■テレビ周りでもあえての「スピーカー + アンプ」!

僕が「普段使いオーディオ」に求める要素として、「使いやすさ」「操作性」の重要性は極めて大きい。それらをクリアしていれば、絶対的な音質だけにこだわる必要はないとさえ考えている。

その割り切りは、テレビ視聴用のスピーカーシステムにおいても同じだ。そうなると、「ということはサウンドバーをお使いですか?」と思われるだろうが、実際のところ僕が使っているのは、B&W「CM1」の初代モデルというスピーカーとオーディオアンプの組み合わせだったりする。

というのもこのシステム、設置当初はオーディオシステムとテレビ視聴システムを兼ねてセッティングしたもの。今は後者の役割のみになっているのだが、これは決して「面倒だから惰性でそのまま…」というわけではない。バーチャルサラウンドなどは求めず、ステレオ再生特化とするなら音質面で優位なので、むしろ積極的に継続して使っているのだ。もし「使ってないスピーカーが余ってる」というオーディオファンの方がいれば、そのスピーカーを活用する意味でもおすすめの方法だ。

さて、そんなテレビ視聴システムにおいて、スピーカーにはいまだ不満はないものの、アンプの方は少し不便を感じていた。なぜなら、前述のように当初はオーディオシステムも兼ねていたので、現在のテレビ用の専任システムとしてはオーバースペックで、使い勝手も少し悪いのだ。

というわけで、今回導入した新アンプがこちら!

FOSTEX「AP20d」実売税込1万6,000円ほど。

今回はAP20dが、僕の求める「テレビ視聴用の普段使いスピーカーシステムの一部としてのオーディオアンプ」として、どのように使いやすく便利なのかを紹介!あわせて、あえて「スピーカー+アンプ」を使う際の、テレビ用オーディオアンプの選び方や使い方のポイントも説明していこう。

■僕が「AP20d」を選んだわけ

僕の自宅では、テレビのヘッドホン出力端子からアンプのアナログ入力端子へ接続して使っている。当初はテレビの光デジタル出力からアンプの光デジタル入力端子に接続していたのだが、後に切り替えたかたちだ。

もちろん音質面ではデジタル接続の方が有利だ。理屈の上で有利というだけではなく、実際に耳で聴いて分かるレベルで、デジタル接続の方が音は良かった。

のだが…少し面倒になったのだ。というのも、普段おおよそ全て、レコーダーに録画したテレビ番組を再生・視聴している僕にとって、テレビ視聴における操作はレコーダーのリモコンのみで完結したい。デジタル接続の場合アンプでの音量調整はアンプ側のリモコンで行う必要があり、ちょっとした音量調整のために、いちいちリモコンを持ち替えなくてはならなかった。

そこで、ヘッドホン端子からのアナログ接続に変更。アンプ側のボリュームをあらかじめほど良いところに合わせておけば、あとの微調整はレコーダーのリモコンからテレビの音量を動かすことで行えるようになった。

ところが、これまでに使っていたアンプでは、デジタル入力で重宝していた「とある便利な機能」がアナログ入力には用意されていなかった。

その機能とは「オートスタンバイ」。音声信号の入力が一定時間途絶えると自動的に省電力スタンバイモードに入り、音声信号の入力再開を検知するとまた自動的にONに戻る機能だ。

この機能が無いと、一日で最初にテレビを見るときや寝る前など、アンプ本体やリモコンの電源ボタンに手を伸ばす必要がある。とはいえさすがの僕でも、一日に数回しか必要ない操作が億劫だったわけではない。それを「忘れる」ことが多発するのが億劫だったのだ。

「録画しておいた番組を再生開始したら音が出ず、ため息を吐きながらアンプの電源を入れる」「寝ようと照明を消したらアンプの電源ランプが光っていて、ため息を吐きながら電源を落としに戻る」ということがちょくちょくあり、なんだかなあ…という感じだった。

