2020年1発目の文春砲には驚きましたね。3人の子どもに恵まれ、温かい家庭を築き、まるで朝ドラの世界が現実化したような、おしどり夫婦…そう思われていた東出昌大さんと杏さんが現在、離婚の危機だとは。報道によると、東出さんは共演していた当時、未成年だった女優に手を出したとのこと。

 現在、東出さんは家から閉め出され、別の部屋を借り、別居状態のようです。温かい家庭で美人の妻、双子の赤子が待っているのになぜと首をかしげたくなりますが、東出さんは最初、「別れる」と約束したので事なきを得たようですが、約束を守らず彼女と連絡を取り合っていたので再度、杏さんに見つかった模様。

 東出さんが、きちんと約束を守っていれば別居に至らなかったかもしれませんが、なぜ家庭を顧みることができなかったのでしょうか。時系列をたどると、東出さんの不倫が発覚したのは、杏さんが第3子を妊娠している最中。筆者は数々の離婚相談に乗ってきましたが、「妊娠中の不倫」は芸能人に限らず、一般人でも起こり得る悲劇。毎年、必ず数件は耳に入りますが十中八九、離婚するので、東出さん夫婦も心配です。

 最初から「妻以外の女」を口説かなければ、妻に見つかった時点で別れていれば、彼女から誘われても断り続けていれば、最悪の事態は防ぐことができそうですが、不倫とは「かっぱえびせん」のようなもの。一度始めたら歯止めがきかず、「やめられない、止まらない」のです。

 それは、当事者にとって不倫の“メリット”がデメリットを上回るからに他なりません。不倫の善悪ではなく「なぜ」の部分に焦点を当てなければ、今回のケースを理解することは難しいでしょう。

 まず、不倫のメリットを知るべく、筆者が経験者226人(男性46人、女性180人)に行ったアンケートを紹介しましょう。

 まず「不倫にいくらの価値があるか?」の問いに対して、全体回答の平均は4493万円 。ところが男女別で見ると、女性の平均は5339万円で、男性(1182万円)の5倍でした。特に印象的なのは、女性には「ゼロ円回答」(「付き合わなければよかった」「失うものが大きすぎた」…)がいなかったことです。

 次に「何に対してメリットを感じるか?」の問いですが、1位は男女ともに共通で「精神的メリット」。男性の23%が「仕事でいい結果が出る」「心の癒やし」「人生が充実する」、女性の12%が「10歳も若く見られる」「心の隙間を埋めてくれる」「気持ちが豊かになる」と答えており、そこに男女の違いは見いだせません。一方、女性の2位は恋愛的メリット(11%)、男性の2位は肉体的メリット(13%)と結果が分かれました。

 不倫に5339万円の価値を見いだしている女性ですが、主な回答は独身時代への回帰願望(「結婚しても、何歳になってもドキドキしたい、ときめきたい」「独身の頃のように恋愛したい」)と、快楽最大化への手段(「障害のある恋の方が刺激的」「夫では味わえない高揚感」)の2つです。精神的メリットは無限大のようで、「新しい命を得た気がします」という女性もいます。

 人の気持ちは目に見えないので理解に苦しむことが多いのですが、不倫も例外ではありません。なぜ、不倫は一度始めると底なし沼へ…途中で引き返すことができず、ドツボにハマってしまうのでしょうか。今度は不倫経験者の生の声を紹介しましょう。

結婚後、別れたはずの女性と再会し…

 まず、1人目は橋本拓也さん(36歳、既婚、老人保健施設の職員)。彼女は職場の同期入社で、一緒に研修をしたり、連絡事項を回したり、最初はあくまで「同期の一人」だったそうです。

「僕も彼女も車が趣味だということが分かると、『一緒に走りに行こう』『乗せてあげる』と誘われるようになりました」

 拓也さんはそう言いますが、即答で快諾したそうです。なぜなら、彼女は拓也さんよりグレードの高い車を持っていたから。それから、何度もツーリングに行っているうちに、そういう関係(肉体関係)になったとのこと。

「でも当時、僕には、別に付き合っている人がいました。そのことは彼女も知っていて、彼女との関係は『僕が結婚するまで』と約束していたのです」

 それから2年後、拓也さんは今の妻と結婚し、彼女とはきちんと別れたはず、でした。彼女も拓也さんのことを諦め、別の男性と付き合い始めたと聞いて安心していたのですが、突然、深夜に彼女からメールが届いたそうです。返事をしないでいると、さらに電話が鳴ったのです。彼女の話によると、新しい彼氏にストーカーまがいのことをされ、困っているとのこと。

