まさに、待望。ついに声優・アーティストの早見沙織さんが、ハイレゾ配信をスタートした。

その歌声については、これまでもキャラクター名義の楽曲でハイレゾクオリティを耳にすることができた。それでも、今回の初ハイレゾ配信決定のニュースには大きな意味がある。早見沙織さんが、早見沙織さんとして、より早見沙織さんらしく歌唱した歌声を、最大限そのまま収録したかたちで聴くことができるからだ。

ということで今回、12月18日に配信限定リリースされたニューシングル「Statice」(スターティス)について、早見沙織さん本人に、ハイレゾでの聴きどころなども教えてもらったインタビューをお届けしたい。

ーーよろしくお願いします! 今回、もう待ち望まれていた早見さんのハイレゾ配信ということで、いてもたってもいられず、インタビューを申し込んでいました。

早見沙織さん(以下、早見さん) ありがとうございます、とっても嬉しいです!

ーー早見さんには、デビューシングル「やさしい希望」をリリースされた際にインタビューを受けていただいていましたが、その日にちょうど、早見さんがマネージャーの方からヘッドホンをプレゼントでもらっていた、というエピソードがありました。

早見さん そうでしたよね! 実は、今日もなんです。Bluetoothイヤホンが壊れてしまっていたので、ちょうど今日、新しいのを見つけて買ってきたところなんですよ!

ーーおお・・・! なにやらオーディオ系媒体での取材には不思議な偶然が働きますね! JVCのネックバンド型Bluetoothイヤホン「HA-FD70BT」のようですが、いま流行りの完全ワイヤレスイヤホンではないのですね。

早見さん それも持ってはいるんですけど、落とすのが怖くて、家の中でしか使っていないんです(笑)。あと、あれからヘッドホンもまた新しいものを買ったんですよ。JBLの「E55BT Quincy Edition」というモデルで、ピンクのカラーがすっごくキュートなんです! 自宅のピアノで音楽を作るときに使っています。

ーーQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の公認モデルですし、そうした使い方にも適していると思います。しかし、結構いろいろなモデルを購入されるのですね。

早見さん 追い求めているわけではないのですが、必要になったら買う感じです。この沼に入ったら途轍もないことになる、というのは知っているんです(笑)。周りに多いんですよ、オーディオ好きな方が。マネージャーさんとか、同じ事務所だと鈴木達央さんも昔からオーディオ環境のことは仰っていますね。

ーー小岩井ことりさんなど、声優さんでもお好きな方は最近特に増えた印象があります。さて、いきなりオーディオの話から入ってしまいましたが、ニューシングル「Statice」のことについて聞かせてください。まずは率直に、この楽曲についての印象は?

早見さん この曲はゲーム『無双OROCHI3 Ultimate』の主題歌なんですが、ゲームの内容が格好良くて、爽快感があって、かつ壮大なストーリーになっているんです。数曲のデモ音源から、その世界観に合うように、壮大で疾走感のある曲を選ばせていただきました。

ーー早見さんが数曲に絞られたなかから選定されたんですね。けど、まさに「Statice」を聴いたときの印象は、格好良くて爽快感があり、スケールが大きいな、というものでした。

早見さん ありがとうございます! デモ音源の段階から、そんなに大きく印象は変わっていないんですが、アレンジによってより一層、 “大地感” だったり、楽曲の持っていた力強さというものを広げていただきました。

ーー今回の楽曲でも早見さんが作詞をされていますが、心がけた点などはありますか?

早見さん キャラクターの設定資料だったり、最初から最後までのシナリオプロットや、作品の核となるキーワードはなにか、といったような資料を開発チームの方からいただけたので、そういったものからインスピレーションを受けて楽曲制作に取り組みました。

今回、『無双OROCHI3 Ultimate』では地母神であるガイアという役をいただいているんです。その神様の視点から見た人の世、というものを意識してみて、というようなオーダーがあったので、そこを入り口にしています。でも、聴いた方に共感していただける、自分の肌感覚に近いものになってほしいなとも思ったんです。

