夏の暑さで甘いものから遠ざかっていた、というスイーツ好きの、本領発揮の季節がようやくやってきた。秋のスタートにふさわしいのは、やはりモンブラン。毎年恒例のホテルニューオータニ、SATSUKIのスーパーモンブランを食べに行ってきた。元祖くず餅「船橋屋」とコラボし、和の食感が隠れた秋の味だ。

 船橋屋といえば、和菓子唯一の発酵食品、くず餅で知られる老舗。その小麦澱粉(でんぷん)の発酵に使う「くず餅乳酸菌」は、船橋屋の創業当時から生き抜いてきた植物乳酸菌だ。これに豆乳を合わせた「豆乳葛(くず)」が、モンブランの中に入っているのが特徴だ。

 例年同様、黒のプレートに鎮座した栗色の球体は、秋のスイーツ始めにふさわしい、通常の3倍の大きさ。ナイフを入れて断面を見ると、みっしりと絞られた国産和栗のマロンペーストが! とりあえずこれ1個でランチになるかも、な満足感が得られる。この和栗のペーストは、モンブランの王者、フランス・アンジェリーナの濃厚なマロンクリームとは異なる控えめな甘さ。このボリュームのモンブランを最後まで楽しむには、必須の柔らかな甘さだ。

 マロンペーストの下には、アーモンドミルククリームにくるまれた熊本産和栗の甘露煮。その下が、船橋屋のくず餅乳酸菌入り豆乳葛だ。食べ進めた先にあるのが、メレンゲではなく、豆乳くずや豆乳のホワイトガナッシュ。その下は黒蜜あんこ、そして青ヶ島産「ひんぎゃの塩」をアクセントに、最下層は再びくず餅乳酸菌入りのリンツァー生地で、引き算の甘さが楽しめる。

 そうは言っても、このボリュームでモンブランを堪能すれば、やはりその甘さのパワーにコーヒーや紅茶は必須。ランチの代わりに栗のお菓子、そして食後のお茶。食べ過ぎたかな、と思ったら、帰りがけにオータニ(東京)の庭散策を。加藤清正公の下屋敷や井伊家の庭園だった約4万㎡の広大な日本庭園は、東京名園の一つでもあり、季節の変化を楽しむ午後を過ごすことができる。

 スーパーモンブランは、2020年1月31日まで、ホテルニューオータニ東京/幕張/大阪内「パティスリーSATSUKI」で提供。※11月中旬からは「利平栗」マロンクリームと新たな和素材を採用。税別1個 3,300円。

Text by coco.g