ここ最近、アップルが開発中というAR/VRヘッドセットの噂が相次いでいるが、今月のWWDC 2022(開発者会議)でも姿を現さず、言及さえされなかった。しかし著名アナリストのMing-Chi Kuo氏は、本製品が「2023年1月に発表される」との予想とともに、同社が「ヘッドセットのゲームチェンジャーになる」との見通しを述べている。

このレポートは、Kuo氏がTwitterおよびブログで発表しているものだ。その内容はもっぱら、今後VRヘッドセット業界がどのように成長するかに焦点が当てられている。

より具体的には、元FacebookのMeta社がVRヘッドセットを牽引してきたこと、そして景気後退によりハードウェアへの投資を減速していることにより、この業界が今後数ヶ月でどのように変化していくかが分析されている。

Kuo氏によれば、過去2〜3年でVR業界が急成長をとげた鍵の1つは、Metaが損失を被ってでも安価にVRヘッドセットを販売してきたことだという。しかし同社は、アップルのプライバシーポリシー変更(アプリトラッキング透明性=ユーザーの追跡制限によるターゲティング広告の効率低下)などによる景気後退のリスクが一因となり、VRへの投資を減速させているとのことだ。

しかしVR業界は成熟しているので、Metaが撤退しても業界にダメージはないだろうとKuo氏は言う。むしろ、MetaがVRハードウェアへの投資を減らすことは、業界が拡大している中で、他のVRヘッドセットメーカーにとってチャンスだと見ている。

さらに「中国市場における膨大な潜在需要と、2023年1月に発表される可能性が高いアップルの AR/MR製品も、ヘッドセット部門の継続的な急成長に有利に働くだろう」とのことだ。Kuo氏は1月発表説を今月初めにも述べていたが、より確信を深めているのかもしれない。

では、Kuo氏がアップルのAR/VRヘッドセットを「業界のゲームチェンジャー」と見なす理由とは何か。それは「ビデオシースルー(内蔵カメラで撮影した周囲の映像に、CG映像を合成する方式)に対応したAR/MR製品が、優れた没入感を提供できる」と予想されるためだ。したがってアップルがAR/MR製品を発売すれば「没入型ゲーム/マルチメディアエンターテイメントの需要をさらに押し上げるだろう」とのことだ。

また、Kuo氏はこの本製品を「これまでアップルが設計したなかで最も複雑なデバイス」とまで言っている。たしかに、噂通りマイクロ有機ディスプレイx2とAMOLEDパネルx1を組み合わせ た「革新的な3ディスプレイ構成」や高度なセンサー、さらにMacBook Proに搭載されたM1 Pro並みの強力なプロセッサが採用されるなら、複雑さはiPhoneの比ではなさそうだ。

最後にKuo氏は、アップルの競合他社が同社のAR/VRヘッドセットの設計を真似ることで、結果として業界全体を前進するだろうと結論づけている。同氏は以前も、アップルが本製品をなかなか発表しないのは、他社にアイデアをコピーされるのを警戒しているからだと述べていた。

Kuo氏はMetaの次期VRヘッドセット「Quest Pro 2」が2022年後半に発売すると予想していたが、同社がハードウェアへの投資に今後も力を注いでいくのか。続報を待ちたいところだ。

Source: Medium

via: 9to5Mac