9月18日に東京・中野サンプラザにて開催された「秋のヘッドフォン祭2022」。本記事では、Jabra、AVIOT、そしてShureやMeze Audioをはじめとした各ブランドが集う完実電気のブースをレポートする。

完実電気(Shure/Meze Audio/AUDEZEなど)

大きく試聴スペースを構えていたShureは、先日発表されたばかりの有線イヤホン「SE846高遮音性イヤホン(第2世代)」を中心に展示。

SE846 第2世代モデルは、9月15日にその詳細が明らかになった、Shureのインイヤーモニター “SEシリーズ” 最新トップエンドモデル。3ウェイ4BAドライバー構成に独自開発のローパスフィルターを採用し、交換式ノズルインサートを用いて音質をカスタムできる点が大きな特徴となる。

2013年の初代機発売から、約9年ぶりにアップデート。第2世代機では、交換式ノズルインサートに新しい「エクステンド」を追加し、「バランス」「ウォーム」「ブライト」と合わせて4種類を選択できるようになった。

試聴には初代SE846ユーザーや、弟モデルとなる「SE525」、エントリーモデル「SE215」からのステップアップを検討する方なども多く集まり、最新イヤホンをじっくりと聴き込んでいた。

このほか、「SE215 Special Edition」の新色パープルや、「AONIC 40」などヘッドホン各種などの試聴展示も行われていた。

Meze Audioからは、10.2mmダイナミックドライバー搭載IEM「ADVAR」を展示。“穏やか、ダイナミック、そして滑らかでベルベットのように艶のあるサウンド” を実現したというADVARは、7月に発売してから市場での反応も良く、売れ行きも好調とのこと。こちらも試聴にユーザーが絶えず訪れて、じっくりとそのサウンドを堪能していた。

また、平面磁界ヘッドホンの聴き比べブースも出展。時間を区切ってチケット制で試聴が行われたが、早々に配布終了となるなど注目が集まっていた。試聴製品はMeze Audioの開放型モデル「EMPYREAN」「Elite」、フジヤエービックが販売するDan Clark Audioの「STEALTH」、そしてAUDEZEの「MM500」を揃える。

MM500は10月上旬発売予定のAUDEZE平面磁界ヘッドホン最新モデル。9度のグラミー賞受賞などプロデューサー/音楽エンジニアとして活躍するManny Marroquin(マニー・マクロイン)と共同開発したモデルで、スタジオ向けによりモニターライクな音質チューニングが施されている。価格は30万円前後を想定する。

平面磁界ヘッドホンとしては軽量な点も好評という従来モデル「LCD-5」がベース。MM500でもできる限り軽量設計を踏襲し、若干増えたものの質量495gを実現。ポータビリティーにも優れるとし、スタジオ機材だけでなく、PCやDAP、ポータブルアンプなどでも十分駆動できる仕様だとしている。

また使用素材が異なっており、ダイアフラムにはUltra-Thin Uniforceを、ドライバー・リングにアルミニウムを採用。ハウジングもアルミニウム削り出しを用いており、ヘッドバンドもスプリング+スティール製となっている。

このほか、春のイベントにも出展されたMaster & Dynamicのワイヤレスヘッドホン「MW75」(今冬発売予定)が本イベントにも出展。また、Master & Dynamic「MW08 Sports」、Devialetの「Gemini」、B&O「Beoplay EX」など完実電気取り扱いブランドの完全ワイヤレスイヤホン各種も並ぶ。

Westone Audioの新ユニバーサルIEM「MACH」シリーズ、EtymoticのマルチBA搭載のイヤホン「EVO」をはじめとした製品各種も勢揃いしている。

Jabra

Jabraは完全ワイヤレスイヤホンの現行ラインナップ6モデルを一斉展示。9月2日に発表・発売されたばかりのハイブリッドANC搭載完全ワイヤレスイヤホン「Elite 5」を中心に、上位モデル「Elite 7 Pro」や「Elite 85t」、エントリー向け「Elite 3」などが並んでいた。

