10月、11月は秋のブライダルシーズン。友人や会社の同僚から結婚式の「招待状」が届き、返信をした人もいるのではないでしょうか。この招待状の返信ですが、出欠の明記の他にメッセージを書く項目があるものもあります。そのメッセージを書くときには注意点があり、「句読点を入れずにメッセージを書くことがマナー」とされているそうです。句読点がなければ、文章が読みにくくなることもあると思いますが、なぜ、招待状の返信のメッセージで句読点を入れてはいけないのでしょうか。

 メモリード東京(東京都世田谷区)でウエディングプランナーを務める牛窪優希さんに聞きました。

「ご出席」の「ご」を「寿」で消す

Q.なぜ、結婚式招待状の返信のメッセージで句読点を入れてはいけないのでしょうか。

牛窪さん「結婚式招待状の返信のメッセージには、句読点を入れずにメッセージを書くことが基本です。『祝いごとに終止符はない』という考えがあるのと、『、』『。』は『切れる』『終わる』を連想させるからです。ご結婚は両家の結びつきですので、『終わる』『切れる』を連想させるような句読点は使わないのがマナーです。確かに、句読点をつけないと文章が読みづらいと思われるでしょうが、その場合は『、』の部分には空白、『。』の部分では改行をそれぞれ使用します」

Q.もし、このマナーを知らずに句読点を入れてメッセージを書いてしまったことを投函(とうかん)直前に気付いた場合、どうすればよいのでしょうか。

牛窪さん「句読点を使ってメッセージを書いてしまい、投函直前に気付いた場合はやむを得ませんがそのまま投函しましょう。事前に知っていれば、句読点を使わない方がいいという程度の意識でよいと思います。また、新郎新婦が招待状を自分たちで準備・作成する際は、担当プランナーに事前に校正・確認を依頼されることをおすすめします」

Q.結婚式は慶事とはいえ、「句読点をつけてはいけない」といったレベルまでマナーにこだわる必要はあるのでしょうか。それとも、慶事だからこそこうしたマナーにこだわるべきなのでしょうか。

牛窪さん「今はそれほどこだわることは少なくなりましたが、ご結婚式はお祝いごとなので、忌み言葉や縁起の悪いことを連想するようなものはできるだけ避けた方がよろしいかと思います。ただ、新郎新婦の家族によっては、それぞれのしきたりやルールがある場合やそれほど忌み言葉、縁起の悪いことにこだわらないお二人ももちろんいらっしゃいます。どこまでこだわるかは、新郎新婦やそのご家族の考え次第になります」

Q.句読点を入れずにメッセージを書くとき、読みにくくならないためのコツを教えてください。

牛窪さん「先述しましたが『、』は空白、『。』は改行を使用してください。そして、一つの文章をできるだけ短くすることも読みやすくするポイントです。また、招待者が招待状の返信に『ご出席・ご欠席』のどちらかに丸をつけて投函するかと思います。『ご』に二重線を引く人が多いのですが、『ご』の上から『寿』の文字で消す方がより、新郎新婦へのお祝いの気持ちが伝わります。これを『寿消し(ことぶきけし)』と呼び、句読点と同様に、知っていればやった方がいいマナーの一つになります」

Q.「寿消し」の由来を教えてください。

牛窪さん「『書道家のしゃれから始まった』などさまざまな説があります」

Q.「ご出席・ご欠席」の「ご」を「寿」で消すとのことですが、では、「ご住所」の「ご」、「ご芳名」の「ご芳」も「寿」で消すのでしょうか。

牛窪さん「そのようにするのも一つの方法です。ただ、全ての『ご』の上から『寿』で消してしまうと見づらく、文字量が多く感じられる場合もあると思います。その際は、二重線と寿消しを併用することもマナーとしては問題ありません。なお、名前に『寿』がある人は『様』を二重線で消します。

今の結婚式の形は多種多様です。招待状をメールで出す新郎新婦もいらっしゃいます。句読点などの表記の仕方、マナーももちろん大切ではありますが、一番大事なことは、新郎新婦へのお祝いの気持ちが文面から伝わることだと思います」