人とは少し離れている視点だけど、人が聴いてもしっくりくるものにしたいと考えて、全体の構成的には、だんだん視点が広がっていくような歌詞になりました。人が自分自身と向き合い強くなっていくところから始まり、周りの人との絆によって、自分が持っている以上の力を手に入れる。最後のサビでは、そういう風に繋がっていった人たちが、どういう物語を紡いでいくのかは神様にも分からない、と少しずつ視点が広がって、壮大になっていくように書いています。

ーー確かに、ずっと神の視点だと荘厳な感じはありますが共感はなかなか難しいと思います。葛藤や弱さなど、人らしさを感じられる歌詞なので、より楽曲からはっきりとしたイメージを感じ取れますね。また今回は「やさしい希望」以来の全編英語歌唱バージョンもありますね。

早見 歌うことにエネルギーはたくさん使いますが、すごく格好良くて、英語の持つ力強さみたいなものが、この曲にとって良いエッセンスとして作用してくれたな、と感じています。私の書いた歌詞を英訳していただいたんですが、その方に収録時にも立ち会っていただき、英語のニュアンスについてなどアドバイスをしてもらっています。

ーー英語歌唱でも、歌詞の意味合いに沿った、英語ならではの歌い方をされているわけですね。そういえば、日本語歌詞でも最後のコーラス部分は英語ですよね。

早見さん そこは最後までどんな言葉にするか考えていた部分なんです。「ラララ」でもいいかもしれないし、「UhーAhー」とかもいいかもしれない、何にしようかな、と考えていて、試しに英語で作ってみたら、最後の音数のところに「Statice」という言葉がぴったりハマったんです(笑)。じゃあ、これは英語だなって。最終的には、この歌の核みたいなものを、最後の最後、このコーラスで歌うことができたと思っているので、運命的な出来事でした。

ーーちなみに、「Statice」は花のスターティスからきているのですか?

早見さん そうなんです、スターティスはドライフラワーにも使われるような、枯れても色が消えにくいお花なんです。曲もそうですし、『無双OROCHI3 Ultimate』もそうなんですが、時間が移ろうなかで失われるものと残っていくものに着眼している部分があって、そこに近しいものを感じてこのタイトルにしました

ーー花言葉を調べてみましたが、「変わらぬ心」や「途絶えぬ記憶」といった意味合いがあり、まさにそのテーマにあったものになっていますね。では、いよいよハイレゾ周りのことについて聞かせてください。ハイレゾ配信するということは、どんな風に知ったのでしょうか?

早見さん 今回からハイレゾやります、とPから(笑)。

ーープロデューサーからのお告げが(笑)。では配信が決定したことへの印象は?

早見さん 私のもとにも、届いていたんですよ。お手紙とかメールとか、ラジオでも「ハイレゾで聴きたいです」というご意見が。ようやく応えることができることが、嬉しいなと思いましたね。ハイレゾにして欲しいという声をいただいていることは、チームのなかでは以前から共有されていたんですよ。でも、個人的には「Statice」が初ハイレゾというのはすごく素敵だな、と感じています。

ーーと、言いますと?

早見さん 音数がとても多いですし、生音の美しさも感じられますし、空間的に広がりのある曲になっています。良い音でぜひ聴いていただきたい曲だと思っていたんですよ。

ーーでは早見さん的なハイレゾ版「Statice」の聴きどころはどこになりますか?

早見さん 私がハイレゾで良いなと思ったのは、響きの繊細さがしっかり感じられるところです。弦の音だったり、声のリバーブ感の柔らかさが、空間を感じるかたちで残っているのが好きですね。あと、スタジオでも分からなかったんですが、アコギの弦を弾いている音がすごく好きだなって、ハイレゾで聴いて分かりました。

ーー自分もハイレゾ版を聴かせていただきましたが、声と楽器がとてもクリアに解像感高く聴こえて、イントロから音の違いを感じられました。ラスサビで流れるウィンドチャイムのようなキラキラとした音なんかは、もう明らかにハイレゾが良いと思います。それに、歌声もハイレゾだとより一層、ダイレクトに届いてきました。

早見さん それはもう、本当に聴いて欲しいです・・・! ものすっごく繊細なんですよ、この表現は! 今回のボーカルは緩急の振り幅がとても大きいんですよ。それに、例えばAメロの部分は本当に繊細な表現をしていて、色んなテイクを録って、そこから歌っているところではなく、歌と歌の間の息継ぎが良いからこのテイクにしようとか、そういった風に作られているんです。これはやっぱり、ハイレゾが合っていると思うんです。