Elite 5は、イヤホン内外に備えたフィードフォワード/フィードバックマイクによるハイブリッドアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が特徴。さらに左右合計6基のマイクテクノロジーによる高い通話性能や、ハイブリットワークに適した接続性の高さも備える。その上で18,480円(税込)と、2万円以下に収まる手の出しやすい価格で、ハイレベルなミドルクラス機として注目を集めている。

AVIOT/Spinfit

AVIOTのブースには、人気ロックバンド・凛として時雨のドラマーであるピエール中野氏監修のイヤホン/ヘッドホン各種をメインに出展。また同スペースにはHi-Unitの共同開発モデルも並んでいた。

試聴には開放型オーバーイヤーヘッドホン「WA-Z1PNK」(通称 “ピッドホン”)、完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「TE-BD21j-ltdpnk」、ケーブル一体型ワイヤレスイヤホン「WE-BD21d-pnk」が並び、特にAVIOTとしても初となるヘッドホン、WA-Z1PNKが注目を集める。

WA-Z1PNKは平面駆動ドライバー搭載のヘッドホン。“ピヤホン” 同様にピエール中野氏が音質からデザインまで全面的に監修、「音質特化型」として作り込みがなされている。一般発売は11月中旬から下旬を予定、価格は税込8万円前後の見込み。

夏のイベントでその存在が明らかになった本モデル、試聴したユーザーからは「ピヤホンの印象と少し違って感じる」という声もあったという。従来ピヤホンではライブ感のある低音が魅力の一つ。ピッドホンにおいても、音質チューニングは一貫して同じ方向を追求しているのだが、ピヤホンではイヤホンという鼓膜に近い場所で聴こえているが、ピッドホンではヘッドホンならではのドライバーと耳との距離感であること、また平面駆動ドライバーによるクリアで伸びやかな中高域の特徴もあって、新しいサウンドに感じる方もいるよう。並びで試聴できるイベントだからこそ、そうしたイヤホン/ヘッドホンの音の届き方の違いもじっくりと確かめることができる良い機会となっていた。

Hi-Unitの共同開発モデルは、いずれも今後発売を予定する「有線ピヤホン3(Hi-Unit-001pnk)」と、「ピッドホン2」の試作機を展示。有線ピヤホン3はダイナミックドライバー1基搭載の “ハイエンド” モデル。

DARUMA AUDIOと共同開発。有線ピヤホン3はクラウドファンディングを実施し、すでに1億円を超える支援が集まっている。ハウジングの質感やケーブルなど各所に高級感あふれるデザインを採用。これまでのモデルよりも大型にはなるが、耳の小さな方にもフィットしやすいよう、ハウジング内側部分の形状は工夫を凝らして設計されている。また、ステージモニターとしても適するとしており、実際に提供したアーティストらがイヤーモニターとして使用するなど実績もあるとのこと。

ピッドホン2は年明け頃の発売を目指して鋭意開発中という。ワイヤレスモデルだが、有線にも対応。Bluetoothコーデックは調整中とのことだが、aptXまで対応を予定するという。なおノイズキャンセリングは非搭載となる見込み。このほか、mimimamo製のヘッドホンカバーも付属予定とのこと。価格は3万円前後を想定する。

Spinfitのブースは、最新シリーズ「W1」を中心に、同ブランドのイヤーチップが全種試すことができた。

W1は医療用シリコン素材を用いた肌に優しいフィット感を実現するほか、軸部分に、内側は硬く、外側は柔らかい素材を波状の構造で一体化したダブルウェーブ加工を施しており、高域の伸びとざらつきのない整った低音の再生を可能にするという。また、傘の部分が柔軟に傾く3Dクッション構造によって、個々人の耳の傾斜に合わせてジャストフィットさせることができる点も好評だという。