アップルの忘れ物トラッカー「AirTag」が、本来の目的から外れて悪用されたとの報告が相次いでいる。そんななか、アップルがAirTagのファームウェアを更新し、不審なAirTagを見つけやすいよう、発する音を大きくしたことが明らかとなった。

このファームウェアは今週初めに配布が始まっていたが、その時点では何が変更されたかは不明だった。その後に新たなサポート文書が公開され、見知らぬAirTagが一緒に移動している場合(他人のAirTagが本人や荷物に取り付けられている可能性が高いとき)位置を知らせる音に手を加えているということがわかった。

ファームウェアのバージョンは「1.0.301」。公式ドキュメントには「望まない追跡を知らせる音を調整し、より簡単に未知のAirTagを見つけることができます」と書かれている。

アップルはAirTagがストーキングに利用されることへの懸念に対応するため、何度かファームウェアに変更を加えている。まず2月にストーカー対策の強化を順次行っていくと予告しており、そのうち一部は3月に配信されたiOS 15.4で実装済みだ(「AirTagをストーカー行為に使うのは犯罪」メッセージなど)。

予告された対策の中には、「AirTagの音の調整」があった。これはiPhoneやiPadなどが不審なAirTagを検出して警告を発した際に、「サウンドを再生」によってAirTagに音を鳴らさせ、見つけるしくみに関するものだ。

アップルは不明なAirTagをより簡単に見つけやすくするため「音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用するよう、トーンシーケンスを調整する予定」としていた。今回のファームウェア更新は、この公約を果たしたものと思われる。

ただしユーザー自らがAirTagを能動的にアップデートする方法はない。iPhoneからBluetooth経由で転送が行われるのを待つしかないが、アップルは「定期的に」配信されると述べている。米MacRumorsによれば、26日時点で全AirTagの1%、5月3日に10%、5月9日に25%、5月13日にようやく全てに行き渡るそうだ。

ここ数ヶ月、車やコートに持ち主不明のAirTagが仕込まれて追跡されたとの報告も増えており、米ニューヨーク州司法長官も注意喚起をしていた。

AirTagが競合他社の製品よりも大量に販売され、かつストーカー防止対策が施されているため「悪用が発覚しやすい」側面もあると思われるが、iPhoneからの警告には、ぜひ耳を傾けたいところだ。

Source:Apple

via:MacRumors