「Audio Renaissance Online 2021 Spring」が4月17日、18日にYouTubeチャンネル上で開催され、オーディオブランド全20社のデモンストレーションが開催された。これらの番組はアーカイヴとしてYouTube上でいつでも試聴できる。

【DS AUDIO】

2日目のトップを飾るのは光電型カートリッジで知られるDS AUDIO。代表の青柳哲秋氏による光電型カートリッジの発電原理の解説に加え、製造現場も公開。針を立てている場面や遮光板の位置合わせなどの製造現場を動画で確認できる

また、フォノイコライザーに搭載される基板も全て手作りとなっており、基板の裏面を見ると抵抗と抵抗の脚を直接絡めてはんだ付けしているという。これは非常に手間がかかるが、聴感上でも大きなメリットを感じたことから、「DS-002」以上のモデルについてはこの形で製造されているという。

最後に同社の現在のフラグシップである「Grand Master」と、前世代のフラグシップ「DS Master1」の比較試聴を実施。Grand Masterからは、第3世代振動系を搭載、左右独立した遮光板を設置するなど新しい技術を搭載したものということで、非常に力の入ったフラグシップの更新となっているという。

【トライオード】

創業25周年を迎えたトライオードは、同社の真空管アンプの聴き比べを中心に展開。真空管にこだわるトライオードだが、代表の山崎順一氏によると、「ノスタルジーではなく、今あるソースの情報量をいかに引き出すか」ということに狙いを定めて開発しているという。プレーヤーにはカクテルオーディオを使用し、ハイレゾソースを活用しての比較試聴を行った。

前半では、KT88搭載の「TRX-P88S」、ノーマル300B搭載の「TRX-P300S」とPSVANE WE300Bを搭載の「TRX-P300S-WE300B」といったA級シングルの比較試聴。それぞれの真空管独自の味わいを楽しむことができる。

後半は「MUSASHI」と「JUNONE 845S」の聴き比べに加え、2021年後半に登場予定の新製品3モデルについて紹介。30万円台後半を予定している「Evolution」、そして「TRV-88SER」と「TRV-35SER」を統合したようなモデル、そしてJUNONEブランドからは845Sと組み合わせるためのプリアンプを予定しているという。こちらは秋のオーディオショウにはお披露目できる形で進めたいと語っていた。

【オリオスペック/Diretta】

オリオスペック/Direttaの時間では、前半にDirettaの取り組みについて、後半でオリオスペックが2021年に発売を予定している新製品について発表された。

Direttaは、音質に特化したネットワークプロトコルとして知られているが、現在はプロトコルだけではなく、オーディオメーカーに供給するCPUボード「Diretta Lucia」や、Diretta製品と組み合わせて使用できる推奨製品を認定する「Diretta Contorno」なども合わせて展開。Direttaをより多くのメーカーやユーザーに使ってもらいやすくする取り組みを紹介した。

オリオスペックはオーディオ用の専用電源と、光メディアコンバーターの新製品について紹介。オーディオ用として良質なスイッチング電源にこだわっているということで、「窒化ガリウム」を活用したACアダプターや、SICのショットキーバリアダイオードを活用したパワーデバイスなどの準備を進めているという。

また、DirettaやRoon、SFPといったデジタル再生の新たなキーワードが登場してきていることを受け、「手持ちの機材にどう組み合わせるか」といった悩み相談が増えてきているという。そのため、zoomなどを使ったオンライン相談会といった企画も今後検討しているという。

【SPEC】

スペックは、昨年発売になったDiretta USBブリッジ「RPM-UB1」を中心に、新たに発表されたUSB-DAC「RMP-DAC1」との組み合わせて紹介、Diretta USBブリッジありなしでの空気録音も行われた。

「RMP-DAC1」は電源と本体が別の2筐体方式のUSB-DACで、コンデンサーにSPECオリジナルの「響一」を活用していることが特徴。「RPM-UB1」との組み合わせではDirettaの魅力をより引き出せるが、単体のUSB-DACとしても使用できる。

