一般社団法人 全国信用組合中央協会(全信中協・東京)と全国信用協同組合連合会(全信組連・東京)の理事長を務める内藤純一氏は8月30日、タイのバンコクで開催された「アジア信用組合連盟フォーラム2022」で講演。新型コロナウイルス禍での信用組合の中小企業支援や全信組連の取り組みが「ますます重要になっている」などと語った。

 講演は「新たな社会的ダイナミズムに対応する信用組合の積極的経営」と題して行われた。内藤氏は日本経済が高度成長期やオイルショックなどを経て「失われた30年」といわれる長期的な景気低迷の時代になった流れを説明。その中で新型コロナの感染拡大が始まり「日本企業の経営に大きな打撃を与えた」と指摘した。

 コロナ禍での政府の経済対策である「実質無利子融資・政府保証融資」について、2021年3月末時点で、信用組合への申し込みは、9万3727件(民間金融機関全体の6.56%)、融資額は1兆1200億円(同5.1%)となったことを説明。「信用組合が非常に重要な役割を果たしていることを示している」と強調した。

 こうした経済対策を受け、内藤氏は「日本の失業率と企業倒産件数は低い水準で推移している」との認識を示した。一方で、コロナ禍では宿泊業や飲食業など対面型産業が大きく影響を受けているとして「現在の(コロナ禍での)景気低迷が続けば、財務体質の弱い中小企業は深刻な事態に直面する」との懸念を示した。

 その上で、内藤氏は「経営難に陥った中小企業に新たな資本として、(一部を資本とみなされる)劣後ローンを供給する施策を進めるとともに、金融機関によるモニタリングやアドバイスが問題の顕在化を防ぐために重要だ」と強調した。

 最後に内藤氏は、信用組合が中小企業に適切なアドバイスと支援をする必要性を指摘。「全信組連も信用組合も、それぞれのビジネスネットワークを活用して中小企業の活動を支援する」と述べた。

 「アジア信用組合連盟フォーラム2022」は8月28日〜9月1日にアジア信用組合連合会(ACCU)などの主催で開催され、日本からは全信中協の柳沢祥二会長(大東京信用組合会長)、福島県商工信用組合の須佐真子常務理事らも出席した。