お見合いや婚活アプリで出会った異性と交際に入ったとき、その交際がうまくいくか否かは何にかかっていると思いますか? もちろん、2人の相性は言うまでもないことですが、着実に結婚を決めたいと思うなら、「このくらいの期間で決着をつけよう」とスケジュールを立てることが大切です。

 仲人の経験則から申し上げますと、その期間は「平均100日」がふさわしいと思います。

なぜ期間を決めないといけないのか

 生活圏内での出会いだと、どんな仕事をしているか、年収はいくらか、現在どこに住んでいるか、どのような家族構成か、初婚か再婚かなどの情報は、お付き合いを重ねながら知っていきます。しかし、お見合いなどの出会いではプロフィルが提示されているので、それらは既に分かっています。お相手の条件を知る時間がショートカットされるのです。

 お会いして擦り合わせていくのは、お互いの気持ち。人柄が分かって、「このお相手とは結婚してもいいな」と思うようになったら、結婚後の住まいや仕事、お金の管理など具体的なことを話していきます。だから、出会いから結婚までは100日あれば十分なのです。そのスケジュールの立て方は、拙著「100日で結婚」(星海社)にも記してあるので、よろしかったらご一読ください。

結婚を言い出さない恋人との未来は?

 さて、こんな人たちが入会面談に来ることがあります。

 晴江さん(39歳、仮名)には、4年付き合っていた4つ下の恋人がいました。

「週末はお互いの家に泊まり合うなどして、半同棲(どうせい)のような付き合いをしていました。毎年、私の誕生日に1つ年を取ると“結婚”が頭をかすめていたのですが、年上ということもあって、自分からは結婚のことを言い出せずにいました。

でも、40という年齢が見えてきて、さすがにこれ以上は待てないと思い、39歳の誕生日に、私の家に誕生日ケーキを持って遊びに来た彼に聞いたんです。『私、今日で39歳。来年は40の大台に乗ってしまう。できれば、最後のチャンスに子どもも欲しいの。私と結婚する気持ちはある?』」

 すると彼は無言になり、「ちょっと時間をくれないかな」と言って、バースデーケーキをテーブルの上に置くと、そのまま帰ってしまったそうです。

 そして、3日後にLINEが来ました。

「今まで、晴江に甘え過ぎていた。ずっとこのままでいいわけないよな。ただ、俺は仕事も不安定だし、今は結婚を考えられない。もし、結婚して子どもが欲しいなら、相手は俺じゃないと思う」

 このケースのように、結婚を言い出さない恋人と何年も付き合っていて、結婚を言い出した途端にフラれてしまうというケースは、とても多いのです。

 結婚は「決断」です。今、結婚を決断できない人は、1年たっても2年たっても、結婚を決断することはありません。

 結婚を言い出さない恋人に内緒で、婚活を始める人もいます。しかし、そういう人は、婚活がうまくいかないと、結婚を言い出さない恋人のところに戻っていきます。不倫もしかり。よそに目を向けながらも帰る場所があるので、寂しくないのです。

 結婚に一番遠いところにいるのは、恋人がいない人ではありません。結婚を言い出さない恋人と付き合っている人なのです。

結婚の時期を延ばす相手との未来は?

 では、お見合いなどの婚活シーンではどうでしょうか。婚活をしている人たちの最終目的は「結婚」です。

 結婚相談所でのお見合いの場合、「仮交際」と「真剣交際」の区分があります。仮交際の期間はいわば「お人柄を見る期間」なので、何人とお付き合いをしていてもいいですし、他のお見合いをしても構いません。その中から、「この人となら結婚に向かえる」と思ったら、真剣交際に入ります。そのときは、他の人にはお断りをして、1人の人と結婚に向けて真剣に向き合うのです。

 友美さん(27歳、仮名)は泰彦さん(33歳、仮名)とお見合い後、仮交際に入り、2カ月が過ぎました。友美さんは、仕事に前向きでリーダーシップのある泰彦さんを、お付き合いを重ねていくうちにどんどん好きになり、真剣交際に進みたいと思うようになりました。

