シャープは、米マイクロソフトコーポレーションが定めるビジネス用途向けInteractive Whiteboard(電子黒板)の規格「Windows Collaboration display」の認証を業界で初めて取得した70V型4Kタッチディスプレイ「PN-CD701」を国内で2020年3月より開始する。価格はオープンで、市場想定価格はおよそ103万円(税別)。当初月産台数は国内・海外合計で1000台。

本機はWindows 10搭載のパソコンと接続してマイクロソフト社のクラウドサービス「Office 365」と簡単に連携でき、「Microsoft Whiteboard」などの多彩なアプリケーションも活用できる。カメラやマイクを搭載しており「Microsoft Teams」を使ってのテレビ会議も可能。大画面70V型の高精細4K液晶パネルを搭載し、図表やデザイン画など微細な文字や線も鮮明に表示。静電容量方式のタッチパネルにより、滑らかで快適なタッチ操作を実現するもの。

本日開催された発表会では、シャープ株式会社 ビジネスソリューション事業本部 ビジュアルソリューション事業部 事業部長 山本信介氏が登壇。まずビジュアルソリューション事業部の取り組みに触れ、「“オフィスを変える”、“街を変える”を事業ビジョンとし、大型ディスプレイを利用してのタッチディスプレイでさまざまなソリューションを展開し、オフィスや教育現場を変えていく。特徴あるディスプレイとソリューションで街や空間を変えていく」と説明した。

タッチディスプレイ(電子黒板)の市場動向は好調。全世界で右肩上がりで成長しており、2020年は約180万台の市場が存在、2023年には220万台になると予測される。なかでもオフィス向けなどビジネス用途は、教育向けよりもさらに成長率が高く、2020年 - 2023年で約70%の成長が予測されている。「海外のパイは大きいが、国内でもタッチディスプレイは堅調に推移。新製品は当初月産台数予定の1000台のうち800台が海外、200台が国内と想定している。国内では日本メーカーが支持されており、シャープは半数以上のシェアを獲得。新製品は比較的プレミアムなゾーンに位置づけられる。一方海外では中国メーカーが中心に価格コンペティティブな展開となっており、シャープは数%のシェアである」という。

タッチディスプレイは約10年前に登場。当時はモバイルパソコンにつないでのミーティングスタイルが主流で、パソコン画面を皆で共有するためにホワイトボードのデジタル化といった形で浸透した。その後、離れた場所にいる人とのコミュニケーションニーズが生まれ、タッチディスプレイはいつでもどこでもコミュニケーションをとれる専用テレビ会議システムとして進化を遂げた。

さらに現在では、テレワークやモバイルワークが浸透、設備にとらわれないフリーなコミュニケーションのニーズが高まり、タッチディスプレイは専用のテレビ会議ではなく、クラウドのテレビ会議とのセットで進化している。山本氏は「クラウド活用を前提に設計されたタッチディスプレイは、今後さらに進化、浸透していく」と力を込める。

シャープのタッチディスプレイの取り組みは、2011年に第一弾商品「BIG PAD」を発売。その後、静電容量タッチ、50V型・40V型のミドルサイズといったバリエーションを展開、また4Kディスプレイの採用など画面の高解像度化も進めた。昨年にはクラウドテレビ会議とセットした85V、75V、65V型の4Kスタンダードモデルを発売しており、今回の新製品でマイクロソフトと連携してのさらなる展開を図る。

新製品「PN-CD701」は4つの特徴をもつ。1つめは新たなワークスタイルを円滑に実現する「Windows Collaboration display」認証の取得。2つめはアプリケーションとの連携。「Microsoft Tams」でのテレビ会議、「PowerPoint」でのプレゼンテーション、「Microsoft Whiteboard」での遠隔ディスカッション、「Outlook」でのスケジュール管理などで、グループワークでのミーティング設定や資料の共有、チャットでの連絡などを促進する。3つめは使いやすさの追求。シャープが「BIGPAD」で培った技術やノウハウにより、細かなデータもくっきりと一覧表示する大画面70Vの4K液晶パネルを搭載、ペン先2mmの静電容量タッチペンでの高速応答、なめらかなタッチ操作を実現。8mのUSBケーブルを同梱し、Windowsパソコンとつないでのタッチで操作も可能にした。4つめはIoTセンサーの搭載。センサーでミーティングルームの温度や湿度、二酸化炭素濃度などのデータを収集、Microsoft Azureにアップロードしてデータを分析、フィードバックしての活用といった新サービスを将来的に展開するとした。

マイクロソフトコーポレーション グローバルデバイスパートナー部門 チャネルエグゼクティブのパトリック・ブーヴェ氏が同社とシャープの取り組みについて説明。「マイクロソフトのミッションは、地球上の全ての個人と組織がより多くのことを達成できるようにすること」とし、「シャープのようなパートナー企業との連携は極めて重要。Windows Collaboration displayの認証を業界で最初に取得したシャープの発表会に参加でき光栄である」と語る。

Windows Collaboration displayをとりまく市場環境に触れ、「昨今のモダンワークプレースは変化しており、2020年までに作業者の72%はリモートで作業するようになり、従業員の80%はコラボレーションのために時間を費やしている。しかしテレビ会議ができる映像機器が設置された会議室はまだ全体の15%」という。

そして、次のようにWindows Collaboration displayの3つの利便性を挙げ優位性をアピールする。(1) 簡単に接続できる:シンプルかつ直感的に接続。PCとシームレスにつなぎ、すぐ生産性を発揮できる。(2) 室内空間での共同作業を実現:「Office 365」や「Microsoft Teams」などのアプリケーションをすぐに利用でき、オフィスをモダンなコラボレーション空間にできる。(3) 作業空間をよりスマートに活用:IoTセンサーを搭載して空間のデータを収集、空間の使用の最適化を図るとともに費用の節約も図る。シャープの新製品PN-CD701は、高解像度、マルチタッチ、インキング機能を備え、ステレオスピーカーと高解像度カメラを搭載。「マイクロソフトチームの最適化されたエクスペリエンスを体験できる」と期待を寄せた。

Windows Collaboration displayのマーケティング展開として、「現在マイクロソフトがヨーロッパで展開しているが、近日中にアジアやアメリカに展開する。また世界中のお客様に向け、マイクロソフトとシャープの営業が連携してアプローチをすすめている。シャープとのパートナーシップで5ヶ月間トレーニングやマーケティング用の資料を提供、マイクロソフトの販売先に対してWindows Collaboration displayを説明し、シャープの販売先にも対応できるよう連携作業を進めている」と説明。

さらに山本氏は「新製品PN-CD701はWindows 10のパソコンとの接続でより性能を発揮できる。シャープとしてはこれをシャープブランドで展開すると同時にバックエンドで連携する使い方を推進、マイクロソフトとの連携をより強固なものとしていく。マーケティング活動として海外でのショーの出展や、日本でも同様の展開をしていく」とした。