5月は54歳の男性と37歳の女性が成婚、6月は49歳の男性と32歳の女性が成婚しました。この2つのカップルの年齢差はともに17歳です。

 この2人の男性には「結婚をして子どもを授かりたい」という思いがありました。この年代でそれを望む婚活は非常に難しいです。そんな中で、なぜ、彼らは成婚することができたのでしょうか。そこには共通する行動パターンがあったのです。今回はそれを一緒に見ていきましょう。

アラフィフや60代で「子どもが欲しい」と願う男たち

 40代後半、50代、60代になって婚活を始める男性の中には「子どもが欲しい」と思っていらっしゃる人がとても多いのです。そうなると、お相手の女性の年齢が20代、30代、40代前半となってきます。しかし、ターゲット年齢の女性たちの反応はとても厳しいものばかりです。

「1回りも上の人からお申し込みが来ても、そんなおじさんとは結婚できませんよ。ましてや、父親の年齢ほど離れていたら、もう、男性として見ることができないです」

「芸能人でもあるまいし、親子ほど年の離れた女性と結婚するのはしょせん無理だと分からないんですかね」

「いい年して、どうして、『子どもが欲しい』なんて思うのかしら。子どもが大人になるまでにかかる生活費や教育費を一体どう考えているのでしょうか」

 こうした類いの辛辣(しんらつ)なことを言います。手厳しいことを言うのは30代半ばやアラフォーの女性が多く、彼女たちも「子どもを授かりたい」と思っているのです。そして、子育てを考えたときに「父親になる男性にはなるべく長い年月働いていてほしい」という気持ちがありますから、「できるだけ年の近い男性と結婚したい」と考えているのです。

 そうなると、男性側と女性側の希望するベクトルがきれいにすれ違ってしまいます。お見合いを成立させることが難しくなるのです。そんな状況下で、なぜ、54歳男性と49歳男性は17歳差の「年の差婚」を成し遂げることができたのでしょうか。

苦難の9カ月間の末に、やっと出会った本命

 まずは54歳の太田智昭さん(仮名)のケースを見ていきましょう。彼は自営業者であり、仕事が大成功していて、年収も1500万円以上、億を超える貯金と不動産がありました。持ち合わせている条件は大変素晴らしいのですが、こうしたタイプの男性は「お金があれば結婚できる」と安易に考えているようなところがあります。

 智昭さんは婚活をスタートさせた当初はやる気満々でした。まずは30代のきれいな女性にばかり30人、お申し込みをかけました。ところが、30代前半の女性からは一つも承認が来ませんでした。38歳と39歳の女性からは受諾されたのですが、お見合いをしてみると、結果は女性からのお断りでした。

 そこで初めて、婚活における自分の立ち位置を知ったのです。智明さんと面談をしたときに、彼が私にポツリと言いました。

「僕は結婚を甘く考えていたなあ」

 そこからはターゲット年齢を42歳くらいまでに広げ、どんどんお申し込みをかけていきました。ところが、お見合いはできるものの苦戦続きでした。あるとき、42歳の女性とお見合いからお付き合いに入ったのですが、智明さんからこんな相談が来ました。

「初デートの約束をするときに、ランチにお誘いしたんですね。そうしたら、『行きたいお店がある』とリクエストされたんです。電話を切った後に、そのお店をネットで調べたら、ランチが1万2000円するフレンチレストランでした。そこで食事をすることはいっこうに構わないのですが、ランチ代を払うのが男性だと分かっていて、初デートでそのお店を指定するってどうなんでしょうか。これでは先が思いやられますよね」

 そして、初デートをした後の感想がこうでした。

「食事をしながらの会話も、僕のことを聞くというよりも、出てくる料理に目を輝かせて、使われている食材とか味付けの話ばかり。僕とデートしたかったというよりも、そこの高級フレンチを食べたかったんじゃないかなあ」

 そのデートの後、智昭さんは女性に「交際終了」を出しました。その後もお見合いを続けていきましたが、なかなか、結婚を考える女性には巡り合えませんでした。

「今日の女性はお見合いのときに、僕と全く目を合わせませんでした。人の目を見て話ができない人のようです」(女性は41歳)

「ピアノの先生をしているようで、結婚するなら防音付きのグランドピアノが置ける部屋のある家に住みたいと言っていました。しかも、住むのは戸建て、都内限定だそうです。僕なら、都内に一戸建ての家を買ってくれると思ったようです」(女性は42歳)

「今回の女性はすごくお酒が好きで、デートのときに昼間から、お酒を注文するんですよ。夜に電話をすると、お酒を飲みながら会話しています。あんなにお酒ばかり飲んでいて、本当に子どもを授かる気があるのかなあ」(女性は39歳)

 こうした苦難の活動を続けて、9カ月がたちました。そして巡り合ったのが、今回成婚をした37歳の小川里子さん(仮名)でした。里子さんは何と、相談所で4年間活動をしていたそうです。お見合いを終えたときに智昭さんが言いました。

「今日の女性は今までの中で一番よかった。とにかく話が合いました。『波長が合うというのはこういうことなのか』と思いましたよ」

 また、里子さんも同じようなことを言いました。

「これまでお見合いしてきた中で、一番楽しくお話ができました。打てば響くというか、話題も豊富な人でした。年齢差も全く感じなかった。これまでは、お見合いして、お話をしたときに、何か気になることや気持ちを止めてしまうものを感じていたんですが、彼には何の疑問点も湧かなかった」

