クアルコムは次期PC向けSoC「Snapdragon 8cx Gen 4」に、アップルのM1/M2対抗となるCPUコア「Oryon」を初導入すると噂されている。このOryonに取り組むチームは、かつてアップルでiPhone向けAシリーズチップ(A7〜A12X)開発に関わったスタッフから成るNuviaチームであり、まさにアップルvs元アップルという図式だ。

そんなSnapdragon 8cx Gen 4のマルチコア性能が、次期Mac用Soc「M3」を圧倒するというベンチマーク結果が報告されている。

この情報の発信源は、有名リーカーのRevegnusだ。有名ベンチマークアプリGeeknbench 5での計測結果は、M3のシングルコアスコアが2500でマルチコアスコアが11,000。そしてSnapdragon 8cx Gen 4はそれぞれ1800と14,000〜14,500だという。

以前Revegnus氏は、Snapdragon 8cx Gen 4のマルチコア性能がM2よりも辛うじて上だと述べていた。それを振り返れば、めざましい進歩のようにも見える。

しかし、Snapdragon 8cx Gen 4は複数のバリエーションがテスト中であり、遅いバージョンの高性能コアは3.00GHzで動作し、速いバージョンは3.4GHzとの噂もある。そして最新のツイートでは、Revegnus氏はクロック速度には触れていない。

M2より辛うじて高速とされたのは、低速な3.00GHz版である。今回M3と競り勝ったバージョンは3.4GHzだとすれば、話の辻褄はあいそうだ。しかし、シングルコア性能では、M3はSnapdragon 8cx Gen 4を38%も上回っており、M3の高性能コアはOryonコアより処理速度が勝る可能性が示されている。

M3のCPUコア数はM1やM2と同じ8コアと予想されている一方で、Snapdragon 8cx Gen 4は12コアとみられているから、シングルコア性能が劣ったとしてもマルチコアで上回ることは不思議ではない。CPUコア数を増やすことで消費電力も増え、バッテリー持ちに影響する可能性もある。

それでも、現行のクアルコム製PC向けフラグシップSoC「Snapdragon 8cx Gen 3」はM2にシングルコア・マルチコア性能ともに後れを取っていることから、Snapdragon 8cx Gen 4がこの通りの性能であれば、WindowsノートPCの性能や電力効率は大きく改善することになるだろう。

アップルのM3 Macは、2023年末〜2024年初に発売と予想されているが、Snapdragon 8cx Gen 3搭載PCも早期のリリースを望みたいところだ。

Source: Revegnus(Twitter)

via: Wccftech