舗はありますか。

宮地さん「船橋店でも実施中です」