ハーマンインターナショナルは、2021年に順次展開を予定する新製品について、メディア向けの発表会を実施した。

■各部門とも堅調、JBL直近の展開

発表会は、75周年を迎えるJBLブランドの展開を中心に行われた。まず直近の実績として2019年、20年に続き、BCNランキングのワイヤレススピーカー部門において、2021年もNo1を獲得したと発表。同ランキングのワイヤレススピーカー部門において、「3年連続で同一ブランドがトップになるのは初のことではないか」と、コメントしている。

また、ドイツで行われる優れた工業デザインを対象としたデザイン賞“レッド・ドット・デザインアワード”の2021年コンペティションにおいて、JBLをはじめ、マークレビンソンやハーマンカードンなどの新製品44モデルが受賞。新しい「JBLボールドデザイン」を採用したポータブルスピーカー群の受賞や、マークレビンソンの「No5105」は ”Best of Best” を受賞するなど、世界中でデザインが高く評価されていることをアピールした。

ポータブルスピーカーについては、「音楽は力だ。」キャンペーンの展開に触れ、「希望と不安の入り交じる新生活を1つの企業として応援したい。音楽の力を再認識してもらい、この困難な状況を音楽とともに乗り越えてもらいたい」とその意図について述べた。4月15日からは、YOASOBIのイラストで知られる藍にいな、音楽を取り入れた漫才を行うラニーノーズとそれぞれコラボした動画を公開。藍にいなの描き下ろしイラスト「Speak(h)er」がデザインされたTシャツのプレゼント企画なども実施していく。

ホームオーディオについては、「おうち時間」需要によりサウンドバー市場が活性化している背景に伴い、「Bar 5.0 MultiBeam」は発売2ヶ月で1年分の想定販売台数を販売できたという。同社は大画面・高画質テレビの購入者がサウンドバーを求める理由として、「音が貧相なフラットテレビの音質改善」に加え、「より本格的で映画館のような体験」が新たなトレンドであると捉え、ドルビーアトモスでのプレミアムな体験を推し進める。

また、Official髭男dismのシングル『Universe』に同梱されているライブブルーレイには、無観客で行ったオンラインライブ「Arena Travelers」を収録。その音声フォーマットにドルビーアトモスが採用されていることを一例に、映画コンテンツだけでは無く、音楽コンテンツにもドルビーアトモスによる「空間再現性」が注目されていることを挙げた。なお、このライブの収録を行ったスタジオ「ピーズスタジオ A/R Three」にはJBLプロフェッショナルの「LSR6300」シリーズが7.2.4chで設置されており、同社サウンドバーを用いて再生することで「実際にスタジオで聞いた音をご家庭で楽しめる」とアピールした。

JBLはゲーミングシリーズ「QUANTUM」も展開。このゲーミング分野においては、KADOKAWAを母体にしたプロゲーミングチーム「FAV gaming」とのスポンサーシップを継続締結する。

JBLとのパートナーシップについて、FAV gamingは「一流グローバル企業のスポンサードはチームの格を上げる。JBLのような一流ブランドがスポンサーになってくれるということは、安心して応援いただけるチームであることの証明にもなる。またeスポーツはデバイス勝負の一面もあり、プレイングスキルが大事であるとともに、良いデバイスを揃えることは運営の使命でもある。一流の商品で選手のプレイ環境を整えられる」と説明。このFAV gaming取材のイベントやSNSなどを通じて、日本のeスポーツを盛り上げるコラボレーションを企画中とのことだ。

■JBL 75周年に向けた施策「ICONIC SOUND FOR 75 YEARS」

1927年に設立された「Lansing Manufacturing」社をルーツに、その後1946年にJBLが創立されてから今年で75周年を迎えることとなった。

75年間変わらないJBLの「アイコニック(象徴的な)サウンド」のために、絶えず革新を続けるプログレードの技術と、プロの現場で使用されるスピーカーに留まることなく、これからも一般向けのポータブルスピーカー、イヤホンなどのプロダクトでもJBLらしいサウンドを提供し続けるとして「ICONIC SOUND FOR 75 YEARS」というメッセージを発信。メモリアルイヤーに、一般ユーザーへのさらなる認知を図っていきたいとコメントした。