 こうして、2人はお見合いから交際に入り、1週間に2回のペースでデートをして、たったの1カ月間で結婚を決めてしまいました。

年齢差を飛び越えて、彼の優しさが伝わった

 一方、49歳の吉村恭一さん(仮名)のケース。彼は私の相談所で2年半、婚活をしていました。会社経営者であり、所有アパートの不動産収入もあり、貯金もありました。経済的基盤がしっかりしているという面では、先述の智昭さんと同じでした。ただ、住んでいるのが観光で有名な島で、結婚をしたら、女性はそこに嫁ぐことになります。それが彼の婚活を難しくさせていました。

 一度、結婚が決まりかけた女性(39歳)がいました。ところが、真剣交際に入り、いよいよ結婚が見えてきたときに、彼女から「交際終了」が来たのです。その理由がこうでした。

「親や友人たちと別れて、そちらに嫁ぐ決心がつきません。すぐには帰ってこられない距離の所で生活することを考えると気持ちが前に進まない。交際は終了させてください」

 生まれてから40年近く生活してきた土地を離れて、島に嫁ぐことは大きな不安につながったのでしょう。

 また、恭一さんはお子さんのいる女性(41歳)とお付き合いしていたこともあったのですが、結婚の話を具体的にし始めたら、こんな提案をされました。

「結婚をしてもいいけれど、私は今の場所に住んでいたい。あなたは会社を経営しているから、地元を離れることはできませんよね。別居婚をして、私と子どもに生活費を毎月30万円頂けませんか。その代わり、私があなたの子どもを産んで、ここで育てますよ」

 41歳の女性との間に子どもを授かれるかどうかは確証がありません。仮にわが子を授かれたとしても、別居婚。あまりにもむちゃくちゃな要求に、恭一さんから、「交際終了」を出しました。

 その他にも、都内在住の43歳の女性とお付き合いをしていたときには、2回目のデートで高級天ぷら店を彼女から指定され、食事代で5万円を散財。39歳の女性には高級美顔器をねだられました。そうした女性たちに共通していたのは、結婚の具体的な話を恭一さんがしだすとスルリとかわし、揚げ句の果てに「交際終了」を出してくること。2年半の婚活はただただお金だけ使って、結果は散々でした。

 ところが、ようやく運命の女性に出会うことができたのです。それが吉田晴美さん(32歳、仮名)でした。晴美さんは何と、同じ島に住んでいる女性。出会って3回目のデートを終えたときに、彼女から告白されたのです。

「私がこれからの未来を考えたときに、一緒にいたいなと思うのは恭一さんです。お話をしていると心から安心できるし、とても信頼しています。恭一さんも同じ気持ちでいてくださるとうれしいです」

 晴美さんは生まれ育った家庭が複雑でした。父が家族に暴言を吐き、暴力を振るい、母は心を病んで、治療のための施設に入っていました。きょうだいも父に似て、暴力こそ振るいませんでしたが暴言を吐く…家族がバラバラだったのです。

 そんな晴美さんには、恭一さんの優しさが心に染みたのでしょう。17歳という年齢差はありましたが、そんなことは飛び越えて恭一さんを心から信頼し、好きになったのです。

諦めずに出会い続けた人が結婚できる

 今回の2つの「年の差婚」に共通していたのは、男性の経済的基盤がしっかりしていたことでしょう。もし、結婚後に子どもを授かっても、お金に困ることはなく、子育てをしていける年収と蓄えが男性にはありました。

 しかし、お金があっただけでは女性の気持ちは手に入れられませんし、結婚もできません。では、どうしたら結婚できるか。これは諦めずに、自分を受け入れてくれる人、好きになってくれる人、会話や気持ちの波長が合う人に出会い続けるしかないのです。出会い続けていくうちに、このお二人のような年の差があっても、男性を好きになってくれる女性に出会うことがあるのです。

 100人を見つけるのではなく、たった一人を見つければよいのが結婚です。その一人に出会うためには、どんどん申し込みをかけて、お見合いをしていくこと。お見合いで断られても、お付き合いに入ってから断られても決してくじけずに、諦めずに、お見合いをし続けていく。これが大事なのです。

 漫画「スラムダンク」に登場する安西先生の名言を、ご存じですか。

「諦めたら、そこで試合終了ですよ」

 婚活はまさに、この一言に尽きるのです。

 ご自身の結婚ですから、他人が何を言おうと、条件を緩くすることはできないでしょう。「妥協するくらいなら結婚したくない」という人がいますが、それなら結婚しなくてもよいのです。なぜなら、現代は、結婚をしていないと社会的に一人前として認められない風潮のあった昭和の時代とは明らかに違ってきているから。結婚するかしないかは個人が選択する時代なのです。ですから、「妥協せず、理想の結婚相手を見つけたい」と思うのなら、厳しいと分かっていても、やり続けることです。

 ただし、上から目線で選ぶ気満々になると婚活は失敗します。真摯(しんし)に、謙虚な気持ちで、お会いした人と対峙(たいじ)することも忘れてはいけません。