「僕は嫁の目を盗んで、彼女のところに飛んで行ったのですが、彼女は明らかに体調が悪く、精神的に不安定で、このまま放っておけない感じでした」

 拓也さんはざんげしますが、彼女を抱き締めて結局、一晩を明かしてしまったそうです。それからというもの、彼女とは結婚する前の関係に逆戻りしてしまったのです。

「別に嫁に不満があるわけではありません。もちろん、彼女とは何度も別れようと思いましたが、彼女にとって僕が必要なのだから仕方ありません。嫁もそのことは分かってくれていると思います」と、拓也さんは苦しい胸の内を明かしてくれました。

 2人目は、病院に勤務する外科医の草木慎吾さん(36歳、既婚)です。彼女は同じ病院の看護師で、1年前から肉体関係が始まったそう。月1〜2回のペースです。慎吾さんにとっては単なる遊びでした。

「気持ちの結びつきはなかったと記憶しています。長女はちょうど1歳になるのですが、家内とは妊娠が分かってからというもの、セックスレスに陥りました。たまたま近くに、簡単に体の関係を持てそうな相手がいました。それが彼女です。彼女は僕に妻子がいることを知っているし、そんな関係がいつまでも続くとは思わず、本当に軽い気持ちでした」

 慎吾さんはそう振り返りますが先月、彼女の方から「そろそろ終わりにしてください」と別れを切り出してきたそうです。しかし、慎吾さんにはどうしても彼女と別れられない理由がありました。妻が次女を妊娠したのです。

「僕にだって罪悪感はあります。実は、家内は自分の病院で長女を出産しているのです。入院中、彼女が家内や娘の世話をしているわけですが、僕と彼女がそんな関係だと知ってしまったら…」

 慎吾さんは焦った様子でそう言いますが、性的欲求は抑えきれなかったというのが本音ではないでしょうか。今となっては「妻が悪いんだ」と無理やり気持ちを整理し、彼女と会っているそうです。

相手の気持ちが離れたのを感じた女性は…

 3人目は橘高朱里さん(大手電機メーカー勤務、25歳、未婚)。同じ会社の同じ部署にいる、妻子持ちの彼と付き合っているそうです。

「はじめのうちは奥さんにバレないよう、いろいろ気を使っていました。例えば、うちの会社は携帯を支給されているので、デートの約束は勤務時間内に携帯で取っていました。もちろん、奥さんは携帯の存在を知りません」

 朱里さんは彼との交際の息苦しさを口にしますが、制約付きの恋愛だったからでしょうか。しかし、付き合い始めから3カ月が過ぎる頃にはだんだんと関係がマンネリ化してきて、彼の気持ちが朱里さんから離れていくのを感じたのです。

「先週、彼がデートの約束に大幅に遅刻してきたので、私は彼を試すために会社の携帯ではなく、プライベートの携帯にメールを送ってみたんです。『25分も待っちゃった。先にビール飲んでもいい?』と」

 朱里さんは意地悪そうな顔で言いますが、『今日どこで会うんだっけ?』と返ってきたようです。彼は待ち合わせの場所を知っているはずなのに…朱里さんは直感で分かりました。奥さんが彼の携帯を使ってメールを返してきたのだと」

「このことを彼に話すと、彼は一瞬で真っ青になりました」

 朱里さんは喜々として話しますが、彼は思い知ったはずです。朱里さんを大事にしないとどうなるのかを。彼との恋愛はさまざまな制約がありますが、今ではそれも含めて楽しんでいるそうです。

 4人目は関内律子さん(32歳、未婚、看護師)。律子さんは7年間、同じ病院、同じ科の医師と付き合っているそうです。

「先生は尊敬できる医師の一人でした。でも、はじめは既婚の人と付き合うつもりなんて全くなかったし、こんなに長い間、関係が続くとは思っていませんでした」

 律子さんは当時の気持ちを言葉にしてくれましたが、24時間、緊迫した中で仕事をする日々で、共通の話題といってもだいたいは仕事の話だそうです。一日を振り返って「あれでよかったのか」「こうすればよかったのではないか」とお互いに愚痴をこぼしているうちに、恋愛感情が生まれたといいます。

