今月GoogleのTensor G2チップを搭載した製品は2つ(Pixel TabletとPixel Fold)発売される予定だが、次期「Tensor G3」チップは大幅に強化されると有名リーカーが主張している。

これまでGoogleのTensorチップは、従来のベンチマークアプリによる計測では競合他社のSoCにおくれを取ってきた。同社はこれらアプリが「古典的」で時代に即していない、ユーザー体験を改善する上で問題ないと述べていたが、それでも一般的な顧客が「古典的な」性能を重視するのは事実だ。

さてリーカーのKamila Wojciechowska氏によると、Tensor G3は、より新世代のCPUコアや最新ストレージ規格への対応、GPUコアの更新など、全面的なアップグレードとなるようだ。

まずCPUコアについては構成が変更され、1+4+4(それぞれ超高性能コア/高性能コア/高効率コア)になるという。初代TensorチップとTensor G2は、いずれも2+2+4構成だった。

超高性能コアはCortex-X3で、クロック数は3.0GHzになるとのこと。そして高性能コアはCortex-A715であり、2.45GHzで動作。さらに高効率コアのCortex-A510を2.15GHzで駆動するという。

Tensor G2チップでは、それぞれCortex-X1(2.85GHz)/Cortex-A78(2.35GHz)/Cortex-A55(1.8GHz)だった。これらは2020年以前に登場したコアだったが、Tensor G3では全て2022年に発表されたものに置き換えられ、はるかに世代が進むことになる。

これら最新コアは、アーキテクチャがArmv9(2021年発表。2011年に発表されたArmv8から10年ぶりの刷新)に移行したことも意味する。すなわち最新セキュリティ技術の実装も可能となり、メモリベースの攻撃を防げるMemory Tagging Extensions(MTE)を搭載する予定だという。

また、Tensor G2チップでは32ビットアプリのサポートが終了しているが、内部的には32ビット対応コアに加えて、32ビットライブラリも搭載している。これがG3チップでは、ハードウェア・ソフトウェアともに64ビット専用になる見通しとのことだ。

もう1つ注目すべきはストレージで、ようやくUFS 4.0規格に対応するという。UFS 4.0は、Pixel 7シリーズのUFS 3.1よりも大幅に強化されたもの。サムスンは前世代よりも2倍速い速度や、バッテリー効率が45%向上したと謳っていた。すでにGalaxy S23 UltraやOnePlus 11等に搭載されているが、その高速かつ省電力に優れたストレージがPixel 8にもやって来るというわけだ。

ほかWojciechowska氏の記事は、新GPUでのレイトレーシング対応やAV1エンコード用チップ搭載、改良型TPUでAIもより賢くなるなど、興味深い見通しを語っている。Pixel 8シリーズは負荷の高いゲームのプレイやビデオ撮影、各種AI機能など、様々な用途で活躍することになりそうだ。

Source: Android Authority

via: 9to5Google