そこで新たなアンプ選びにおいては「アナログ入力でのオートスタンバイ機能」を必須条件とし、それを満たす製品の中からさらに選び抜いた。それが「AP20d」というわけだ。

AP20dのスタンバイモードはわかりやすい物理スイッチで、

・スタンバイモードのオンオフ

・スタンバイに入るまでの時間は5分/20分

という設定選択が可能。

実際にしばらく使ってみたところ、スタンバイからの復帰も一瞬。僕の使い方ではこまめにスタンバイする5分設定で問題ないと判断し、その設定で利用中だ。ちょっとした用事で再生を一時停止して席を外したくらいでもスタンバイに入るが、戻ってきて再生再開するとほとんどタイムラグなく復帰してくれて、出だしの音の取りこぼしもほとんどない。ノーストレスだ。

■普段使いテレビアンプに大出力は不要!?最適な選び方とは

さて、アンプ選びとなれば「出力」は外せないポイント。基本的には「出力大きい」=音量大きい、小音量時でも駆動力の余裕で音質面の優位あり、となる。とはいえ、普段テレビを見るのに大音量は不要だし、音質面でシビアな優位性を求めないとなると、むしろ大出力だと「小音量時の音量調整の難しさ」という不便も生じる。

以前のようにデジタル接続だと、音量調整は完全にアンプ側次第。するとアンプの出力が大きい場合、かなり慎重に動かさないといきなり音が大きくなったり消えてしまったりしていた。そういった面でも、今のテレビのヘッドホン端子とアンプを接続し、両機の組み合わせで音量調整するスタイルなら、その問題もクリアできる。

またアンプというのは、ある程度ボリュームを上げたところに、実力をフルに発揮できるスイートスポットがありがち。全開が10だとしたら、3から7あたりだろうか? S/N、バックグランドノイズの目立ち具合の面からも、アンプのボリュームを極端に下げたところでの使用は避けたい。今の僕のスタイルで音量調整する場合も同じく、テレビ側のボリュームを極端に下げるのはあまりよろしくない。

接続方法はいずれにせよ、アンプもテレビもどちらの音量設定も、ほど良くいい感じの音量で使うには、出力が “ほど良い” アンプを選んでおくのがベターなのだ。

我が家のスピーカー、B&W「CM1」は公称インピーダンスは8Ω。AP20dの出力値は8Ω負荷で12W+12W。たとえばこの組み合わせでは、テレビの音量は30/最大100、アンプの音量は80/最大100あたりで求める音量に落とし込めている。いい感じだ。

なお念のため、テレビ側をもう少し上げるためのアッテネーター的なアイテムも一応は用意済み。これでアンプ側の音量を維持しつつ、テレビ側の音量の微調整も可能だ。もしも「アンプのボリュームを上げられなくて調整しにくい」問題にお悩みの方がいれば、このちょっとしたアイテムの導入だけで解消できる場合もあるので、試してみてはどうだろう。

■コンパクトさも音のクオリティも見事!

今回紹介したFOSTEX「AP20d」は、テレビ周りのアンプとして実に見事! 僕の環境においてはほぼ完璧と言って良い。

音質面でも、より本格的な価格やサイズのアンプと比べれば、そりゃ物足りないところもあるが、この価格とサイズのアンプとして考えれば、「いやこれ価格帯性能比も面積対性能比も高すぎでしょ!」と納得させられるレベルだ。実際の音の傾向などについては、生形三郎氏によるPHILE WEBの記事で詳しく紹介されているので、是非目を通してみていただきたい。

僕自身、生形氏がここで「筆者も小型スピーカー用のリファレンスアンプとして活用している」とお書きになっていたことで、「生形さんが使ってるなら安心だろ」と購入を決断した。そして期待通り!

AP20d、今回はテレビ周りに導入したが、普通のオーディオアンプとしての実力も十分。この先もいろいろ便利に、長らく活躍してくれそうだ。

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高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi

趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。