米動画配信サービス大手Netflixは4月、約10年ぶりに加入者が減少したことを受けて、パスワードを使い回す不正ユーザーの取り締まりを強化すると発表していた。そのテストを中南米の諸国で実施したところ、一部のユーザーが困惑していることが伝えられている。

テック系メディアRest of Worldの記事によると、Netflixは3月にペルー、チリ、コスタリカでアカウント共有(使い回し)取り締まりの実験を開始したとのこと。同じアカウントを世帯外の人が使う場合は、本来の契約者に追加料金の支払いを求めるというものだ。

ペルーの加入者10数人に話を聞いたところ、ほとんどのユーザーはNetflixからポリシーの変更を正式に知らされていなかったという。また取り締まりのレベルも人によって異なり、一部の不正使用ではアカウント所有者に何のペナルティもなく、検証プロンプト(アプリ上での正規ユーザーであることの確認)を無視したと報告されている。また、ポリシーの変更の知らせも受けず、問題なくアカウントの共有を続けていると語るユーザーもいる。

また、Netflixの「世帯」の定義があいまいなことも混乱を招き(同居していない肉親を世帯の一部と考える人もいるため)、同社もそれを認識しているようだ。ペルーの匿名カスタマーサポート担当者は、「世帯」内の誰かが別の場所から自分のアカウントを使っていると電話をかけてきた加入者に、確認コードを教えるよう求められたという。

Netflixの広報担当は、The Vergeに「我々がアカウント共有の有料化に取り組み始めたのは1年半以上前のことですが、5年前から『Netflixアカウントは一つの世帯に一緒に住んでいる人のためのものだ』と明言してきました」と述べている。さらに「これらの国(テスト対象地域)で積極的にアカウントを共有している数百万人の契約者にメールで通知しつつ、この変更の重要性を考慮し、製品(アプリ)内での通知をより緩やかに強化しています。これまでの反応には満足しています」とも付け加えている。

アカウント共有の追加料金は、新規に契約するよりも安く設定されている。たとえば、世帯外にいる2人のユーザーが使う場合は、2.13ドル〜2.89ドル(277円〜375円/国により異なる)といったところだ。Netflixとしては不正使用は取り締まりたいものの、追加料金を高くしすぎて、逆にユーザー離れを招くことを危惧しているのかもしれない。

Netflixは、年内に安価な広告付きプランを導入することも発表済みだが、強力なライバルであるDisney+も同様のプランで「CMは1時間に4分以下」「未就学児を対象とした番組では広告を配信しない」とも噂されている。それに対抗するなら、広告収入で収益の落ち込みを補うことも厳しそうだ。

Source:Rest of World

via:The Verge

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