Direttaの再生には、fidata/soundgenicまたはWindows PCが必要となるが、SPECとしてはWindowsの操作アプリとしてJRiver Media Center(有料)を推薦していくことを考えているという。アプリ側の設定で、YouTubeなどの再生もDiretta出力ができるようになるためとしている。

【DYNAUDIO】

DYNAUDIOは、昨年発表になった「Heritage Special」を中心に紹介。昨年発表されたものの、新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、まだ国内にもデモ機1台しか入ってきておらず、お客さんにゆっくり試聴してもらえる機会を作れていないことから、今回は本機の空気録音も含めたデモを用意することにしたという。

Heritage Specialの名の通り、非常にクラシカルなデザインが特徴で、キャビネットやユニットの配置についても、DYNAUDIOの往年の魅力を伝える内容となっている。トゥイーターはEsotar3をオマージュしたモデルだが、内部搭載技術は最新のものが反映されているという。

また「Heritage Special」のセッティング方法としては、バスレフポートが大きいので後ろの壁から多少距離をとることを推奨しているという。

【アコースティックラボ】

オーディオルームやスタジオの施工を手がけるアコースティックラボ。同社代表の鈴木氏と設計担当の草階氏に加え、アコースティックラボに試聴室の施工を依頼したスフォルツァートの小俣氏と、スタジオ施工を依頼したスタジオ昭和基地の松岡氏も登場し、同社の持つオーディオルーム設計のノウハウを語り合った。

オーディオルームにおいては、「防音環境」と「音場環境」が大きなテーマとなる。具体的な施工事例なども紹介しながら、「防振二重浮構造」による防音対策や、部屋のプロポーション(縦横高さ比率)による設計ノウハウなどを解説した。

【シーエスフィールド】

シーエスフィールドの時間では、昨年より取り扱いを開始したフランス、LIEDSON(リードソン)のミュージックサーバー「ORATRIO」に加え、パワーアンプ「ODEON」が登場。下半分の白い部分はアルミの削り出し、上半分はブナの積層というデザインは共通化され、バイマテリアルデザイン(複数の素材の組み合わせ)によって、振動を回避することができるとしている。

また、スロベニアのKUZMAからはトーンアーム「4point9」が新たに登場。既存の「4point」から、トーンアームの長さを9インチにしたものだが、高さ調節機構などを省略し、価格を抑えたモデルになるという。

レコードの反りを直すAFIの「FLAT.2」も登場、使用前・使用後の空気録音の聴き比べといったデモンストレーションも行われた。

【アイ・オー・データ機器】

前回のAudio Renaissanceでも告知されたCDドライブ「AD10」の詳細が発表された。サイズはこれまでのfidataと同等で、CDドライブにはパイオニアのプレミアムドライブを搭載、fidataやPCなどと組み合わせることで、CDリッピングはもちろんリアルタイムでのCD再生にも対応する。

高剛性アルミメタル筐体を新設計し、基板のノイズコントロールを徹底。また、USBハブとしても利用できるように、複数のUSBポートを搭載する。フロントのイジェクトスイッチは、物理ボタンではなくメタルセンシングスイッチとなっている。

また、秋以降発売を予定する新製品として、新オーディオサーバー「AS2」を参考出品。Intelのプラットフォームを採用したことに加え、リアパネルに新たにCoaxial、Optical出力などを装備。USBポートは3系統(オーディオ出力×1、外付けドライブ×2)に加え、SFPポートとRJ-45ポートを搭載しネットワークハブとしても利用できる。

さらに、soundgenicについて「Spotify Connect」に正式対応することも発表。fidataについても前向きに検討を進めているという。

【スフォルツァート】

スフォルツァートは、価格をぐっと抑えた新ブランドLeap Frog Audioを紹介。現在クラウドファンディング中の「DAC-01」に加え、次のモデルとしてネットワークトランスポート「NT-01」をお披露目した。こちらはSFPポートによるLAN入力1系統と、USBの出力1系統を搭載するものとなり、近日クラファンを開始するという。

本家スフォルツァートが今最も力を入れているのは「ゼロリンク」。SOULNOTEと共同で開発したデジタル伝送の新しい規格となっており、同社のネットワークトランスポート「DST- Lepus」などに搭載される。ゼロリンクとUSBの音質比較も動画で確認することができる。