 緊迫した空気から抜け出したときに、ホッとできる時間が欲しかったのです。少なくとも律子さんはそうでしたし、彼もきっと同じだと信じていました。

「先生にとって私は『彼女』なのか、それとも『愛人』なのか。先生の気持ちはよく分かりません。ただ、私は少なくとも先生の『彼女』だと思っています」

 律子さんは言葉を絞り出しますが、仕事の愚痴を嫌な顔せず聞いてくれるし、体力的、精神的につらいときは、いつも優しい言葉をかけてくれるので、彼は「心の支え」だったのです。

「もちろん、先生に奥さんがいる以上この関係を断ち切りたいと何度も考えました。でも、私だって一人の女性です。できることなら先生と結婚し、家庭を持ち、幸せになりたい。今まで貴重な時間を先生のために使ってきたのだから」

 律子さんは願望を込めますが、「奥さんと別れて一緒になってほしい」などと口にしたら彼が逃げていくことは分かっているので、怖くて言えないようです。

不倫によって“やけど”をしたケース

 次に不倫のデメリットですが、禁断の愛に熱くなりすぎると“やけど”をすることも。不倫は配偶者を傷つけるので法律上、損害賠償の対象です。墓場まで持っていければよいですが、最後まで隠し通せなかった場合、慰謝料を払わされるケースもあります。妻子ある身でも自由に恋愛したい、たまたま好きになった相手が人妻だっただけという言い訳は通用しません。

 例えば、香取敦さん(41歳)は妻が依頼した信用調査会社に尾行されていると気付かず、彼女とホテルに入る瞬間と、翌朝、ホテルから出てくる瞬間の写真を撮られていたそう。過去の判例(東京地裁、平成19年5月31日判決)によると、これらの写真は2人が部屋で性交渉に及んだ事実を証明するのに十分です。

 妻が彼女へ慰謝料を請求し、彼女は200万円の慰謝料を払わされたのですが、実際には敦さんが立て替えたようです。だからといって妻が離婚に応じたわけではなく、妻は一向に首を縦に振る気配はなく、今のところ200万円は無駄金に。

 お忍びデートは、自分たちの存在に気付かれないように注意するのが鉄則ですが、中井哲弘さん(29歳)は人妻に夢中になりすぎたようです。花火大会の会場で彼女の頬にキスをしたり、彼女の頭を肩にもたれかからせたり…見せびらかすような振る舞いのせいで、彼女の友人家族が一部始終を目撃していたのです。「どういう神経してるんだ!」と後日、彼女の夫から叱責され、150万円の慰謝料を支払うハメに。

 吉田純也さん(46歳)はすでに妻と別居中。一人暮らしの賃貸の駐車場に彼女の車がとまっていることを妻に感づかれ、ナンバープレートを写真に撮られたのでシラを切ることは難しかったようです。慰謝料なしで離婚するつもりが、彼女の存在を知られたせいで300万円の慰謝料を支払う結果に。

 岡田亮介さん(41歳)はスマートフォンを機種変更したとき、パソコンに残したバックアップを妻に見られてしまい、「大好きだよ。2人で頑張ろうね」「おうちで時間を気にせずゆっくり過ごしてみたい」という求愛のSMSメールが残っていることが発覚。妻に許しを請うために財形貯蓄の200万円を渡すことに。

 法務省の司法統計によると、夫婦が離婚する場合、結婚期間別の慰謝料の平均は以下の通りです。

1年未満  140万円
1〜5年   199万円
5〜10年  304万円
10〜15年  438万円
15〜20年  534万円
20年以上  699万円

 一方、不倫相手の慰謝料についての統計は存在しませんが、過去のケースでは100万〜200万円程度です。家庭に居場所がない夫が口説くことができる女性は、同じように家庭(実家)や職場に居場所がないタイプで、似た者同士が引かれ合う図式です。女性は仕事で目立った活躍をしているわけではなく、年収は決して高くないので慰謝料も低く抑えられます。

 ここまで、不倫のメリット/デメリットについて取り上げてきましたが、不倫をしている本人はメリットばかりに目が行きがちです。しかし、相応の代償を支払わなければならないので、本当にメリットがデメリットを上回るかどうかをきちんと考える必要があるでしょう。