国際環境NGOグリーンピースが世界の自動車大手10社の気候変動対策についてまとめてランク付けした「自動車環境ガイド2022」によると、トヨタ自動車が今回2年連続で最下位となり、日産、ホンダも順位を下げて、それぞれ8、9位となった。

 トヨタの2021年の電気自動車(EV)などの二酸化炭素を排出しないゼロエミッション車(ZEV)総合販売割合はわずか0.18%だった。これは米ゼネラル・モーターズ(GM)の8.18%、仏ルノーの6.69%に比べて大きく差をつけられている。

 「昨年12月、2030年までに350万台の(電気自動車)販売目標を発表したことは前進ではあるが、依然トヨタは2050年までのネットゼロ実現が見込めず、一方で他社はより意欲的なEV販売目標を掲げて積極的な脱炭素化の取り組みを実施しており、その差は縮まっていない」とグリーンピースは同ガイドの中で指摘した。

 これに対してトヨタ広報部は「トヨタでは、カーボンニュートラルを『この地球に生きるすべての人たちが、幸せに暮らし続ける世界を実現すること』だと考えます。そのお役に立つことがトヨタの願いと使命であり、できる限り多く、できる限りすぐに、CO2を減らさなければならないと考えております」とコメントした。

 さらに「我々は多様化した世界で、何が正解か分からない時代を生きており、1つの選択肢だけですべての人を幸せにすることは難しいと考えています。だからこそトヨタは、世界中のお客様に、BEV(電気自動車)をはじめとするマルチパワートレインで『できるだけ多くの選択肢をご提供』するために、今後ともあらゆる努力を続けてまいります」という。

 レポートに戻ると、ZEV販売台数割合の5年平均伸び率と2021年のZEV販売台数割合のいずれもが世界平均を下回っているのは、日産とトヨタの2社のみだった。つまり、ZEVへの移行速度が世界全体より遅いのは、上位10社のうちでこの2社だけということだ。

 また、日産とホンダの両社は脱炭素化の目標が野心的とはいえず、ともに前年より順位を3つ落とした。一方で、米フォードはZEVの販売台数を大幅に伸ばし、内燃機関(ICE)の段階的廃止計画をより精力的に推進し、サプライチェーンの脱炭素化を公正に実践することによって、前年の8位から4位へとランキングを上げた。

 首位は2年連続でGM。2位は独メルセデスベンツ(前年7位)、3位は独フォルクスワーゲン(同2位)、4位は米フォード(同8位)、5位は韓国のヒョンデ・起亜(同4位)、6位は仏ルノー(同3位)、7位は仏伊ステランティス(同9位)。そして8位が日産(同5位)、9位がホンダ(同6位)、10位がトヨタ(同10位)だった。

 グリーンピースは公開された情報などをもとに、各社の気候変動対策を①ICE車の段階的廃止②サプライチェーンの脱炭素化③資源の節約と効率化の3つの指標を用いてスコアを配分したうえで④その他のネガティブな要素を考慮した。

 グリーンピースは、ICE廃止のスピードアップ、再生可能エネルギー充電と資源削減の推進、早急な鉄鋼の脱炭素化、労働者、組合、労働団体など利害関係者の利益を確保しつつ公正な移行を果たすこと、モビリティーの再考および自家用車の保有数削減―を提言した。

 グリーンピース・ジャパンの気候変動・エネルギー担当のダニエル・リード氏は「気候変動問題に取り組むことは、消費者ニーズを捉え、自動車市場で生き抜くためにも必要です。ZEVの販売実績の乏しさやサプライチェーンの脱炭素計画の欠如など、日本の大手3社の対応は、海外メーカーと比べ遅れが顕著です。このままでは、今後競合する海外メーカーにますます差をつけられてしまうでしょう」と語っている。