finalは、本日4月29日に開催された『春のヘッドホン祭2022 mini』に出展。同社が取り扱うfinal/ag/DITA/FiR audioブランドの製品展示を行うとともに、メディア向けに新製品発表会を実施した。

■DITA:新フラグシップ「Perpetua」

「DITA」ブランドからは、新しいフラグシップに位置づけられるイヤホン「Perpetua(パーペチュア)」がお披露目された。DITA創業から10年の技術の集大成として開発したというモデルで、永遠という意味の製品名がつけられた。「Always and Forever.Now」というキャッチコピーが示すように、ブランドのこれまでの10年と未来を担うフラグシップとして、筐体からドライバー、内部配線、プラグ、ケーブルなどすべてが新設計されている。

筐体には代々のフラグシップから受け継ぐチタンを採用。軽量かつ高剛性な素材が共振を防ぐことができ、かつ内側に重心をかけることで高いフィッティングも実現できるという特徴を持ち、イヤホン筐体として理想的な素材であるとする一方、加工難度が高いこともあり、本機の有機的なデザインを実現するには時間とノウハウが必要になったという。ロゴ部にはサファイアガラスを使用し、筐体と一体になるよう曲面に仕上げられた。

ドライバーには12mmダイナミック型「PPT-D(Perpetua-Driver)」を新開発した。これまでの10mmドライバーと比べて振動板面積は65%増加し、これにより「広がりがありながら、濃いサウンド」を提供するとアピールする。振動板には帝人社のTEONEXという強度特性に優れた特殊樹脂を採用。内部配線には「全体域でバランスがよい音がする」ことを理由にAUDIO NOTE社の純度99.99%純銀線を使用する。こうしたこだわりが、精度の高いドライバーの開発を実現につながっている。

イヤホンケーブルは、オープンなサウンドステージを実現するために「コイルオーバーケーブル」を新開発した。これは導体に高純度無酸素銅(PCOCC)を使用し、芯線には6mmのピッチで線材を巻きつけるという特殊なコイル構造を採っている。プラグは交換可能な「Awesome Plug」を進化させ、接合部の強度を上げた「Awesome Plug2」を搭載する。コネクターはユニバーサル2ピン端子を採用し、他社製ケーブルとの接続性も高められた。

ケースはイタリアンレザーを使用したレザーケースと、蓋がゆっくり自然に閉まるキャニスターケースの2種類を同梱。フラグシップとして付属品やパッケージにもこだわられている。

再生周波数帯域は20Hz - 20kHzで、感度は108dB。インピーダンスは20Ωとなる。予約受付は5月中旬より開始し、発売は5月下旬を予定。価格は50万円程度を見込む。

代表のダニー(DANNY TAN)氏もこのイベントに向けて来日。「このイベントに来場できて嬉しいです。PerpetuaにはDITAにとってもエボリューションといえるドライバーを搭載しました。12mmか10mmか、ドライバーサイズは非常に悩みましたが、12mmに決定しました。音楽のエモーションを伝えることが大事であり、加えてスペックやデザインとしても10周年にふさわしいものにしなければいけないと考え開発しています」とコメントした。

■FiR audio:IEM新シリーズ「Frontier」

アメリカを拠点とするIEMブランド「FiR audio」ブランドは、IEMの新シリーズ「Frontierシリーズ」を発表。FiR audioは64 Audioから独立したブランドであり、Frontierシリーズはそのノウハウと新技術を組み合わせて開発されたという。シリーズのラインナップは「Xenon-6」「Krypton-5」「Neon-4」の3モデルとなる。

Frontierシリーズの特徴として4つの技術の搭載をアピールする。ドライバーにはスピーカーで聴くときと同じように空気伝導と骨伝導により音を伝えるハイブリッド方式の新技術「キネティックベース」を投入した。低音の知覚は鼓膜の振動だけでなく、皮膚などから感じる振動が関係していることから、10mmダイナミックドライバーが外を向くように設計することでドライバーから出た音が運動エネルギーに変換され、皮膚感覚でも音を感じるという仕組みとなっており、「これまでの深みのない低音とは異なる、“感じることができる低音”」をIEMで実現したとする。

さらに、外耳道の内圧を緩和して耳への負担を軽減させる「ATOMベンディングシステム」や、サウンドチューブを使用せずにオープンドライバーを使用することで、筐体全体でアコースティックチューニングを行う「オープンアコースティックシステム」、従来のIEMの課題であった耐久性をクリアするために、交換可能なパーツを用いるとともに、メンテナンス性も高めることで長期使用を可能とした「リジッドテクノロジー」が搭載されている。

ドライバー構成は、シリーズ最上位のXenon-6が、10mmキネティックベースダイナミックドライバー×1、オープン型BAドライバーをLow ×1/Mid×2/High×1、オープン型静電ドライバー(Ultra-Hifh)×1を搭載する。

Krypton-5は10mmキネティックベースダイナミックドライバー×1、オープン型BAドライバーがLow ×1/Mid×2/High×1の5ドライバーを搭載。Neon-4は10mmキネティックベースダイナミックドライバー×1、オープン型BAドライバーがLow ×1/Mid×1/High×1という4ドライバー構成となる。

価格はXenon-6が55万円前後、Krypton-5が45万円前後、Neon-4が35万円前後を予定(すべて税込)。発売時期はユニバーサルモデルが6月予約開始・発売を予定し、カスタムモデルが6月受付を開始するとしている。

■final:完全ワイヤレス「ZE2000」、DIYシリーズ「MAKE 4」

そして自社ブランド「final」では、完全ワイヤレスイヤホン「ZE2000」を披露した。finalの完全ワイヤレス第一弾「ZE3000」とZE2000の関係については「E3000」と「E2000」のようなものにあたり、音質が変更された兄弟機といった位置づけになる。

「ZE3000に近しいが、解像感のあるものになっており、ぜひそれぞれを聴き比べてみてほしい」(担当者)というチューニングとなっているとのこと。価格は「ZE3000よりは求めやすい」設定になる予定で、5月末から6月の発売を見込む。

またfinalブランドからは、自分で組み立てて楽しめる「MAKEシリーズ」の最新モデル「MAKE 4」が発表された。

製品には時計の竜頭のように回転するパーツが備わっており、これと連動して内部のパーツが回転して、ダイナミックドライバーの背面の空気量を調整して音がチューニングできる。つまり、フィルターを使わずに音を調整できるということを特徴としている。

現在プロジェクト進行中で、そのほかのスペックの詳細や発売時期などは順次明らかにされていくそうだが、価格については現行のMAKEシリーズよりも「手にとっていただきやすい価格」を検討しているとのことだ。

また、「MAKE 1」「MAKE 3」の再販が決定。5月下旬〜6月頃を予定しており、販売中の「MAKE 2」とあわせて歴代「MAKEシリーズ」が購入できるようになる。

さらに、MAKEのコミュニティサイト「MAKER'S」のオープンが決定した。現在、事前登録の受付が行われている。