店舗で配布されるレジ袋が7月から有料化されるなど、国内では、プラスチックごみの削減に向けた取り組みが強化されています。そんな中、以前から、厄介なごみとして捉えられてきたのが「ペットボトル」ですが、実はそのリサイクル率は高く、リサイクルの啓発に取り組むPETボトルリサイクル推進協議会によると、2018年度の国内における回収率は91.5%、リサイクル率は84.6%に達しています。

 ところで、ペットボトルは家庭で再利用できるのでしょうか。また、ペットボトルをリサイクルする上で課題はあるのでしょうか。ペットボトル入りの飲料を多数販売しているサントリーホールディングス(東京都港区)の広報担当者に聞きました。

衛生面や耐久性の問題

Q.災害現場では、ペットボトルを給水ボトル代わりに使用することもあります。ペットボトルは家庭で再利用してもいいのでしょうか。

担当者「ペットボトルは1回きりの使用を目的として設計しています。また、ペットボトルに使われる『PET(ポリエチレンテレフタレート)』という素材は熱に弱く、熱消毒ができないため、衛生面や耐久性の問題から、再利用はおすすめしておりません」

Q.近年、ペットボトル入りワインが販売されていますが、ビン入りワインと比べて保存性は高いのでしょうか。

担当者「ビンとほぼ同程度の保存性があります。また、ペットボトルはビンに比べ、『軽くて割れにくい』『容器製造時と製品配送時の二酸化炭素の排出量が削減できる』というメリットがあります」

Q.封を開けたペットボトル飲料は何日程度、保存できるのでしょうか。また、封を開けた後に常温保存しても問題ないのでしょうか。

担当者「開栓すると中身が空気に触れることによって、雑菌などが入ります。栓をしっかり閉めた上で冷蔵庫で保管し、2日から3日を目安に、できるだけ早くお飲みください。ペットボトルに口を付けて飲んだ場合は、当日中に飲み切ってください。なお、糖分を含む飲料は開栓後、時間が経過すると、中身が発酵して容器が膨らみ、キャップが飛んだり、容器が破損したりする恐れがあるためご注意ください」

Q.ところで、ペットボトルはどのようにリサイクルされるのでしょうか。

担当者「家庭や商業施設などから集められたペットボトルは各市町村でベール(ペットボトルを圧縮し塊にしたもの)にされた後、リサイクル工場へと送られます。リサイクル工場ではベールをほぐし、破砕、比重分離(ペットとプラスチックを分ける作業)、アルカリ洗浄などの工程を経て、最終的に『フレーク』と呼ばれる約8ミリ四方の小片に分解されます。その後、フレークは卵パックや繊維製品の製造に使われたり、再びペットボトルの原料になったりします」

Q.ペットボトルのリサイクルに関する現状の課題はありますか。

担当者「自動販売機横に設置しているボックスにペットボトルや缶以外のごみが入れられてしまうことです。このボックスはごみ箱ではなく、ペットボトルと缶のリサイクルボックスです。

一般社団法人全国清涼飲料連合会(東京都千代田区)がリサイクルボックスに関する意識調査を9月に実施したところ、『普段、街中でペットボトルや缶以外のごみが出た場合、どこに捨てることが多い?』との問いに対し、最も多い回答は『自動販売機の横にあるボックス』(52.9%)でした。また、『自動販売機の横にあるボックスはごみ箱ではなく、飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知っていたか』との問いに対し、42.4%が『知らなかった』と回答しています。

このほか、飲み残しの入ったペットボトルや、たばこの吸い殻などの異物が入ったペットボトルがリサイクルボックスに投げ込まれるケースも多いです。この場合、人の手で異物や液体を取り除かなければならず、手間がかかります。特に、ペットボトルに液体が入っている場合は、ガソリンや薬品などの危険物の可能性があるため、埋めたり、燃やしたりして処理することもあります。ペットボトルは必ず空にしてから、リサイクルボックスに入れてください」