買い置きしていた「野菜」「果物」が気付かぬうちに変色したり、変形していたりしたことのある人もいると思います。そんなとき、「まだ食べられるの?」「捨てるのはもったいない」などと考え、捨てるかどうか迷うこともあるのではないでしょうか。特に、今年は長雨や猛暑の影響で野菜の価格が高騰しているため、できるだけ食材を無駄にしたくないところです。

 野菜や果物を捨てるかどうか判断する際の目安について、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

においが発生したものはNG

Q.野菜や果物について、廃棄すべきか、まだ食べられるかを判断する基準はありますか。やはり、見た目やにおいで判断した方がいいのでしょうか。

関口さん「見た目やにおいは大きな目安になります。葉物野菜などで、水分が少なくなり、しんなりしている程度なら、『一定時間水に浸す』『50度洗い(50度の湯に1分から2分ほど浸す)』などで復活させたり、加熱調理で食べたりすることができます。

ぬめりや水が出ている▽表面にシワがよる▽溶けている▽変色している――といった状態のものは、変色や変形した部分を取り除けば食べることができます。ただし、変色や変形が広範囲に及んでいるのであれば、味がかなり落ちているため、廃棄した方が賢明です。においが発生している場合も、傷んでいるので、食べずに廃棄しましょう」

Q.ちなみに、芽が出たジャガイモやサツマイモは捨てた方がいいのでしょうか。また、やわらかくなりかけたキュウリや、中が薄黒く変色しかけているリンゴ、皮が真っ黒になったバナナはどうでしょうか。

関口さん「芽が出ているジャガイモやサツマイモは、芽が出た部分を取り除けば食べられます。ただし、イモ自体にしぼみがある場合はやめておきましょう。やわらかくなりかけたキュウリは水分量が少なくなっただけなので、塩もみなどでさらに水気を絞るとシャキシャキ感が戻ります。なお、押してつぶれるようであれば腐っています。

中が変色しかけたリンゴは酸化しているため、みずみずしさが失われ、食感や味も悪くなっているので、生で食べるのは避け、料理に使うことをおすすめします。例えば、カレーや煮込み料理の甘み付けに、すりおろしたものを加える方法です。

皮が黒く変色したバナナですが、冷蔵庫の低温障害による変色であれば、皮をむいても実はしっかりしているケースがほとんどです。皮をむいたときに、実が黒ずみ、ふにゃふにゃしていたら食べるのを控えましょう。多少黒ずんでいても、実がしっかりしており、中心がきれいな状態であれば、リンゴ同様に甘み付けとして料理に、あるいはバナナケーキに使うことができます」

Q.ちなみに、芽が出たタマネギは食べられるのでしょうか。それとも、廃棄した方がいいのでしょうか。

関口さん「タマネギは芽が出ていても食べられます。皮をむいたとき、実が白く、傷んでいなければ問題ありません。灰色に変色し、やわらかくなっている場合は、部分的に取り除けば調理に使うことができます。また、皮を多めにむき、白い部分が残っているようなら、白い部分は使っても構いません」

Q.キノコ類は腐りにくいイメージがありますが、食べるのを控えた方がよいケースはあるのでしょうか。

関口さん「キノコ類はしんなりするだけなら問題ありませんが、水っぽくなっている場合は傷んでいます。特に、シイタケは傷むと変色したり、変なにおいを発したりするので要注意です。また、エノキは見た目はそれほど変わりませんが、しんなりしていて、においが強い場合は、酸味が出るため食べられません」

Q.一般的に、野菜や果物は買ってから何日以内に食べるのが理想なのでしょうか。また、保存する際の適切な方法や注意点はありますか。

関口さん「葉物野菜やキュウリ、ナスなどは新聞紙で包むか、市販の保存袋に入れておけば、冷蔵庫の野菜室で1週間から2週間程度保存できます。キャベツやハクサイなどの大きな野菜は芯を残しておくと保存性がよくなります。

ニンジンは傷みにくい野菜なので、キッチンペーパーで包み、保存袋に入れれば、野菜室で1カ月は保存できます。タマネギやジャガイモは湿気の少ない冷暗所であれば、1カ月程度保存できますし、野菜室に入れれば、さらに長持ちします。

リンゴは新聞紙に包んで、ポリ袋に入れて、野菜室で2週間、バナナは常温でつるして保存します。皮に黒い点が出てきたら食べ頃です。皮にしっかり張りがあるうちに食べ切りましょう。キノコは買ってきたら、3日以内に消費した方がよいですが、可食部だけを切って保存袋に入れておけば、冷凍で1カ月保存できます」