10月7日、東京都と埼玉県で最大震度5強を観測する地震が発生しました。今後もいつ、大きな地震が起きるか分かりませんし、10月は台風などによる大雨被害に遭う可能性もあり、防災用品の準備や最寄りの避難場所の確認など、日頃から、災害に対する危機意識を高めておく必要があります。

 そんな中、気になるのが、コロナ禍での避難所の対応状況です。災害時に多くの人が避難所に集まると、集団感染の危険性もあります。特に、新型コロナウイルスに感染して自宅療養している人や濃厚接触者は「災害発生時に避難所に行っていいのか」と判断に迷うかもしれません。

 災害時、避難所ではどのような感染防止対策が行われるのでしょうか。また、在宅避難が困難な場合、自宅療養者や濃厚接触者も避難所に行ってよいのでしょうか。東京23区で最も人口が多い世田谷区の危機管理部災害対策課に聞きました。

まずは自宅待機などの検討を

Q.災害が発生した場合、コロナ禍でも、自分の身を守るためには避難所に行くのが望ましいのでしょうか。それとも、避難所以外への避難や自宅待機も検討した方がよいのでしょうか。

担当者「震災時、風水害時ともに1つの避難所当たりの収容人数に限りがあります。そのため、区では、新型コロナウイルスの感染防止を図るため、まずは『在宅避難』や『縁故避難(被災していない家族や親戚、知人の家に避難すること)』『自主避難(被災していない宿泊施設を自分で確保して避難すること)』といった『分散避難(避難所以外の安全な場所に避難すること)』を検討するよう、防災冊子などの啓発物で周知を図っています。

また、風水害時においては、ハザードマップなどで自宅付近の浸水や土砂災害の危険性の有無を確認し、浸水や土砂災害の恐れがない場合は自宅など屋内で待機するよう、啓発物を通じて呼び掛けています。啓発物は区のホームページで閲覧できるほか、区役所の災害対策課や各総合支所の地域振興課などで配布しています」

Q.災害に備え、区が指定している避難所の数は。

担当者「世田谷区では震災時の避難所として、区立小・中学校など92カ所を指定避難所に、風水害時の避難所として、浸水想定区域外の区立小・中学校や区民会館など32カ所を水害時避難所に指定しています」

Q.新型コロナウイルスの集団感染を防止するために、避難所ではどのような取り組みを行うのでしょうか。

担当者「東京都の『避難所における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン(避難所運営マニュアル)』に基づき、発熱者専用スペースを確保するとともに、そうした人たちの動線も一般の避難者と分けることにしています。

区民が避難所に滞在している間はゾーニング(区分け)や動線確保を徹底するとともに、人との間隔を空け、避難者同士が向かい合わずに同一の方向を向いて座ること、マスクの着用、小まめな手洗い、手指の消毒などをお願いすることにしています。また、以前から、震災時には避難者の状況に応じて、都立高校や区内の大学などに予備避難所を開設することにしており、これらを有効活用していくことも想定しています」

Q.避難所の出入り口やトイレなどで、消毒液を設置する予定はあるのでしょうか。それとも、避難時に各自が持参すべきなのでしょうか。

担当者「避難所では感染症対策物資として、手指消毒用アルコールのほか、マスクや石けん、体温計などを配備しますが、区民に対しては、避難時に衛生用品(マスク、消毒液、体温計)を持参するよう呼び掛けています」

Q.災害が発生した場合、新型コロナウイルスに感染して自宅療養している人や濃厚接触者に対して、世田谷区はどのような情報を発信する予定なのでしょうか。また、在宅が困難な場合、自宅療養者や濃厚接触者が避難所に行ってもいいのでしょうか。

担当者「風水害時には、浸水想定区域などにお住まいの自宅療養者・健康観察者(濃厚接触者)に対して、専用の避難施設に避難するよう、事前に区から案内します。震災時には各避難所において、自宅療養者のスペースを確保するなどの対応をとることにしています。また、避難所に行くことだけが避難ではないので、先述のように、分散避難を検討するよう、周知を図ります」

Q.もし、避難所内で新型コロナウイルスの集団感染が発生した場合、どのように対処するのでしょうか。

担当者「避難所内で集団感染が発生した場合、感染者については早急に病院や宿泊施設に搬送するよう、調整します。また、避難者の健康状態を把握するとともに、濃厚接触者の特定を行い、専用スペースへの分離などを行います」