 そのことを、あるデートのときにさり気なく伝えると、泰彦さんは言いました。

「仮交際とか真剣交際とか、そんな言葉があること自体、おかしいんじゃないかな。人の気持ちって、そういう言葉でくくれないものだと思う。お互いに結婚する気持ちが固まったら、それでいいんじゃない?」

 そう言われてしまうと返す言葉もなく、これまで通りのお付き合いを続けていくうちに結婚へ進めればいいと、友美さんは自分を納得させました。

 ところが、そこから1カ月後に、泰彦さんの相談室から「交際終了」が来たのです。

 泰彦さんに、友美さんと結婚したい気持ちがあったら、「真剣交際」という言葉を持ち出された時点で、それに応じたでしょう。応じることに迷いがあったから、「人の気持ちを言葉でくくるのはおかしい」と言って、真剣交際に進むのをうまくかわしたのではないでしょうか。

結婚を引き延ばすのは、相手の本気度を試している?

 こんなケースもありました。

 正道さん(42歳、仮名)は由恵さん(33歳、仮名)と真剣交際に入って、3カ月がたちました。

 結婚相談所では、「3カ月たったときにお互いの気持ちを確認する」という規約があります。一方が「結婚したい」と思っているのに、もう一方が「もう少し考えたい」と思っていて、ズルズルとお付き合いの期間を延ばし、半年後、1年後に「やっぱり結婚できません」となったら、待たされた方の時間が無駄になってしまうからです。

 そのため、3カ月でどちらかが決断できない場合は、いったん交際終了とします。ただし、3カ月たってお互いの意思確認をしたときに、「もう少しお付き合いしよう」ということで同意するなら、お付き合いを継続しても構いません。

 正道さんは由恵さんに、「結婚する時期についてどう思っている?」と聞いても、「今はコロナ禍だし」と答えを濁され、「コロナが終息しないと、仕事もいつ辞められるか分からないから」とコロナを理由に、核心をつく答えがもらえずにいました。

 既に父親を亡くしていた正道さんは、父親のように慕っていた叔父さんに、由恵さんのことを相談しました。

「結婚の話をすると、どうもはっきりした答えがもらえなくて、コロナを理由にはぐらかされてしまうんだ」

 すると、叔父さんは言いました。

「それはきっと、おまえのことを試しているんだよ。それが女心だな。どれだけ本気で結婚したいか、答えをはぐらかして探っているんじゃないか」

 この言葉を信じた正道さんは、婚約指輪を買って、サプライズでプロポーズすることにしました。ダイヤの指輪は高額です。それを買うことで「本気だ」ということが伝わる。そして、それを受け取ってくれたら「結婚を承諾した」ということになる――。

 正道さんは、女性に人気のジュエリーショップで、1粒ダイヤの指輪を購入しました。その後、夜景がきれいに見えるレストランを探して、サプライズプロポーズの準備を整えたのです。

 由恵さんに、「大切な話があるから、イタリアンレストランの○○を予約しようと思っています。いつなら空いていますか?」とLINEを入れました。それを読んで、由恵さんは「プロポーズをされるのではないか」と悟ったのでしょう。

 LINEの返事が来ないまま3日がたち、彼女の相談所から「交際終了」の連絡が来ました。

時代錯誤の「嫌よ嫌よも好きのうち」

「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉があります。これが通用したのは昔のこと。女性が恋愛に積極的になったり、自分から気持ちを伝えたりするのは、はしたない。そんな風潮があった頃の話です。

 これだけ男女平等が唱えられ、女性の社会進出が当たり前になった時代に、「嫌よ嫌よも好きのうち」で女性の心を読もうとするのは、時代錯誤です。

 結婚の話をはぐらかしているのは、相手を試しているのではなく、結婚を迷っているから。そして、先述しましたが、結婚は「決断」なのです。今、迷っているのに数カ月後、1年後に迷いが消えることは、ほぼありません。

 そうしたことを考えると、お見合い後に「このお相手はいいな」と思ったら、期間を決めて、結婚までの道のりをつくっていくことが大事なのです。