企業で働く人の健康管理を受託しているドクタートラスト(東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス禍2年目となる2021年度の従業員のストレス度合いについて「身体的な業務負担を感じている割合が増えた」などとする「ストレスチェックデータ」の分析結果を公表した。

 2021年度にストレスチェックサービスを利用した受検者のうち、約32万人の結果を分析し、2020年度(約24万人)、2019年度(約20万人)のデータと比較した。設問は80項目。

 ストレスの自覚症状が高い、自覚症状が一定程度ありストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪いとされた「高ストレス者」は、2021年度は15.0%で、2020年度の14.1%からやや増加した。

 身体的負担度を聞く項目では「不良(好ましくない)」が2019年度29.5%、2020年度31.1%から2021年度は34.2%と増加。「特に悪化したのは製造業。工場の製造停止や物流停滞、テレワーク増加でデジタル機器の需要が高まったことや、半導体不足に陥ったことによる業務量増加が要因と考えられる」と分析している。

 一方、「良好傾向」にある項目では「職場のハラスメント」を挙げた。「コロナ禍で在宅勤務を始めた企業も多く、職場の人と直接対話する機会が減ったことが理由の一つ」と指摘。在宅勤務解除後に、ハラスメント被害が増える可能性があるが「2022年4月からパワハラ防止法が義務化されたことから、大きく不良傾向に転ぶ可能性は少ない」とみている。

 2021年度の結果の中で、前年度よりも差が大きく変化した項目は、「悪化」が①疲労感(「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」)②身体的負担度③仕事のことを考えているため自分の生活を充実させられないなどワーク・セルフ・バランス(ネガティブ)―との特徴があった。

 「良くなった面」は①安定報酬(仕事が安定していて、職を失う心配がないと感じる)②キャリア形成(人事方針や目標が明確にされ、教育・訓練が十分に提供されている)―という傾向がみられた。

 ドクタートラストは、今回の調査結果について「ストレスチェックの結果は、個々の従業員や職場の現在のメンタルヘルス傾向を知るうえで、非常に重要なデータ。結果に変化がある場合は、原因を検討するとともに、職場環境改善に生かしてほしい」とコメントしている。