JBLの歩みとして前身であるLansing Manufacturing社時代に生み出された、無声映画に音を付加した「トーキー映画」を再生するためのスピーカー「シャラーホーンシステム」と「アイコニック」を開発したのが音響メーカーとしての起源であると説明。その後も映画との関係性は続き、世界初のTHX認証を受けたシアターにもスピーカーが納入されたほか、現在でもドルビーアトモス館にJBLのスピーカーが採用されるなどしている。また、1980年代にはアカデミー賞の授賞式会場としても知られる「サミュエル・ゴールドウィン・シアター」にも「JBL4675」が採用されている。

さらに、「スタジオモニターのカテゴリにおいても存在感を放っている」と続け、レコーディングにおける技術力を認められテクニカルグラミー賞を受賞するなどの歴史の厚みをアピールした。

直近では、ロサンゼルスに建設された最大10万人が収容可能な「SoFiスタジアム」に268基のJBLプロフェッショナル「VLAシリーズ」スピーカーが採用された事例を紹介。なお、このスピーカーに搭載のコンプレッションドライバー「D2415K」が、ホームスピーカー「4349」にも搭載されるなど、最新のプログレード技術が家庭用モデルにも投入されているのがJBLの強みだと同社は説明する。

また、ブランド75周年を広める新アンバサダーとして、歌手のクリスタルケイさんを起用。幅広い層から認知・支持される本格派であるとともに、様々な挑戦を行い、進化を続けるという点でブランドとの共通項があり、この度の起用につながったという。

そして、75周年を記念した2つのアニバーサリーモデルを用意。グローバルイベントで発表した「L100 Classic 75」と「SA750」の国内販売をアナウンスした。

「L100 Classic 75」は、1970年代の銘機「L100 Century」をベースにした「L100 Classic」を、さらにハイグレードに仕上げたスペシャルエディションとして開発。スピーカースタンドをバンドルして全世界750セットの台数限定となるが、日本導入分は「かなり限られた台数になる」とコメント。2021年初夏より予約受付開始。予定価格は税込700,000円前後。

「SA750」は、「SA600」のデザインに先進のテクノロジーを凝縮して復刻させたというモデル。アナログレコード再生やデジタルストリーミング、ハイレゾなどに幅広く対応するほか、音場補正技術「DIRAC LIVE」を搭載。将来拡張可能なアナログプリアウトも備える。初夏頃の予約受付開始で、予定価格は税込400,000円前後。全世界で1年間を通して台数限定生産販売する。

このほか、JBL75周年記念LPレコードや、10月1日の「JBL創立記念日」に向けたイベントも計画中とのこと。

会場ではJBLのポータブルBluetoothスピーカー「CHARGE」シリーズの第5世代モデル「CHRAGE 5」や、「D2」の系譜を受け継ぐコンプレッションドライバーを搭載したスピーカー「HDI」シリーズなども紹介された。

ほか、参考出品として完全ワイヤレスイヤホン「LIVE PRO+ TWS」「TUNE 125TWS」を展示。ともに年内の発売を予定するモデルだ。

「LIVE PRO+ TWS」は、11mmダイナミックドライバーを搭載した「LIVE」シリーズの完全ワイヤレスイヤホン。JBLでは製品名に「PRO」が付く場合はハイブリッドノイズキャンセリング機能を搭載、「+」が付くとワイヤレス充電機能を備えるようになっており、本機も両機能に対応している。

主な仕様面はブランド初のノイキャン完全ワイヤレスイヤホン「CLUB PRO+ TWS」と似ているが、音作りの方向性がまったく異なるとのこと。またスティックタイプの本体デザインも特徴となっている。

外音を取り込むアンビエントアウェア機能や、装着したまま会話が可能なトークスルー機能を搭載。ノイキャンオン状態でイヤホン本体のみで最大約6時間の音楽再生が可能。充電ケースとの併用で、最大約24時間再生できる。本体はIPX4の防水性能を備え、GooglaアシスタントおよびAmazon Alexaに対応する。

「TUNE 125TWS」は、エントリーシリーズとして展開される “TUNE” 初の完全ワイヤレスイヤホン、「TUNE 120TWS」のアップグレードモデル。Bluetoothは4.2対応から5.0対応となり、音楽再生時間はイヤホン単体で最大4時間/充電ケース併用で最大16時間だったところ、イヤホン単体で最大8時間/充電ケース併用で最大32時間と倍増させている。

そのほか、左右いずれも片側のみで使用できる「デュアルコネクト」、同じGoogleアカウントの他のAndroid端末であれば通知をタップするだけで接続が完了する「ファストペア」機能を搭載する。