シャープは本日、2019年度決算説明会をテレフォンカンファレンスにて開催、同社代表取締役 兼 副社長執行役員 野村勝明氏が説明を行った。なお本日、現代表取締役・会長兼社長執行役員の戴正呉氏が代表取締役・会長執行役員 兼 CEOに、また野村勝明氏が代表取締役・社長執行役員 兼 COOに就任予定であり、本年度の定時株主総会とその後の取締役会にで正式決定される予定であることがアナウンスされた。

2019年度の連結業績は、1Q~3Qまで想定通りの推移4Qは新型コロナウィルスの流行により厳しい事業環境となったものの、着実にトランスフォーメーションを推進していることもあって、通期の最終黒字を確保した。さらに、こうした情勢の変化へ柔軟な対応を進めるとともに、8K+5Gと AIoTをてこに新規市場、新規事業領域での取り組みを推進している、と強調した。

2019年度の業績数値は下図のとおり。3Q決算発表時の予想との差異は、新型コロナウィルスの影響が売上高で約1780億円、営業利益で約360億円とされた。

足元の情勢について「各国では経済活動制限が緩和される動きがあり、営業外損益などは予想しにくいものの、この流れが続けば本業が回復し、売上高と営業利益は2020年度上期に2019年度下期を、2020年度の下期で2019年度の上期を上回り、2020年度通期で2019度を上回る見通し」と自信を覗かせた。だが新型コロナウィルスの動向予測が困難で業績予想の公表は見送り、1Q業績が明らかとなる8月をめどに開示の予定とした。

2019年度の新型コロナウィルスの影響と対応については、全社共通として、在宅勤務拡大に伴う機器設置の延期や世界的な物流混乱があった。商品事業では、国内では中国やASEANの工場の稼働低下で商材の確保ができなかったこと、3月後半の一部量販店の営業停止などにより、通信や白物家電、テレビ、パソコン事業などで齟齬が生じた。

足元のサプライチェーンは段階的に回復しているが、コストダウンや経費の削減を進めてさらなる体質強化を図り、独自技術も活用して自動調理鍋や料理キット宅配サービス、パソコン、ビジネス向け大型ディスプレイなど、今後新たな需要が見込まれる新しい生活様式をサポートする製品やサービスの強化・創出に取り組む。「こうした取り組みに固執することなく、実態経済の変化をタイムリーに捕まえ、状況に応じた柔軟な対応に努める」と力を込めた。

野村氏は「2019年度は最終黒字を確保できたが、新型コロナウィルスの影響による厳しい状況は続いている。環境変化に対応した柔軟な事業経営を行い、トランスフォーメーションを継続、業績の回復、財務体質の改善、株主価値の向上を図る。技術とリソースを活用し、製品やサービス、医療物資を提供し社会に貢献する。皆様とともに今回の危機を克服していきたい」とした。

なお野村氏は質疑応答にて社長就任に際して抱負を問われると、「当面は新型コロナウィルス感染拡大の影響で厳しい事業環境が続くと見ている。2016年度ホンハイの出資の際の原点に戻り、戴氏と一緒に頑張り、ワンシャープで厳しい環境を乗り越える。また既存事業だけでなく、8K+5GとAIoTをてこに新規事業創出を図るということで、しっかりと伸ばしていく」と力強く語った。