福島県国見町の未利用資源を生かした事業展開を行う「陽と人」代表の小林味愛(こばやし・みあい)さん。最終回の今回は、「フェムテック(Femtech)」(女性特有の健康問題を解決するために、テクノロジーを用いた商品・サービス)業界の中でも、なぜ小林さんがデリケートゾーンのケアにこだわっているのかについて紹介します。

 小林さんがフェミニンケアの中でもデリケートゾーンにこだわる理由は、自身の辛い経験がもとになっている。長時間労働をしていた国家公務員時代は、いかに男性と同じように働くかが求められていた。仕事そのものにはやりがいを感じていたが、休みが少ない生活を繰り返す中で、生理不順などのさまざまな不調が小林さんの体を襲う。最初は、自分だけが感じていることだろうと思っていたが、周囲の働く女性に話を聞いてみると、多くの女性が自分と似たような体調不良に悩んでいることを知る。

 「戦前の女性は、一生に経験する生理の回数が50〜100回程度だった。一方、初潮が早まり寿命が伸びた現代女性は、(出産回数が少ないことから)450〜500ぐらいだといわれている。このように女性のライフスタイルは大きく変化しているにもかかわらず、(初潮・生理・更年期などの)女性ならではの体のライフサイクルは変わらない。もっと自分の体と心(の状態)を理解した上でキャリアやライフスタイルを選ばないと、気付いた時にはボロボロになってしまう」と小林さんは注意を促す。

 「デリケートゾーンには、約580種類の菌がいるといわれている。寝不足、食事の取り方などで菌のバランスに変化が起き、ニオイ・かゆみ・病気の原因となる。だから、仕事のストレスで体調を崩していたのはなるべくしてなった状況だった」と小林さんは振り返る。このような経験から、一人一人の女性が自分自身の体の状態を知るきっかけとなる商品を出したい! と発売したのが、デリケートゾーン専用のケア商品ブランド「明日わたしは柿の木にのぼる」だ。

 汚れを落とす「フェミニンウォッシュ」(350ml入りで税別4,500円、約半年分)、保湿のための「フェミニンセラム」(80ml入りで同4,000円、約3カ月分)など5種類のラインアップがあるが、「フェミニンミスト」(30ml入りで同3,800円、同)は耳の後ろなどに吹きかけると、男性の加齢臭対策にも(!)使えるという。 「明日わたしは柿の木にのぼる」シリーズでは、以前は捨てられていた柿の皮を活用している。

 「一日10秒でもいいので(商品をきっかけに)自分ケアを行うことで、大きな体調不良を防ぐことができる」というのが小林さんの信条。社会に合わせるのではなく、“わたしらくし生きる、わたしの身体の新習慣”を、あなたも始めてみませんか?

【小林味愛(こばやし・みあい)】

 2010年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。衆議院調査局入局、経済産業省へ出向。2014年に退職し、株式会社日本総合研究所へ入社。全国各地で地域活性化事業に携わる。2017年8月、福島県国見町で株式会社「陽と人」を設立。子育てをしながら、福島県と東京都の2 拠点生活を送る。