ーーまさに呼吸とかの部分はハイレゾだと残ってくるところなので、それも聴きどころですね。

早見さん 雰囲気の部分がハイレゾだと感じられると思いますし、サビから始まる “大きいボーカル” というか、レコーディングブースには壁がありますが、その壁がないようなイメージで、すごく空間認識を広く取って歌っているんです。よく家の模型とかで、壁が四方にバタンって倒れるやつがあるじゃないですか。あのくらいのイメージです(笑)。その雄大な感覚というのも、振り幅として感じていただけたら嬉しいです。

ーーイヤホンだけでなくスピーカーでも聴いてみたのですが、スピーカーだと早見さんの仰る感覚が非常によく分かりました。伸びやかに声が響いて、とても空間が広く感じられます。ですので、スピーカーリスニングもオススメしたいですね。

早見さん ぜひ、オーディオ部屋の壁をバタンと倒してください(笑)。

ーーさて、2020年は早見さんがアーティストデビュー5周年を迎える年となります。この少し気が早いですが、この5年間はどのような時間でしたか?

早見さん あっという間だけれど、一歩一歩がとても濃かったので、「もう5年か」という気持ちと「まだ5年か」という気持ちの両方があります。でも、ここまで来られたことが嬉しいですね。色々なご縁があって、毎年毎年、良い一年を積み重ねてくることができたなと思います。

歌を自分名義で歌っていけるということが今は本当に嬉しいし、自分にとってクリエイティブな活動に取り組んだこの5年間は、人間・早見沙織としてのライフスタイルや価値観、人生にとても大きく影響したと思っています。もしこの活動をしていなかったら、ぜんぜん違う自分になっていたし、この5年間があったからこそ今の自分になれたと思います。

ーー記念すべき5周年イヤーの第一弾タイトル、ミニアルバム『シスターシティーズ』も発表されました。5名のそうそうたるサウンドクリエイターが集まった豪華な一枚ですね。

早見さん “早見チーム” が全員集合して、「どなたにお願いしよう会議」をすごい和やかな空気で行ったんですよ(笑)。みんな音楽好きが集まっているから、ただただ楽しくて(笑)。みんなで好きな方を出し合って、そこで挙げられた素敵な方々に楽曲をご提供いただいています。もともとご縁がある方もいらっしゃいますし、初めましての方もいらっしゃって、どちらにもワクワクがあるメンバーです。

ーー早見さんのこれまでの歩みと、これからの挑戦、その両方が感じられる素晴らしいタイトルだと確信を持って、発売を楽しみに待ちたいと思います。

早見さん 面白いアルバムですよ。音楽好きな方にも響くと思いますし、良い音にも合うと思います!

ーーそうなると『シスターシティーズ』や、過去タイトルについても、ハイレゾで出して欲しいという声は必ずあると思うのですが、そのあたりはいかがでしょう?

早見さん 出して欲しいです! ご要望が多くなれば叶うかもしれませんので、お便りドシドシお待ちしております!(笑)

ーー自分も期待していますので、要望メールをお送りします。では最後に、読者の方にひと言お願いします。

早見さん 「Statice」は音も歌も歌詞も、本当に繊細な部分まで意識を色々巡らせて作った曲なので、ぜひ何度も聴いていただけると嬉しいです。もちろん、良い音だともっと引き立ってくる曲だと思います。5周年に向けて、ここからさらに、自分のペースで加速していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

ーーありがとうございました!

【楽曲情報】

ゲーム『無双OROCHI3 Ultimate』主題歌

タイトル:「Statice」

発売日:2019年12月18日(水)発売

<配信楽曲>

・Statice

 作詞:早見沙織/作曲:田辺 望・伽羅奢・瀧口系太/編曲:前口 渉

・Statice(English ver.)

 Lyrics:Saori Hayami/Lyrics in English:Eliana/

 Music:Nozomi Tanabe, gratia, Keita Takiguchi/

 Arrangement:Wataru Maeguchi

・Statice(ハイレゾ音源)

・Statice(English ver.)(ハイレゾ音源)